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2017年07月25日

G7th Heritage CAPO

58aac0eb.jpgG7thカポをご存知だろうか。
日本には十数年前に入ってきた、独特のクラッチ機能を持つハイテク・カポである。発売当初は幾つかトラブルがあったようだが、現在はそういうこともなく且つ軽量化されて、使い勝手がさらに進化している。tassiは初期型からずっと使い続けている。もちろんメインのカポは、世間でカポのロールスロイスと呼ばれている90年代の「マッキーニー」だが、ライブではその使い勝手からカポのレクサス(ハイテクという意味で)こと、G7th パフォーマンスカポを愛用している。

ロールスロイスもレクサスも持っているのでもうカポは必要なかろう、と思っていたら新しいものに出会ってしまった。それは「G7th Heritage CAPO」である。一見ゴージャスなヨーク式スクリューカポに見える。しかしあのハイテク・カポを作ってるG7thが、わざわざ「Heritage/遺産」と銘打って出すのであるから、ただの懐古趣味的ヨーク式スクリューカポではあるまい。

一番シンプルなモデルでさえも139ドルのプライスが付いている。日本円に換算すると約1万5千円もする。G7th パフォーマンスカポのおよそ2倍以上の価格だ。ちなみにマッキーニーが150ドルだから、価格的にはロールスロイス級である。これはきっと何か秘密が隠されてるに違いない。また豪華な彫刻が施されているモデルは、何と219ドルと驚きの価格である。

日本ではまだ発売されていないようなので、サイトのオンラインから一番安いモデルを直接取り寄せてみた。立派な箱の中には革の特製ケース。その中に鏡面仕上げされたステンレス製の光り輝くカポが入っていた。たかがカポ一つでこれだけたいそうな扱い、同社では最上級モデルという位置付けなのだろう。

第一印象は「美しい」の一言に尽きるだろう。マッキーニーと同じスタイルであるが、細かい仕上げ特にアールの処理に現代的な洗練さが感じられる。また重すぎず軽すぎず適度な安心感がある重量だ。ただスクリュー部分が必要以上に大きいのが気になった。回してみるとその謎がわかった。マッキーニーはギヤ比1対1、つまりただの素通しのネジだが、G7th Heritage CAPOはギヤ比1対1になっていない。きっとギヤ比を変える機構が、この大きいスクリュー部分に隠されているのだろう。つまり細かい調整が可能ということだ。

スクリューを最後まで回していくと、シリアルナンバーが刻印された支柱部分が見えてくる。これまたなかなかニクい演出だ。またスクリュー底部にはG7thのロゴがさりげなくあしらわれており、センスの良さを感させる。

カポをする場合1弦と6弦では弦のテンションが違うので、一定の押さえ方ではどちらかにテンションが偏り、弦のビビリが出てしまうのはギタリストなら誰でも経験したことがあることだろう。ビビリを押さえるためにきつく押さえると、今度は逆にピッチが上がってしまう。カポの装着にはコツがいることはよく知られている。G7th Heritage CAPOでは弦を押さえる部分に「A.R.T.(Adaptive Radius Technology)」という独自の機構を組み込ませている。このA.R.T.というメカニズムによってチューニングの狂いを少なく、かつビビリもないようにというのが、どうやらこのCAPOの売りのようだ。

伝統的なヨーク式スクリューカポのように見えて、あちこちに新しいメカニズムが組み込まれている。それらが139ドルという価格に反映されているのだろうと納得した。

次回はA.R.T.の効果や実際の使用感などを書いてみようと思う。


SONY α7S / VOIGTLANDER NOKTON 35mm F1.2

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2014年10月07日

王道システム

59838c06.jpg9月9日

さだまさし「第二楽章」ツアーのリハーサルで越谷まで。

機材はいつものセット。YAMAHA O1V96を旗艦にアコギはGIBSON HANK WILLIAMS Jr.、夢弦堂スペシャル、ガットにANTONIO LOPEZ PROFESSIONAL、そして昔懐かしいSOFIAの12弦だ。ガットと12弦はmisiのピックアップシステムを採用。電池交換がタイヘンなギターは充電式が一番だ。

曲によってそれぞれEQやバランスを微妙に調整する。1曲の中で指のアルペジオからフラットピックへ持ち替えてストロークする、なんてシーンで同じセッティングではバランスが悪くなる。そういう時にデジタルミキサーというのは大変便利だ。今時midiなんて使わないらしいが、足下のマルチエフェクターをコントロールチェンジのボード専用として使い、デジタルミキサーを制御しているのだ。20年以上もこのシステムだ。他に何かイイものはあるのだろうか知らないが、今はコレが一番だと思っている。


OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm

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2014年10月06日

リュート・ジョーク

b5136141.jpg9月7日

さだまさし伊勢神宮奉納コンサート本番二日目を終え東京に戻った後、笹塚の制作会社にてレコーディング1曲。音楽は喜多智弘氏。tassiは12弦、リュートでダビング作業。

スタジオに到着しまずはリュートのチューニングを念入りにする。リュートはチューニングが狂いやすいのでかなり気を遣う。今でこそチューニングメーターが当たり前のようにある時代なのでそれほど苦労しない。しかし昔は音叉程度のモノしかなく、弦もガット(羊腸)だったからチューニングに苦労したことだろう。

いつもチューニングに時間を割いているリュート弾きの笑えないジョークがあるので紹介したい。

・リュート奏者は人生の大半をチューニングに費やしている
・一度も曲を弾いたことのないリュート奏者がいる。

リュートもそうだが12弦ギターもチューニングに苦労する。さてチューニングを終え譜面を見ると結構黒い。旅帰りで疲れてはいるが気合いを入れてもうひとがんばり。


OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm


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2014年10月05日

ミニマムセット

8d5765c7.jpg9月6日

さだまさし伊勢神宮奉納コンサート本番初日。

本ツアーではないので今回サポートはピアニストと二人だけ。小編成なのでtassiの機材は至ってシンプル。アコギ用にtc.electronic G・NATURAL、マンドリン用にZOOM A2.1uを用意する。

楽器の本数が多い大規模なツアーでも使おうとおもえば何とかなりそうだが、やはりデジタルミキサーの方が使い勝手はよい。また自分でセッティングするには、このくらいの規模でないとダメだ。いつもながら楽器担当のスタッフに頭が下がる思いだ。


OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm


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2014年09月15日

本妻が一番

5edf5f52.jpg9月3日

夕方からSONYにてレコーディング1曲。編曲は佐々木博史氏。tassiはフラット・マンドリン、カバキーニョでダビング作業。

ギタリストのダビングを待ってtassiの番が回ってくる。本日は♯系のキーの曲に、マンドリンとカバキーニョでリズムをダビングするという内容。フラット、ラウンドどちらのマンドリンがマッチするかと訊かれたので、もちろんフラットでしょうと答える。

tassiはGIBSON F2を二台所有している。写真の楽器がメインとして使っているものだ。調整や何かのトラブルの時の入院を考えて、だいぶ前にもう一本スペアとして手に入れた。両者共に1910年代に制作された楽器だ。およそ100年前の楽器だが、現在でも充分実用に耐えられるだけのコンディションを保っている。

これだけ古いと音色もそう変わらないのではと思うが実はかなり違う。写真のメインの方が品があるというか、奥行きのある音色だ。スペアの方はやんちゃな感じで、少しだけ荒々しい。メインを入れているケースが特注で重いので、このところスペアばかりを使用していた。

今回はマンドリンとカバキーニョだけなので(運搬が楽ということ)、久しぶりにメインを使ってみたところ、ヘッドフォンから返ってくる音が素晴らしい。もちろんエンジニアの腕もあるが、やはり惚れ込んで手に入れただけのことはあると再確認した。


OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm


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2014年09月12日

カンテレ・デイ

53facee9.jpg9月2日

昼から中野にあるVOLTAにて映画「ホコリと幻想」の劇判録音。音楽は和田薫氏。tassiはアコギ、カンテレで参加。

事前に和田氏から演奏可能かどうかという確認のため、二段譜になったカンテレの譜面が1曲送られてきた。tassiは専門家ではないので、低音部高音部を二回に分けて弾くのなら可能と返信する。

スタジオに到着してみると、何とほとんどがカンテレでギターは2曲のみだ。あらかじめ爪を短く切っておいてよかった。その分ギターが弾きづらかったが、今日はカンテレの日なのでまあヨシとしよう。

エンジニアの山田氏はカンテレにNEUMANN M49をステレオで狙ってくれた。カンテレの音色が細くならないようにとの配慮だろう。ヘッドフォンから返る音色が温かく、いつも以上に気持ちよく演奏できた。


OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm

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2014年09月03日

ネジが馬鹿になった

6d65971f.jpg8月19日

夕方麹町の日テレで番組収録。tassiはマンドリン、アコギで参加。

リハーサルの最中なぜだかマンドリンのチューニングが安定しない。ヘッドの裏を見ると糸巻きを固定しているネジが緩み、4連ペグの台座が浮いているではないか。これではきっちりチューニングできないのは当然だ。

小さなドライバーを借りて増し締めするが、一部のネジはいくら回しても締まらない。とりあえず収録には何とかなったがこのままツアーに持って行くのは問題である。すぐさま修理に出さなければ。


iPhone 4s

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2014年08月22日

QTC50

d84994ed.jpg8月12日

午後SONYにてレコーディング2曲。編曲は萩田光雄氏。tassiはアコギで参加。

夜千葉にあるDimension Cruiseにて劇判録音。音楽は和田貴史氏。tassiはブズーキ、ジュラであらかじめ録ってあるオケにダビング作業。

和田氏のスタジオDimension Cruiseは湾岸習志野インターそばにある。湾岸道路は朝早く通ることは多いが、このインターで降りたことは一度もない。全く土地勘がないのである。

事故渋滞に捕まりながらナントカたどり着いてみると、個人スタジオとは思えない立派な造り。機材もマイクも充実していてウ〜〜ムと感心してしまった。本日はtassi が前々から試してみたかったEarthworksのマイクで民族楽器を録って頂いた。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95


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2014年08月17日

野外対策

515329b4.jpg8月1日

昼から和光市民文化センターにてさだまさしの長崎ライヴリハーサル。

tassiはこの数年さださんのサポートをしているが長崎の野外ライヴは初めてである。夏の野外での注意点は楽器や機材のケアだ。湿度、温度に加え、昼間のライヴだと直射日光による楽器のダメージを心配しなければならない。

アコギ特にガットギターは作りが繊細なので、普段使っている楽器は持っていけない。というわけであまり高価でない薄いボディのガットを使うことにした。その他の楽器や機材はツアーと同じもの。本番が無事に終わりますように。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2014年07月28日

虜になる音色

e9466f30.jpg7月22日

昼からAVACOにて劇判録音。音楽は志方あきこ氏。tassiは12弦、ガット、アイリッシュブズーキ、ジュラでダビング作業。

本日は劇判録音ということもあってか、いつもより速いペースでレコーディングは進む。しかしそこは志方ワールド、普通の劇判録音のようにはいかない。細かいこだわりがあちこちにあり、時間いっぱいまでギリギリのレコーディングだった。

サウンド・ラボ・オワゾにて劇判録音。音楽は横山克、信澤宣明のお二人。tassiはジュラ、12弦でダビング作業。

本日はジュラ(TZOURAS)がメインで、12弦は1曲のみ。ジュラがメインのレコーディングはそうそうない。ジュラは基本的にC.G.Cというチューニングなので、日本のポップスや劇判においてあまりややこしいことはできない。事前に譜面を送ってもらえたのである程度予習が出来、レコーディングはかなりスムーズにいった。

ジュラはブズーキの弟分みたいなもので、ボディサイズが少し小さい。そのせいだろうかブズーキよりも癖のある音色が特徴だ。一度この楽器にはまると抜け出せなくなる。tassiはもちろん、どうやら多くの作曲家がその魅力にとりつかれているようだ。


OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 12-50mm


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2014年07月10日

復活

5c2285fe.jpg7月1日

午後からKINGにてレコーディング2曲。編曲は萩田光雄氏。tassiはアコギで参加。

本日はストリングスの皆さんも一緒の同録である。スタジオのフロアに全員がいる、ちょっと緊張感のあるレコーディングだ。先日無事に復帰したGIBSON SJで無事にセッションを終える。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2014年07月08日

他愛のない理由

b1f67c3e.jpg6月30日

午後からSOUND CITYにて「さだまさし」さんのレコーディング1曲。編曲は渡辺俊幸氏。tassiはアコギで参加。

GIBSON SJのピッチの調子が良くないのでリペアマンに見てもらうと、何とサドルが逆についていたことがわかった。たぶん弦を交換した時にサドルが外れ、戻した時に逆にセットしてしまったということだろう。単純なミスすら見抜けなかった自分に落胆すると同時に、たいしたトラブルでなくて良かったという安堵感でいっぱいだ。老眼が進み細かいところがよく見えなくなってきているんだろうか。

代役を務めてくれたスペアのJ-45と、無事に復帰したメインのSJのどちらを使おうか。サウンドの違いとしてはSJの方がエッジが立っている。J-45はもう少しふくよかでメロディ弾きにも十分対応できる。曲調から判断して本妻のSJを使うことに決めた。


OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 12-50mm


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2014年07月06日

似て非なるもの

73d8b9ad.jpg6月29日

夜SOUND CITYにて「さだまさし」さんのレコーディング2曲。編曲は渡辺俊幸氏。tassiはアコギ、ガットで参加。

先日のレコーディングの時、GIBSON SJのピッチが悪かった。なので本日はそのスペアとしてだいぶ前に手に入れた、GIBSON J-45をメインで使うことにした。また押さえでMARTIN D-45もセットする。

スペアとして手に入れたJ-45だが、SJと全く同じ音ということはありえない。特にビンテージギターは個体差が大きいからだ。楽器の違いやマイクとの関係など複合的な要素が絡むとは思うが、いつものサウンドが出せたかは微妙なところ。100点満点ではないけれど及第点はいただけたかもしれない。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2014年07月04日

GIBSON SJ 不調なり

92885ca2.jpg6月26日

夜SOUND CITYにて「さだまさし」さんのレコーディング2曲。編曲は渡辺俊幸氏。tassiはアコギ、12弦で参加。

基本的にアコギはGIBSON SJを使うがなぜかピッチが不安定だ。弦も替えたばかりで新しいし不思議だ。アコギのアルペジオが主体の曲なので、いつも以上にピッチの悪さが気になってしょうがない。かなり神経質に何度もチューニングをするが、最後までピッタリと合わなかった。こんな日もあるのだろうか。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2014年06月18日

バリトンがボツる

88588007.jpg6月14日

昼からSOUN INNにてドラマの劇判録音。音楽は荻野清子氏。tassiはアコギ、ガット、マンドリンで参加。

スタジオに入るとミュージシャンはtassi一人だけ。ギターだけのバージョンをクリックに合わせ一人黙々と演奏する。後にオケが入る曲も全体像が分からずにひたすら譜面を追う。4時間ほど集中してレコーディングした後しばしの休憩。再開後はストリングスの皆さんとの共演だ。やっぱり合奏はいいね。

今回音域のことなどを考慮してバリトンギターをデビューさせた。しかし音域が低すぎてボツになる。ギター単体ならばその効果は絶大だが、オケが入り全体が充実してくると、バリトンの低域が邪魔になることが予想されたからだ。次回機会があったらまたチャレンジしたい。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95


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2014年06月09日

フィンガーノイズ

a230010a.jpg5月31日

昼からSOUND INNにて映画の劇伴録音。音楽は佐藤直紀氏。tassiはアコギでダビング作業。

tassiがまだ若い頃レコーディングしていてよく注意されたことがある。それは指と弦との摩擦で起こるフィンガーノイズだ。主にコードワークの時によく起こることで、ローポジションからハイポジションあるいはその逆の「縦の移動」の時に起こることが多い。

弦の上に指を触れたままポジション移動すれば、いやでもノイズが発生する。普段何気なく弾いている時は気にならないが、いざマイクを立てて録音してみると、意外とそのノイズの大きさに気づくはずだ。録音物という「製品」にするにはこのノイズが一番の大敵であり、乗り越えなければならない壁なのである。

その壁をどう克服したか。tassiの場合、前後の関係を考えた柔軟なコードフォームの選択。またなるべくノイズを発生させないようなアルペジオの音型や、それに伴うスムーズなポジション移動など。多くの経験の積み重ねによって録音に耐えうる演奏になったのだと思う。

現在ではコーティング弦という便利なものがあり、それほど神経質にならずともノイズが発生しにくくなった。弦の長持ちを謳ったものが多く、それに伴いノイズの軽減といった恩恵も受けられるようになったわけだ。それでも無神経なプレイはNGである。

譜面台に目をやるとアルペジオからメロディまで全て書き譜の譜面が並んでいる。時計を見るとまだかなり時間があるので、新しく張った弦だったが全てコーティング弦に張り替えた。音色は今ひとつだったが背に腹は替えられない。マーティンのコーティング弦はフィンガーノイズに関してはそれほど効果がないと感じた。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95


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2014年05月23日

イタリアならラウンドでしょう

20140417.jpg4月17日

夜GREEN BIRDにてCM録音。音楽は千葉純治氏。tassiはマンドリンで参加。

マンドリンといっても大きく分けてフラット、ラウンドと二種類ある。細かく分ければまだいろいろあるがこの二種類を知っておけばまず間違いない。その違いを詳しく知りたい方はコチラを参照されたし。

本日はニーノ・ロータの名曲を忠実に再現するというもの。つまりマンドリンはイタリアのラウンドマンドリンでなければならない。フラットではダメなのだ。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2014年05月09日

OMEオウムとは関係ありません

b9e6d9b2.jpg3月25日

夕方SOUND CITYにてドラマ「ブラック・プレジデント」の劇伴録音。音楽は仲西匡氏。tassiはアコギ、ガット、マンドリン、バンジョーでダビング作業。

久しぶりにOMEの5弦バンジョーを持って行く。1970年代のあこがれの楽器だったが、今や使っている人はあまりいないようだ。それでもtassiは気に入って使っているのだ。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2014年04月15日

高砂に269自宅に欲しい

b02b0422.jpg3月3日

午後からAVACOにてアニメ金田一少年の事件簿Rの劇伴録音。音楽は和田薫氏。tassiはアコギ、ガットで参加。

作曲家の和田氏からの発注の場合、たいてい民族楽器が含まれるが今回はギターのみ。エンジニアのY氏もいつもはAKG414をステレオで立てるのに本日はNEUMANN M269を贅沢に2台。tassiはこっちの方が好きだなあ。おまけに高砂のマイクスタンドだ。萌え〜〜〜〜。

曲数は少なくアッという間に終わってしまった。もう少しイイ音を聞きながら演奏したかったなあ。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2014年01月18日

ハンクで早弾き

03204545.jpg1月18日

先祖返りというわけではないが、長いこと弾いていなかったフラットピッキング奏法にトライしてみることにした。

フラットピッキング奏法といってもただ単にフラットピックを使うのではなく、いわゆるブルーグラスなどで用いられる早弾きのことだ。学生時代はこんなことばかりやっていたので難なく弾けていた。しかし習慣とは恐ろしいもので仕事ではほとんど登場する機会はないので、だんだん弾かなくなってしまい、しまいには速いテンポで弾くことが出来なくなってしまったのだ。

正月明けのリハビリのつもりで再挑戦する。まずは外堀からということで、ギターもマーティン・ドレッドノートを出してくる。このスタイルのプレイにはこの楽器しかないだろう。仕事では滅多に弾かないMartin D-28 HW。シトカトップにハカランダボディの硬質なサウンドが、醒めた心に火をともしてくれる。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2014年01月12日

4度と5度のちがい

0cf30df7.jpg1月7日

夜SOUND INにてレコーディング3曲。音楽は志方あきこ氏。tassiは12弦、IRISH BOUZOUKI、GREECE BOUZOUKI、TZOURAS、OUD、MANDOLINでダビング作業。

本日は今年の仕事始め。正月ボケから戻らぬまま長時間のレコーディングである。楽器が多いので台車2回に分けての大量搬入。セッティングからチューニングまでほぼ30分はかかる。用意が出来たところでいつものように作戦会議。

3度抜きサウンドが多いのでギリシャ・ブズーキも2種類用意した。オリジナルの4度チューニングの楽器に加え、マンドリンの1オクターブ下の5度チューニングにセットされたものだ。両者をうまく使い分け志方サウンドに対応していく。同じブズーキでもチューニングが異なると、出てくるサウンドが違うのが興味深いところである。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2013年12月26日

一押しのTZOURAS

a26cb59f.jpg12月16日

午後SOUND CITYにてCM録音。音楽は林部亜紀子氏。tassiはガットギターで参加。

ガットギターといっても内容がスパニッシュテイストのリズムを刻むので、通常使うガットギターではなくフラメンコギターを選択する。フラメンコギターと普通のガットギターの違いはなんだろう。

歴史を紐解けば様々なことが分かってくるが、現在ではその材質の違いが音色に大きく影響を及ぼしていると思う。通常のガットギターのサイド、バックはローズウッドやハカランダがよく使われている。それに対してフラメンコの方は、シープレスという糸杉を使った楽器が圧倒的に多い。中にはローズ系の材を使ったモノももちろんあるが。

その後夕方からSOUND INNにて映画の劇伴録音。音楽は佐藤直紀氏。tassiはアコギ、ガット、ジュラでダビング作業。

当初民族系はサズというオーダーだった。しかし念のためジュラ(TZOURAS)も持って行きオケに合わせると、こちらの方が存在感があることがわかりサズは首になる。このところブズーキも飛び越えてジュラ需要が増えてきた。


RICOH GXR / S10 24-72mm


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2013年10月20日

J.CASTELLUCCIA

56b8ce05.jpg10月09日

正午からSONYにてレコーディング1曲。音楽は三井誠氏。tassiはアコギ、ブズーキで参加。

全体的にヨーロッパの雰囲気が満載のサウンドで、歌詞もフランス語と日本語が混在する曲だったので誰かのカバーかと感じた。ところが実は三井氏のオリジナルだと聞き驚いた。三井氏はCM音楽を長いこと書いているせいか、本物らしく、いや本物以上に聞かせるセンスはさすがである。

当初普通のアコギということだったが、事前に送られてきた音資料を聞くと、これはあの楽器の方が良いだろうと思った。その楽器とは「J.CASTELLUCCIA」である。10年ほど前にパリで偶然手に入れたギターだ。これはまあ簡単に言うとジプシーギターという位置づけだが、何もマヌーシュ・ジャズを弾かなくても存在感のある音色が魅力的だ。特に本日のようなサウンドの時は、普通のアコギに比べてより「らしく」聞こえるはずだ。

最後に特徴的なブズーキのフレーズをダビングして無事に終了した。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95


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2013年10月15日

一生モノのマイクスタンド

4eed0740.jpg9月27日

夕方からSOUND CITYにてこどものうたのレコーディング2曲。編曲は梅堀淳、スワベック・コバレフスキーの両氏。tassiはアコギで参加。

曲自体は既出のものを子供用に優しく仕上げたアレンジになっている。各セクションごとに少しずつニュアンスを変えながらプレイする。ふと譜面台の先を見ると高砂のマイクスタンドが目に入る。堅牢かつ重厚な姿に惚れ惚れとする。やはりマイクスタンドは大事だよな….そんなことに思いを巡らせながらスタジオを後にした。

OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm

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2013年10月11日

ANTONIO LOPEZ

e61d21fb.jpg9月24日

午後から越谷にてさだまさし秋のツアーのリハーサル。いつものようにYAMAHA O1Vを中心にギター類をセットする。

今回はガットギターを以前のモノからチェンジした。以前の楽器はスペインはバルセロナの楽器店「CASA PARRAMON」のオリジナル楽器で、初めてスペインに行ったときに買ってきた楽器だ。1990年からレコーディングに大活躍だったが、その後同店の別ギターがメインになり、サブ楽器として主にライヴ用になってしまった。

ギターをツアーに出すと温度や湿度の変化が大きく、状態がかなり変化する。具体的に言うとネックの反り、表面板の膨らみ、運搬時の振動による力木の剥がれなどである。前回使っていたガットもその例に漏れず、ツアーが終わると必ず入院させていた。そんなこともあって新たにライヴ専用ギターを手に入れたのだ。

ピックアップは電池交換がいらない「MISI/マイサイ」を迷わず選択。仕上がってきたのを弾いてみると、ピックアップのサウンドはもちろんだが生音が抜群にイイ。これには驚いた。フレット交換や各所の調整が功を奏したのだろう、以前のガットよりも良いサウンドで鳴ってくれる。なんだかライヴ専用というのがもったいなく思えてきた。ツアー終了まで大事に扱ってやろうと思った次第だ。

ちなみにこのガットは「ANTONIO LOPEZ PROFESSIONAL」というモデルで黒沢楽器が輸入代理店になっている。一言付け加えておくと、楽器特にギターは個体差があるので、このモデルなら全てが完璧とは限らない。自分の目と耳で確かめる必要があるだろう。スペイン製なのでそのあたりはけっこういい加減だからね。

OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm

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2013年10月10日

要介護4程度?

c848b305.jpg9月23日

午後からLAB RECORDERSにてCM録音。音楽は藤田曜子氏。tassiはアコギ、ガットで参加。

ピアノの中西氏の録音を待って次のダビング作業となる。メロディー、伴奏共にアコギとガット両方で演奏。さあどちらが採用されるか。

NEUMANN87か67か知らないが、マイクスタンドが心許ない。いつも思うことだがK&Mのマイクスタンドは、AKG451やNEUMANN84などのペンシル型マイク専用にして欲しい。重いマイクを載せるとすぐにお辞儀をしてしまうのだ。せっかくイイ演奏をしてももう一度録り直しとなることが多い。もし使うのならガムテの介護が必要だろう。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95


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2013年09月18日

生放送「火曜曲」最終回

3813be5c.jpg9月3日

「火曜曲」本番出演のためTBSまで。さだまさしさんのサポートでアコギで参加。アコギは先日調整から上がってきたばかりの「GIBSON HANK WILLIAMS Jr.」を使う。

このギターは以前にも紹介したがもう少し詳しく書いてみよう。ギブソン社が1997年に300本限定でカスタムショップとして作られたもの。カスタムショップとは簡単に言うと、普通の生産ラインではなく、専門の職人が厳選された材を使って製作されたギターのことである。10年ほど前に中古で手に入れたときは、それほどイイ音はしていなかった。ただ、ライヴ用にピックアップを載せてしまえば何とか使えるだろうと安く手に入れた。

ピックアップは当初からハイランダーを選択。ラインの音はけっこう気に入っている。スピーカーから聞く分には、ギブソンの男らしいサウンドが忠実に再現されている。ハイランダーは調整が難しく、スキルの乏しいリペアマンだと正しくセットアップできない。一流の腕を持ったリペアマンですら難しいと言っているくらいだから。しかし完璧に調整されれば、バランス、音色共に素晴らしいものがある。

手に入れてから今までの間、このギターには数々の調整がされてきた。フレット、ナット、サドル交換、ピッチ調整、それに伴う指板修正など演奏性に関わることには全て手が入っている。ペグも元々ついていたクルーソンから一時GOTOのあるモデルに換えたがまるで使い物にならず、結局愛用のWAVERLYに落ち着いた。

当初生音にはあまり期待していなかったがここ最近鳴りが変わってきた。やはりライヴで使い込んだせいだろうか、音に深みが増してイイ感じにほぐれてきたようだ。さすがにヴィンテージにはほど遠いが、マイクを通しても使える音に近づいてきたのである。やっぱり楽器は弾いてやらなければダメなんだなと痛感した。

さてテレビの「火曜曲」の話に戻る。足下のエフェクターは先日同様「ZOOM A2.1u」である。前日にリハーサルをやっているので、本日はぶっつけ本番だ。舞台転換に7分。回線チェックに1分というタイトな流れで本番に突入する。生本番なので適度な緊張感があり、なかなか良い演奏が出来たのではないかと満足している。このバタバタ感は昔の「夜のヒットスタジオ」を思い出した。


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2013年09月17日

ZOOM A2.1u

ba9e7828.jpg8月31日

広島のイベント「サウンドマリーナ '13」でさだまさしさんのサポート。

出演時間はおよそ40分でコンサートのトリである。トリというのは最後の出演者ということである(元々は寄席用語)。しかしリハーサルは朝11時である。つまり本番までかなり長時間待たなければならない。天気が良ければあちこち散歩という過ごし方もあるが、この日はあいにくの雨なのでホテルの部屋で待機する。

ツアーでは楽器や機材はトラックに積みっぱなしであるが、こういったイベントでは基本的に手持ちとなる。また、セッティングに時間を要する機材は、スタッフの苦労を考えると持って行けない。そこで登場するのが「ZOOM A2.1u」だ。かなり前にも紹介したが再度登場願おう。

基本的にはデジタルエフェクターという位置づけだ。アコースティック専門と謳っているだけあって、その音色は素直で好感持てるものである。しかしtassiが使うエフェクトは補正としてのEQ及び最低限のリバーブのみだ。リミッターもモジュレーション系も価格なりのクオリティーなので、積極的に使ったことはない。プリセットのシミュレーションは、オリジナルの楽器に触れたことのない人にはイイかもしれないが…..。

とはいえプリセットパッチがあること、ボリュームペダルがあるので楽器の差し替えがスムーズに行えること、XRLアウトがあるのでDIとしての機能があること。この3つがあるだけでも重宝している。これで市場価格1.5万円は安いといえるだろう。このサイズで10倍くらい音質にこだわったモデルが出れば、多少高くても喜んで買うのだが。


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2013年08月27日

リュートのために爪を切る

0a44ec12.jpg8月16日

夜SOUND CITYにてアニメの劇伴録音。音楽は浜口史郎氏。tassiはガット、リュート、マンドリンでダビング作業。

本日はリュート曲があるので爪をギリギリまで短く切って臨む。本来リュートは指頭つまり「指先」で奏でる楽器だ。「爪先」ではないのである。指の柔らかいタッチがリュート独特の音色を生むわけだが、もし完全に爪を切ってしまうとギターが弾けなくなるのでいつも苦労する。

今回はリュートに時間が掛かりそうだったので、ギター、マンドリン曲を先に録る。その後時間を掛けてリュート曲を仕上げていく。エンジニア吉田氏のマイク選択に依るものだろう、NEUMANN M149の臨場感あふれるサウンドが素晴らしかった。


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2013年08月09日

感動の青いキューボックス

5d451158.jpg8月2日

午後からポニーキャニオンにて劇伴録音。音楽は井内啓二氏。tassiは12弦、ガット、ウクレレ、アイリッシュブズーキ、マンドリンでダビング作業。

ポニーキャニオンってどこ?確か一口坂スタジオは昨年クローズしたはずだし…なんて思っていると、それは旧ワンダースターションのことです、とコーディネーターが教えてくれた。なんだ代々木のあそこですか。とはいえ楽器が多いので早めに到着する。

当初リュートが候補に挙がっていたが、いろいろとやってみるとアイリッシュブズーキの方が雰囲気に合うことが分かり、リュートはあえなく首になる。音域やチューニングなどいろいろな要素があり、決め打ちでないとリュートはなかなか採用されないようだ。

このスタジオ、旧ワンダーとどこが変わったのかと辺りを見回してみるがよくわからない。ブースに入ってみて意外なものを発見した。一口坂にしかなかったあの青いキューボックスである。ああ懐かしい、ナツカシイ。こんなところにDNAが引き継がれていたのか。


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