2010年07月24日

70年代へ逆戻り

201007207月20日

夕方からNHKにて番組収録。音楽は宮川彬良氏。tassiはアコギ、12弦で参加。

昔に比べれば放送局の音響は格段に良くなっている。薄い編成ならギターなどマイクで録ることなど屁でもないことだろう。そうは言っても他の楽器のカブリや他のミュージシャンへのモニター供給を考えると、まだまだラインがあった方がイイに決まっている。

本日は12弦でフォークの名曲を弾かなければならない。12弦でフォークと言ったってゴードン・ライトフットじゃあありませんよ(古いねえ..)。日本のフォークのアレですよアレ、でも転調があるとちょっとキツイですねえ。おまけにスリーフィンガーだしね。

いつもライヴで使っている、ピックアップ付きのSOFIAの12弦が現在入院中なのだ。入院させたのはちょっと前だが、どうやら無理なことをお願いしているようで、まだ退院できないでいる。だから本日はスタジオでしか使っていない「TAYLOR LEO KOTTKE MODEL」を使うことにした。

この楽器はスタジオ仕様なのでピックアップが付いていない。男らしく、潔く、ドーンと構えて「マイク一本で録ってみんか〜〜い!」と言おうと思ったがが、やっぱりそこは配慮というか弱気というか、まあオトナになってピックアップを付けることにした。付けると言ったって楽器の中に新たに何かを仕込むには時間がない。もしやと思い家のあちこちを探していたら、貼り付け型のコンタクト・ピックアップが引き出しの奥から出てきた。形状からするとフィッシュマンらしいがよく分からない。両面テープを使いボディの外側から貼り付けてまずは音出し実験だ。

当たり前だがパッシブ・タイプなのでそのままミキサーにぶち込むわけにはいかない。間にプリアンプを咬ませてゲインやインピーダンス調整が必要である。で、スピーカーから出てきた音はこれまたビックリだ。結構使える音じゃない!!見てくれはチープで全く期待していなかったが、結構生意気な音がする。中途半端にサドル溝に敷くピックアップよりも十分生っぽいサウンドである。尤もこれは間に咬ませたプリアンプ「Millennia TD1」のおかげかもしれない。

NHKのスタジオでもラインだけで収録が可能だった。つまりマイクを立てずとも、12弦のサウンドとして成立したということだろう。収録後に一緒に演奏したミュージシャンに「この黒いヤツで演ったんだよ」と言ったら、結構イイ音していたよと驚いていた。

1970年代にジェームス・テイラーが愛用のGIBSON J-50にバーカス・ベリーを付けていた頃が、アコギにおけるコンタクト・ピックアップの黎明期だったと記憶している。音楽雑誌の写真でしか見たことがなかったので、実際どういう音がしていたかはわからない。でもきっと画期的なことだったはずだ。

あれからすでに40年近く経っている。その間さまざまなピックアップが開発され、ピエゾを中心にマグネチック、小型コンデンサ−・マイク、それらの複合型などありとあらゆるスタイルのピックアップが世の中に出回っている。それぞれ一長一短でどれがベストとは言えないが、今回のシステムはそんな中にあって「simple is best」という一つの結果を現したものかもしれない。


OLYMPUS E-P2 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm


fukasawaman409 at 03:28│Comments(0)TrackBack(0)work | gears

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