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2024年02月27日

人生最後のライブ機材


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2月27日

2023年からライブで使う機材を一新した。正確には一昨年の2022年であるが、昨年に完成したと言っても良いだろう。

それまでの約10年はYAMAHAのデジタルミキサー O1V96を愛用していた。

以前にも書いたがアコギの場合ピックアップマイクはついていても、ヴォリュームやトーンをコントロールするつまみがギター本体についていない。なのでまずストローク、アルペジオ、ソロなどのセッティングをあらかじめデジタルミキサーにいくつかセーブしておく。それを足元のフット・スイッチを切り替えることによってMIDI経由でデジタルミキサーをコントロールするといわけだ。ああなんていう便利な機能!もう他のシステムには戻れない。

便利便利といいながら気がつくともう10年。まだまだ十分使えるが新しい機材をリサーチしていくと、安くて音の良い機材が他にもあることに気がついた。それがベリンガー XR12 X AIRである。

リンクを見てもらうと分かるようにINPUTの穴ぼこだらけだ。普通のミキサーにあるようなフェーダーやつまみが一切ない。コントロールはPCかタブレット上でおこなう必要がある。XR12とタブレットはあらかじめwifiで繋いでおく。

オペレーターが一人の場合、タブレットを持ってステージに上がり、ミュージシャンのリクエストに応じてバランスを調整し、タブレット経由でXR12をコントロールするというわけだ。本来の使い方はこうなのだろう。だがTassiはO1V時代から前述した使い方をしている。

2022年はまずXR12のみを導入した。O1Vとの価格差は5分の1程度なのに、音は圧倒的にXR12の方がいいのだ。これには驚いたね。まるで浦島太郎になった気持ち。世の中進化しているんだね。耐久性を心配したが1年使ってみてトラブルは一切なかった。

それではということで2023年はXR12の前段にプリアンプを入れてみたら、ということになった。Tassiの場合楽器が多いのでその度にケーブルの抜き差しをしていると演奏に集中できない。なので楽器の数だけのインプットが必要になるのだ。最低でも6chあればなんとか足りるが、世の中そんなに上手くはいかない。レコーディング用のプリアンプは通常1ch、1Uラックに収まるサイズで2chないしは4chだ。

いろいろ調べていたらTassiのリクエストにバッチリ応えてくれるものを発見した。それが Focusrite ISA 828 Mk IIである。値段はちょっと張ったが試してみる価値はありそうだ。

過去にマンドリン用のプリアンプの調子が悪かった時に、2ch仕様の同モデルを試したことがあった。PAオペレーターの評判がとても良かったので、全ての前段に入れてしまえということになった。1〜4chは入力がマイク、ライン、インストと使い分けることができるので重宝している。5〜8chは入力がマイク、ラインのみなので、アクティブ・ピックアップの楽器を中心にセッティングしている。

ラックの写真を見てみよう。4Uラックのそれぞれ2Uの上段にXR12、下段にFocusrite ISA 828 Mk IIを配置している。正面からではわからないが、ミキサーの入力側のパネルがラックの中に収まっているのである。これで正面からはスッキリ見えているのだ。1〜4chのインストINPUTが前面にあるので、ここを使う場合はケーブルが見えてしまうが、アコギだけならスッキリと収まってしまうのである。

ショックマウントのラックに組み込んであるために、総重量はハンパなく重い。一人でセッティングするのはごめんこうむりたい重量だ。唯一の欠点といえばそんなところか。それはともかく音の説得力は素晴らしく、現在のところこれを超えるシステムがあったら教えて欲しいほどだ。


SONY RX100 VII

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2024年02月05日

また旅に出ようかなあ

素材-22月5日

今年は12年ぶりに旅に出ようと考えている。以前はまだ意欲があって2年ごとに旅をしていたが、それが3年になり4年になり気がつくともう12年も経ってしまった。

これには一つ理由があって以前は楽器を買って持って帰って来れたのに、現在ではそれが不可能になってしまったということだ。

預け入れ荷物つまりチェックインカウンターで地上係員にタグをつけてもらい、ベルトコンベアーで運ばれていくアレである。これで預けるには総量の重さ制限がある。大体どこの航空会社でも23Kgということになっているらしい。

旅に必要な荷物を少なくして、楽器はソフトケース(ビニールバッグ)に入れて預ければ重量制限はなんとかなるが、それじゃあ楽器が破損するのは目に見えている。何せ海外のスタッフは扱いが丁寧じゃないと聞いているので、預け入れ荷物には出来ない。

以前だったら機内持ち込みにして、座席上の荷物入れに入れてしまったが、現在ではその方法は不可能である。国内の移動ですら無理なのでだから、海外では尚更だ。そんな理由からも旅から遠ざかってしまったというのも一つにある。

気がつくと12年かあ。2011年から「さだまさしツアー」に参加してからまとまった休みが取れなかったというのもイイワケの一つだが、やはりどこか歳とともに腰が重なってきたせいもあったんだろうね。

今回が最後のつもりで約3週間ヨーロッパを回ってくる予定だ。楽器の旅はできないが写真や動画をたくさん撮って来る予定。どこかのタイミングでアップできればと考えている。

写真は久しぶりに出した旅用のカバン。12年ぶりに出してみたら経年変化でキャスターの外周部分がボロボロに崩れてしまい、先日のロサンゼルスまで強行運用したら外周部分だけがなくなっていた。おかげでガタゴトとはいわずこれはこれで使えているが、このまま使い続けて旅先で致命的な結果になったらヤバイので修理に出すことにした。出来上がりが楽しみである。ぜひBEFOR AFTERで見てもらえたならいいかな。


SONY α7S / Cael Zeiss Vario-Tessar FE 4/24-70 ZA

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2024年01月25日

ロサンゼルス公演

素材-21月25日

1月18日から1月22日までさだまさしロサンゼルス公演で渡米する。

事前の事務的な準備にかなり時間を有し、旅の準備がギリギリとなってしまった。今回はオーロラ基金というところの招聘で、ロサンゼルスのチャリティーコンサートに参加する。

オーロラ基金とはアメリカで日本語教育に関わるアメリカ人教師や、日本語を学ぼうとする学生たちをサポートする基金である。詳細はオーロラ基金のサイトを参照。

日本から東へ移動すると偏西風の追い風に乗るので、移動時間は少なくなるメリットがある。その反面時差ぼけは西へ移動するときよりもひどい。今回は21日の本番までに多少時間があったので、いくらか持ち直した頃だったせいもあって、万全とは言えない体調であったが大盛況のうちに無事に終えた。

昨年からライブの機材を一新しかなりのグレードアップになった。しかし今回は海外公演という荷物の制限があるので、機材周りは簡略化及び軽量化に重点を置いて慎重にセレクトした。

竿モノはSanta CruzとCole Clarkのアコギ、そしてTACOMAのマンドリン3本だけ。デジタルミキサーはベリンガー XR12 X AIR。このミキサーの本来の使い方ではないが、Tassiにとっては過去に使っていたYAMAHA 01Vと同様に、ライブにはなくてはならないアイテムの一つとなっている。

足元のコントローラーはBOSS GT-5。ただこれはエフェクターとして使うのではなく、ミキサーのプログラム・チェンジを助ける、いわばフットスイッチの役目だけに使っている。これも邪道な使い方だね。

この二つの機材は演奏で両手が使えないときにはとても便利なシロモノである。

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長らく放置プレイだったこのブログ、再開を宣言するわけじゃないけれど、自分の忘備録的な意味でぼちぼちと始めようと考えています。更新はあまり期待できないけれど、時間の許す限り取り組みたいと思います。


SONY RX100 VII


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2018年10月10日

もう満載で何も載りません

d534dea2.jpg8月14日

午後ラボレコーダーズにてCM録音。音楽は平沢敦士氏。tassiはアコギ、アイリッシュ・ブズーキ、マンドリンでダビング作業。

tassiはその昔マンドリンはフラット、ブズーキはギリシャしか持っていなかった。しかしいろいろと要求される事が多くなり、ラウンド・マンドリンやアイリッシュ・ブズーキを手に入れるに至った。ラウンド・マンドリンはベルギーの首都ブリュッセルの楽器屋で偶然見つけて買ってきた。

アイリッシュ・ブズーキはイギリスの製作家に直接連絡を取って手に入れた。当時はインターネットの黎明期だったので連絡はメールではなく、何と!ファックスでやりとりしていたのだ。あれから20年以上が経つ。今では信じられないなあ。

夜S.CITY ANNEXにてアニメの劇伴録音。音楽は若林タカツグ氏。tassiはアコギ、ガット、バンジョー、マンドリン、ドブロ、サズ、エレキシタールでダビング作業。

今回は楽器が多く、車も満載状態である。これだけの数があるとチューニングも一苦労だ。20分は掛かるだろう。なのであらかじめ自宅でチューニングしておく。この日は曲数が多く、どう考えても時間内には終わりそうにない。なので優先順位を決めてそれにしたがってテキパキと作業を進めることとなった。何曲かは録りこぼしたがまあこれは仕方ないだろう。

レコーディングを終え外に出ると、東京タワーの夜景がとても綺麗だった。


SONY α7S / Cael Zeiss Vario-Tessar FE 4/24-70 ZA


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2018年05月16日

病み上がりにはフィンガーピック

2b91452f.jpg5月10日

夕方、サウンドシティにてレコーディング1曲。編曲は渡辺俊幸氏。

本日はアーティスト(さだまさしさん)が弾いたテイクを、全て差し替える作業だ。私事だが4月の下旬から10日間ほど緊急入院をしてしまい、5月から始まったさださんのレコーディングに参加できなくなってしまった。

そんな理由で新しいアルバムの何曲かは、さださんご本人が弾いている。今日も本来であれば差し替えは、さださんが弾くはずだった。しかし前日までのツアー・リハーサルでのtassiの様子を見て「病み上がりなのに元気そうだな、じゃあ一曲まるまる弾き直してくれ!」ということで、本日tassiが登場ということになったワケだ。ありがたいチャンスをいただいた。

さださんは基本的にフィンガーピックを付けて弾く。tassiはよほどのことがない限り付けることはない。たとえばオケが厚くてそのままだと埋もれて聞きづらい時や、一曲まるまるスリーフィンガーといった場合だ。やはり自分の爪のほうがニュアンスを出しやすいのだ。

なるべくさださんのニュアンスで弾くには、やはりフィンガーピックを付けるべきだろうか。Gibson SJでしっかり目に弾けば、フィンガーピックを付けなくてもイケそうな気がする。しかしマイクポジションが下からなので、その部分も考慮に入れなければならない。

結局フィンガーピックを付けることになった。やはり病み上がりのせいか、指に力がなかったようだ。今回はフィンガーピックに助けられた形となった。


SONY α7S / VOIGTLANDER NOKTON Classic 35mm F1.4


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2018年04月24日

松下じゃありませんよ

e313d502.jpg4月7日

夕方代々木上原にあるサウンド・ラボ・オワゾにて劇伴録音。音楽は木村秀彬氏。tassiはアコギ、ガット、ドブロでダビング作業。

スタジオに到着するとE.ギターの増崎氏のダビングが丁度終わったところだった。アンプなどの搬出を待ってギターのセッティングする。ここのスタジオもそうだが、椅子が硬い場合がある。例えば文化村、NHK、サウンドバレイ、サウンドイン、サウンドシティ・世田谷(旧クレセント)、サウンドシティ・アネックス(旧タワーサイド)などの椅子は硬いんだ。長時間の劇伴だとお尻が痛くなってしまう。そんな時のためにtassiの車の中には、テンピュールのシート・クッションをいつも積んである。まずは体をいたわるところから始めたい。

アコギ、ガットと録って最後にドブロのダビングだ。ドブロといっても本日はナショナル製のリゾネーター・ギターを使う。何やら美味そうな名前の、ビスケット・コーン仕様である。

ドブロは楽器名ではなくメーカー名である。正式楽器名称はリゾネーター・ギター、あるいはリゾフォニック・ギターだろう。だがあまりにも有名になりすぎて、世の中では楽器名そのままとして通っている。エレクトーンと電子オルガンの関係と同じだね。

リゾネーター・ギターはリゾネーター(楽器本体の中にある反響板)の構造から、大きく分けて2種類ある。先に述べた「ビスケットコーン・タイプ」、そして「スパイダーコーン・タイプ」だ。前者は泥臭いブルージーなサウンドによくマッチしていて、ボトルネックで演奏されることが多い。後者はカントリー、ブルーグラス系の音楽で使われ、スティールギターのように横に寝かせ、ソリッドの金属バーを使って演奏されることが多い。そのためスクエア・ネックの楽器も多く見かける。

今回もあらかじめ資料が送られてきて、ちょっとブルージーな曲だったのでナショナル製で決め打ちだ。


SONY α7S / VOIGTLANDER NOKTON Classic 35mm F1.4


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2018年04月07日

同録にちょっと緊張

c1fc158e.jpg3月26日

夜キングにてレコーディング2曲。編曲は若草恵氏。tassiはアコギで参加。

久しぶりの同録でのレコーディングだ。このところライヴ活動が多く、またレコーディングでも一人でのダビングが多かったので少し緊張する。

イントロ、間奏、曲中のフィルを含め、全てリード・プレイだ。ギターはもちろんMerrill OMが登場する。同録なのでニュアンスを強調するというより、確実なプレイでひとまず終える。イントロ、間奏は2曲目が終わった後時間を掛けて仕上げることにした。

2曲目はいわゆるバッキング。これにはGibson SJで対応する。オケ中でも確実に存在感のあるサウンドがGibsonらしい。久しぶりの同録はやっぱりいいなあ


SONY α7S / VOIGTLANDER NOKTON Classic 35mm F1.4

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2018年03月31日

鳥取でしか聴けない

b72dd965.jpg3月24日

午後NHKにて劇伴録音。音楽は窪田ミナ氏。tassiはアコギ、カバキーニョ、マンドリンでダビング作業。

基本はアコギのメロ弾きに、途中からオクターブ上を重ねるという手順。ダビングものは色は欲しいがあまり民族色は出したくないとのこと。当初窪田さんからはマンドリンポルトガルのカバキーニョを提案された。

マンドリンならメロ弾きは問題ないが、ポルトガルのカバキーニョだとチューニング上無理がある。であればブラジルのカバキーニョにしたらどうかと逆に提案してみた。実際に試してみないと判断がつかないだろうと思い、カバキーニョはもちろんのこと、マンドリンもラウンド、フラット、バンドリンと3種類スタジオにセットした。

まずはアコギからレコーディングする。 メロ弾きならMerrill OMに代わるギターはない。音の深みはビンテージ・マーティンに譲るとしても、瑞々しさは2000年代という比較的新しい楽器ならではの特徴だ。ニュアンスを付けやすいように、tassiは少し細めのカスタム・ライト(.011〜)を張っている。細い弦を張ると普通は音が痩せる傾向になる。ところがMerrillはそういうこともなく、信じられないほどの音の太さを持ったギターだ。Merrillはニュアンスと太さを併せ持った現代の名器だと信じている。

唯一残念なのはデッドポイントがあるということ。tassiの個体はよく使う1弦7フレットのBがそれに該当する。なのでその辺りを弾く時は、ピッキングのタッチを工夫しながら弾かなければならない。

アコギのメロディーが終わり、次に相方をどれにするかを吟味する。色々試した結果、単弦のカバキーニョが最終選考に残った。4度チューニングなので、運指はギターと一緒だ。ニュアンスを合わせながらダビングした。

本日の劇版はNHK鳥取放送局が4月2日から放送する、夕方の情報番組「いろ★ドリ」の中で聴くことができるらしい。番組の中で幾つかのコーナーがあり、アコギメロの曲は天気予報のバックで流れる予定だ。その他のところでもカバキーニョやマンドリンが聴けるかもしれない。残念なことに全国放送ではなく、鳥取でしか放送していない。なのでtassiは一生聴くことができないのだ。


SONY α7S / VOIGTLANDER NOKTON Classic 35mm F1.4

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2018年03月23日

マンドリン・バンジョー

33b5ea3f.jpg3月21日

夕方、南青山の制作会社にてCM録音。音楽は中川俊郎氏。tassiはマンドリン・バンジョーでダビング作業。

数日前の深夜、プロデューサーからメールが届き「こんなサウンドでやりたいんだけど、似たような楽器持ってますか」というメッセージと参考音源が送られてきた。まずは聴いてみると、昔よく聴いていたあの曲だった。似たような楽器どころか、そのままズバリの楽器があるじゃないか!!。おおおおっっっ、買っておいてよかったなあ。

長いことケースから出していないので、もしかしたら弦が切れているとか、ヘッドの皮が破けているなんてことになったら困ったことになる。楽器庫に入りマンドリン・バンジョーを探すがすぐに見つからない。さてどこに置いたかなあ。HPに載せているしあるのは分かっているのだが、なにしろ仕事で登場するのが今回初めてとあって、ヤツの居所がどこだか分からない。

ようやく見つけ出してケースを開けてみると、買った時そのままの状態でまず問題はない。だがこの楽器は手に入れてから調整に出していないことに気がつく。1920年代のビンテージだからピッチが怪しいのはまあ目をつぶるとしても、弦高の高いのは困る。弾いてみるとハイポジションはとても押さえづらい。これでレコーディングに臨むのはちょっとヤバいなあ。ということで国立のH名人に連絡を入れると、すぐに調整してくれることがわかった。

マンドリン・バンジョーも普通のバンジョー同様に構造は一緒のようだ。ネックアングルを変えるにも同じようにやれば良いということらしい。幸いなことにコンディションがそれほど悪くなかったので、なんとかその場で処置していただけることになった。これで仕事レベルで使える状態になったのだ。まさに救急病院さながらだ。府中のF名人と共に長生きしていただきたいと切に思う。

参考音源のメロディーは確かにマンドリン・バンジョーだが、いわゆるマンドリンのように複弦ではなく単弦なのでそれぞれの弦を一本づつ外す。コレで参考音源にほぼ近づいた。ただ、tassi所有のマンドリン・バンジョーのヘッドは本皮なので、プラスチックヘッドを使っていると思われる参考音源とは微妙に音色が違う。まあここはエンジニアの腕を持ってして、EQでなんとかしてもらうことにしよう。


SONY α7S / VOIGTLANDER NOKTON Classic 35mm F1.4

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2018年03月02日

1957 Gibson J-185

f35c6b33.jpg02月26日

夕方からFineにてCM録音。音楽はいしいゆうこ氏。tassiはアコギでダビング作業。

Fineスタジオ、さてどこだったっけ。しばらく行っていなかったので過去の記録を調べたら、なんと麻布十番のはずれにある洋食屋「大越」の隣だったことがわかった。ならばS.Cityに行くルートでOKじゃないか。当然カーナビは必要ナシ。

本日はアコギのみということで事前に音資料が送られてきた。この様子だとアルペジオ系のバッキングだけになりそうだ。ならばギターは1本だけで良さそうな気がする。通常はGibson SJとMerrill OMの2本体制だが、そんな理由から今回はあまり出番のないGibson J-185を登場させようと思う。

メイプル・ボディの185は同じGibsonとは言え、マホガニー・ボディのSJとはサウンドが違っている。指弾きの場合、マホガニーの方が繊細で柔らかいという印象を受ける。それに対してメイプルの方は、硬質でどちらかというと一本調子かな。その最たるものがキング・オブ・アコースティックと呼ばれているJ-200だろう。

17インチのボディから響きわたるそのサウンドは、力強くパワフルだ。まさにロックなストロークにはドンピシャ。だが守備範囲はそれほど広くない。繊細な表現には他の楽器の方が合っていると思う。同じメイプル・ボディなら少し小振り(16インチ)な185の方が守備範囲は広い。今回はこっちだな。

今回のCMは曲の中程からギターがアルペジオで参加するという構成。ギターを左右に2本重ね、2本で成立するアンサンブルを構築した。まずは温かくやさしめの指弾きで録音。CMの意図としてあまり情緒的な方向には行きたくないというので、次にフィンガーピックを付けて粒立ちのハッキリした、あっさり目のサウンドも試してみる。

どちらが採用になるかは、制作側とクライアント両者の意向次第だ。オンエアが楽しみだ。


SONY α7S / VOIGTLANDER NOKTON Classic 35mm F1.4

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2018年02月25日

個別診察と投薬時間

c3264e89.jpg2月21日

夜遅くAVACOにてレコーディング1曲。音楽は志方あきこ氏。tassiはGut,12弦、アイリッシュブズーキ、リュートでダビング作業。

早めにスタジオに到着すると、すでに前の患者さんは帰った後だった。

最近のレコーディング・スタイルとして、一人(セクション)ずつ録音することが多い。昔はミュージシャン全員を集め、「せーの」で一発録りすることが多かった。今でも歌謡曲演歌系はこのスタイルだ。ところが最近の傾向として劇伴でも個別に録ることが多いので、病院での出来事のように、ジョークを交えて冒頭での言い方をすることがある。

ブースに楽器をセットするとギターには珍しくNEUMANN M49がU67の隣にセットされている。主にウッドベースなどの低音楽器の録音に用いられることが多いが、わざわざギター系にセットするとはエンジニアの南氏は何か意図があるのだろうか。

志方さんの場合いきなり録音に入ることはなく、まずは作戦会議だ。1曲を通して同じ楽器で弾き通すということはほとんどない。そこが普通のポップスとの違いだろう。当初このスタイルに困惑したが、ここ10年ほどのおつきあいの中で、ブロックごとに楽器の配置を換えるという手法に慣れてきた。本日も基本は12弦とアイリッシュ・ブズーキが中心となり、部分部分でガットやリュートが登場するという構成に落ち着いた。

さて、67と49のバランスがどうだったかを帰り際に訊いたようだったが、すっかり忘れてしまった。とっくに投薬時間が過ぎていたので、きっと上の空で聞いていたのかもしれない。


SONY α7S / VOIGTLANDER NOKTON Classic 35mm F1.4


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2018年02月20日

がんばれGIBSON

8fd92f9a.jpg2月20日

インターネットのニュースサイトによると、ギブソンが危ないらしい。なんでも手形の返済が今年の7月に迫っていて、期限内に返済できないと倒産するかもしれないというのだ。詳しい事情はよく知らないが、ギブソンのギター、マンドリン、バンジョーなどを愛するtassiは心配でならない。

tassiが最初にギブソンに出会ったのは、実はギターではない。F-2というフラット・マンドリンが最初だった。もちろん興味がなかったわけではないが、ギブソンのアコギは仕事に使えないと、その当時は思っていたのだ。鳴らないボディから聞こえてくるのは、ボソボソとサスティーンのないチープなサウンド。例えは悪いが、干からびたイタリアのパンのような味気ない音といったら言い過ぎだろうか。そんなイメージが染みついていて、ギブソンギターは自分の選択肢になかったのだった。たぶん1970年代の一番質の悪い時代のギブソンの音しか聴いたことがなかったからだろう。アコギはマーチンに限る、そう言わざるを得なかったのだ。

1984年のある日、今もリペアでお世話になっているF氏から「ギブソンのF-2というマンドリンが中古で入荷したので、もし時間があれば見に来ませんか」という電話を頂いた。F-2ということは、ラウンドホールのビンテージだということはすぐに分かった。わが師の石川鷹彦氏がF-4の名手である。F-2はその下位機種だが、実際に店頭で弾いてみるとその枯れたサウンドに心奪われた。枯れてはいるが奥行きの深い、そしてラウンドホール独特のコロコロとしたなんともいえない甘い響きに、今まで使ってきた日本製のマンドリンが色褪せた瞬間だった。やっぱりビンテージ・ギブソンは違う!!迷わずクレジットカードを差し出したことは言うまでもない。これがギブソンとの最初の出会いだ。

1917年製ギブソン F-2はその後tassiのメイン・マンドリンとなって、数多くのレコーディングやライヴで活躍してくれて今も現役である。作られてから既に100年経っているのに状態は良く、最高の仕事の道具だと信頼している。

さてギターはというと、1990年にサンタ・クルーズOMを手に入れ、メイン・ギターはこれになった。それまではマーチンのドレッドノートを使っていたが、実は低域のブーミーなサウンドに長い間不満を持っていた。ところが同じマーチン系でありながら、ボディサイズの小さいOMをスタジオで弾いてみると、つまりマイクを通した音をプレイバックで聴いてみると、実にバランスのとれた「使える音」がモニタースピーカーから聞こえてきたのだ。ドレッドノートは使えない、ギターはOMに限る。そう確信した瞬間だった。それからしばらくOMの時代が続き、レコーディングにライヴにとこの一本で全てまかなってきた。

1996年のある日、池袋のI楽器店で1959年製ギブソン サザンジャンボ(通称SJ)に出会った。ギターはサンタ・クルーズOMで打ち止めだと心に決めていた。しかしこれまでギブソンのギターサウンドに失望していたtassiは、楽器店で弾いてみるとこれまたF-2マンドリンに出会った時の様なトキメキを感じたのだ。今まで聞いてきたサウンドはいったい何だったんだろう。音は枯れているがサスティーンも十分だし、加えて奥行きと深みがある。マーチン系のちょっと女性的な繊細でゴージャスな出で立ちとは逆の、男らしいけど無骨ではないしなやかさを感じたのだ。指弾きでも音像がボヤけない存在感は立派だ。オールドのマーチンD-18にも通じる、ビンテージのマホガニー・サウンドにノックアウトされた瞬間だった。これは最良の仕事の道具となることは間違いない。そう確信し喜んでクレジットカードを差し出したのは言うまでもない。

それから現在までこの1959年製ギブソンSJがtassiのメインギターになった。とはいえSJも完璧ではない。ストロークはもとよりアルペジオも完璧にこなすが、唯一不満なのはフレーズなどの単音弾きだ。土台としての存在感は十分にあるのだが、上物の瑞々しさと色気が少し足りない。ならばどうするか。板前が包丁を使い分ける様に、tassiもギターを使い分ければいいのだ。フグの薄造りを作るのにわざわざ出刃包丁を使う必要はなかろう。そう考えてフレーズ弾きの時はMerrill OM28と使い分けるようにした。 この2本でレコーディングはほぼ完璧である。

その後アーチトップのL-4、L-50を始めエレキのES-175、キング・オブ・アコースティックと呼ばれるJ-200、レアなJ-185とギブソン愛は今も続いている。間違っても倒産なんていうことにならないように切に願っている。


SONY α7S / VOIGTLANDER NOKTON Classic 35mm F1.4

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2018年02月15日

戻ってこい、ウクレレブーム!

e15065ef.jpg2月9日

夕方NUMANスタジオにてCM録音。音楽は林部亜紀子氏。tassiはウクレレでダビング作業。

今から20年ほど前だっただろうか、CMというとやたらウクレレの登場機会が多かった。世の中もウクレレブームだったように記憶している。ハワイのカマカはその代表選手として昔から有名だったが、コアロハ、ケリー、Gストリングスなどなど新しいメーカーのウクレレが、日本でも簡単に手に入るようになる頃だった。

tassiもその当時はソプラノ、テナー、バリトン、8弦など多くの種類を集めたものだ。ところが熱しやすく冷めやすい日本の風潮なのか、その後ウクレレブームは一気に過ぎ去り、レコーディングの現場でも以前ほど頻繁に使われなくなった。

本日はそんなウクレレのみのダビングだ。まずはロング・ネック仕様の夢弦堂コンサート・ウクレレでリズムトラックを録る。オール・コアボディから発する軽快なサウンド、リズム系はこの楽器に限るなあ。次にメロディーだ。ある程度存在感ある音が欲しかったので、ギブソンのテナー・ウクレレを使う。オール・マホガニーボディの音は温かくそして太い。

ブースを出るとそこはN朝のロビーだった….なんて錯覚を感じながらスタジオを後にした。


SONY α7S / VOIGTLANDER NOKTON 35mm F1.2

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2018年01月25日

AT8410a エラスティック交換 後編

7f5262c3.jpg1月15日

材料が安く手に入ったので気分良く自宅までドライブだ。古いゴムを外しホルダーをバラす前に、念のために写真を撮っておく。NEUMANNのホルダーように単純な構造になっていないので、組み立て方が分からなくなってしまうかもしれないからだ。

まず古いゴムの長さを測る。伸びきっているからこの長さは当てにならない。なのでループ状態のゴムを一度切断して片方を机の端に固定し、目いっぱい引っ張ってみてその場所をチェックしておき、長さを測る。次に新しいゴムを同様に机の端に固定し、先ほどチェックした場所まで伸ばしきって、ゴムの長さを決めることにした。おおよそ50cmプラスαってとこだろうか。

次にゴムを固定する金具の輪っかに通す。金具の内径がけっこうギリギリで、とりあえず一本分は何とか通せた。次にもう一本通すためにゴムの先を細く斜めにカットし、さらに通りやすくするためにセロテープを巻く。しかしそれでも通らない。なのでゴムの片側をバイスに固定し、、ゴムを引っ張って細くした状態で先っぽだけでも押し込む。穴の反対側からセロテープ部分が頭を覗かせたら、そこをペンチで挟み引っ張り出す。というより金具を反対側にスライドするようにすると、うまくいくことが分かった。最後に金具をカシメて完成だ。

バラバラになったマイクホルダーにゴムを通す際に一つ注意がある。まず円形フレームの内側にゴムの通り道があり、そこを通すためにネジを緩めてやる必要があるのだ。その後写真を見ながら作業を進めるが、けっこうなテンションでかなり指が痛い。そしてなかなか綺麗な形にならない。あっちを引っ張りこっちを緩め何とか理想的な形に仕上がった。

かかった費用 : 70円

・内訳・
ゴム:40円(1m/75円)
金具:24円(28個/658円)

トータルで約70円ほどだ。こりゃあ安く上がった!!と喜んでいたが、気になって以前テクニカの担当者とのメールのやりとりを調べてみたら、何と税抜き180円だった。税込みだと約200円。これはショックだ。

ふと気になってNEUMANN用のゴムの値段を調べたら、2本で2,000円もすることがわかった。もし自作したらと計算してみたら、何と総額で150円以内で出来るではないか!!

さっそく製作に取りかかったことはもちろん言うまでもない。

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2018年01月20日

AT8410a エラスティック交換 前編

cf64c7f8.jpg1月15日

年が明けてしばらく時間があったので、しばらく登場していなかったマイクをチェックしようとセットしてみると、マイクホルダーのエラスティック(サスペンション・ゴム)が経年変化で死んでいることに気がついた。マイクをセットした状態だとゴムがフニャけた状態で、外側のフレーム部分に触れている。マイクを外しても同じ状況。こりゃあマイクチェックどころではない、まずはホルダーを何とかしなくては…..。

マイクホルダーには直接マイクをセットするタイプ、床などの振動を拾いにくいサスペンション・ホルダーの2種類がある。サスペンション・ホルダーは、マイクを挟み込んだ中心部分を外側の円形フレームにゴムで宙づりにすることで、振動ノイズを防ぐという構造になっている。AKG451、NEUMANN KM84などのペンシル型マイクをセットする時、よく使われるのが「audio-technica AT8410a」というモデルだ。たいていどこのスタジオにも置いてある、いわば業界のスタンダードモデルといって良いだろう。

以前テクニカの担当者にこのサスペンション・ゴムのことを訊いたら、在庫があるので弊社取り扱いショップにて注文されたし、という返事をいただいた。それを思い出したので秋葉原のプロショップ「T」に電話すると、ゴムだけの取り扱いがないということだった。おかしいなと思いながらも、取り寄せだと日数も掛かるだろうし、それなら自作するかとホームセンターへと車を走らせた。

目指すはいつもゴルフの行き帰りに使う裏道沿いにある、コーナン本羽田萩中店だ。まずは素材売り場にあるゴムのコーナーを探す。平ゴムのベルトや穴あきのホースはあっても、側を布でくるんだタイプのものは見つからない。唯一近いモノがあったが太すぎて使えない。店のスタッフ曰く、もし細いのが必要なら製造元にオーダーすることは出来る。しかしその場合は1ロール単位なので、数十メートルになってしまいかえって高くついてしまいますね、と。

途方に暮れていると親切なスタッフは、手芸用品の「ユザワヤ」に行ってみたらどうですか、とアドバイスをくれた。一縷の望みをかけて蒲田の駅前までドライブだ。おっとその前にゴムを止める金具を調達しなければ。ワイヤーロープをカシメる金具で代用することにした。

ユザワヤに着いて売り場を探すとドンピシャの商品が見つかった。太さは何種類かあるが3mmのモノを選択。1m/75円という安さ!!今後のことも考え、またヘタってきたNEUMANN用にもと、白黒それぞれを余裕を持てゲットした。

後編へ続く…..

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2018年01月17日

自画自賛

f142ac77.jpg12月27日

午後から東麻布の制作会社にて劇伴録音。音楽は高見優氏。tassiはアコギ、ガット、エレキ・シタールでダビング作業。

tassiは仕事ではアコースティックな楽器しか演奏しない。唯一例外が今回登場するエレキ・シタールだ。実はかなり昔に本物のシタールを手に入れたことがあった。実際に弾こうとトライしたが、いろいろな意味で敷居が高すぎて演奏は諦めてしまった。まあサンプリングして打ち込みで使おうか、なんていう不埒な考えでしばらく持っていたが、あるとき久しぶりにケースから出したら虫がわき出て、部屋中バルサンを炊く羽目になってしまった。その後マンションの管理室に一時預かってもらい、そこから引っ越した後はさてどうなったやら……。

スタジオに到着し楽器をチューニングしていると、「そのギブソンいい音してますね!」とエンジニア氏に感心されてしまった。自分でもそう思ってはいるが、改めて人からほめられると嬉しいものだ。どうやらエンジニア氏はまともなギブソンの音に出会ったことがないらしい。確かにそうだろう、tassiもわが愛器のスペアを探したが、ほとんど見つからなかった。ビンテージ楽器は特に個体差が大きく、状態が良くても(つまり外観は綺麗でも)音が良いのに出会うことはまれなことだ。

渡された譜面はシンプルだが、音色や音量の管理が難しく指のタッチにかなり気を遣う。おまけに高見氏はギタリストでもあるので、さらにハードルが上がる。丁寧な演奏を心がけ、今年最後のレコーディングが終わった。


SONY α7S / Carl Zeiss Vario-Tessar FE 4/24-70 ZA


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2017年09月12日

TELEFUNKEN M60

980b779d.jpg9月6日

夕方からSOUND CITYにて劇伴録音。音楽は梶浦由記氏。tassiはガットでダビング作業。

梶浦氏の録音はたいていSOUND VALLEYでレコーディングされることが多い。またエンジニアはここ数年いつも小岩孝志氏が担当で、梶浦氏が最も信頼を寄せていることが伺える。今回はスタジオがSOUND VALLEYではなくSOUND CITYと聞いていたので、もしかしたら聞き間違えかと心配してしまった。とは言っても麻布台から市ヶ谷までの距離だから、30分あればナントカ間に合うだろう。少し早めにスタジオに着くとスタジオは間違っていなかった。

スタジオブースに楽器をセッティングし譜面台を見ると、コピーされた手書きの譜面が2枚置かれている。今日は2曲だけのようだ。まずはガットでアルペジオ、その後メロディーを重ねさらに色を加える。この色を加えるというのがくせ者だ。弾きすぎても邪魔になるし、逆に変に遠慮しても存在する意味がない。まさにさじ加減といったところか。次曲も演奏内容に指定はなく、ひたすら「さじ加減」に徹するということだった。初めて聞く曲に「さじを加える」っていうのは意外と難しいものだ。

マイクを見るとU67に加え451っぽい細身のマイクがあることに気がつく。小岩氏に訊くとTELEFUNKEN M60だという。値段は?と訊くと小岩氏は「安いですよ、ステレオペアで12万円ぐらいです」とサラリと答えてくれた。ここ数年新しい機材情報にすっかり疎くなってしまったことを痛感する。ヘッドフォンから返ってくる音はいつものようにとても素晴らしかったが、M60単体ではどんな音で録れるのだろうか興味津々である。前回のマイクスタンド「Triad-Orbit」といい、今回のマイク「TELEFUNKEN M60」といい、新しい機材がどんどん出てくるんだなあ。もう少しアンテナ張らなきゃ。浦島太郎になったような気持ちでスタジオを後にした。


SONY α7S / Carl Zeiss Vario-Tessar FE 4/24-70 ZA

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2017年09月09日

筆おろし「G7th Heritage CAPO」

36cca050.jpg9月4日

夜、お台場にあるテレビスタジオで音楽番組収録。tassiはアコギで参加。

このところテレビ収録が多いが、このスタジオには年に一度も行かないので、迷うとマズイと思いいつもより早めに家を出る。本日はアーティストと二人きりなので、意外と抜かれる(アップで映される)ことが多いかもしれない。映像的なことを考えギターはちょっと派手な「Martin D-45 VR」にした。基本的にアルペジオなので、指弾きなら迷わずギブソン系を選択するが、今回はフィンガーピックをつけて弾くので、マーチンのドレッドノートでもまあ問題ないだろうと判断した。

KeyはBなので4カポGで弾く。カポナシのオープンでなかったこととフィンガーピックをつけたことで、ドレッドノート特有の低域がモッタリしたサウンドは回避できたようだ。一応マイクは立っていたがオンエアはラインの音だけかもしれない。今回初めてG7th Heritage CAPOを使ってみた。果たしてその効果はあったかどうか。やはり一度レコーディング・スタジオでマイクを立てシビアにチェックしてみようと思う。


SONY α7S / Carl Zeiss Vario-Tessar FE 4/24-70 ZA

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2017年09月05日

修行と貯金

021fc355.jpg8月31日

夕方、文化村にてレコーディング1曲。編曲は佐々木博史氏。tassiはマンドリン、ブズーキカバキーニョでダビング作業。

佐々木氏とはほぼ一年ぶり、毎回同じアーティストのレコーディングの時に、民族系で呼んでいただいている。今回もきっと2017年バージョンだな。楽器が多いので早めにスタジオに入る。念のためブズーキはアイリッシュ、ギリシャ両方を持ち込む。

マスターリズムの他に手書きのマンドリン用の譜面が別に一枚用意されていた。そこには同じ音を延々と16分で弾くように指示されている。リズムを刻む指示がリズム譜ではなく、音のタマでしか表示できないアホなソフトが、コンピューター譜面ではよくある。しかしこれは手書きの譜面だ。ということは16分音符をずっと弾き続けということなのか。

最初はテンポに乗れず四苦八苦した。ニュアンスを出さずというか出せず、ただひたすら修行のようにピックを動かした。同じタッチと音色で弾き続けるのは、かなりの難作業である。それでも数回弾けば何とかなり、数カ所の修正をしてマンドリンのトラックは完成した。つぎはブズーキでそのオクターブ下をダビングする。マンドリンとの相性を確かめるため、アイリッシュ、ギリシャそれぞれ1コーラスほど弾く。音色の色が強い方が良いということで、ギリシャに決定だ。一度やっているのでこれは割にスムーズにできた。最後にカバキーニョでストローク。あらかじめ入っているアコギのニュアンスを邪魔することなく、アコギに対して上の音域で音を重ね立体的に仕上げる。

レコーディングが始まる前にエンジニアの松橋氏が好みのマイクは何かと訊いてくれた。うれしいこと訊いてくれるねえ。ブースの中にはNEUMANN U67、AKG451E、ロイヤー122の3本が準備されている。今日は複弦楽器なのでロイヤーは外せない。となるとあとは67しかないだろう。残念ながら451にはとっとと退場願った(実は451が嫌いなのだ)。

セッティング中になにげなくマイクスタンドに目をやると、小ぶりだが見たことのないメーカーに気がついた。剛性感溢れるしっかりとした造りが好感持てる。スタジオアシスタントに尋ねると「Triad-Orbit」というメーカーだと教えてくれた。重量級のマイクスタンドに高砂というメーカーはあるが、個人で持つには価格も高くかなり敷居が高い。その点この「Triad-Orbit」ならがんばって手に入れられそうだ。さっそく貯金だ…..。


SONY α7S / Carl Zeiss Vario-Tessar FE 4/24-70 ZA

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2017年07月25日

G7th Heritage CAPO

58aac0eb.jpgG7thカポをご存知だろうか。
日本には十数年前に入ってきた、独特のクラッチ機能を持つハイテク・カポである。発売当初は幾つかトラブルがあったようだが、現在はそういうこともなく且つ軽量化されて、使い勝手がさらに進化している。tassiは初期型からずっと使い続けている。もちろんメインのカポは、世間でカポのロールスロイスと呼ばれている90年代の「マッキーニー」だが、ライブではその使い勝手からカポのレクサス(ハイテクという意味で)こと、G7th パフォーマンスカポを愛用している。

ロールスロイスもレクサスも持っているのでもうカポは必要なかろう、と思っていたら新しいものに出会ってしまった。それは「G7th Heritage CAPO」である。一見ゴージャスなヨーク式スクリューカポに見える。しかしあのハイテク・カポを作ってるG7thが、わざわざ「Heritage/遺産」と銘打って出すのであるから、ただの懐古趣味的ヨーク式スクリューカポではあるまい。

一番シンプルなモデルでさえも139ドルのプライスが付いている。日本円に換算すると約1万5千円もする。G7th パフォーマンスカポのおよそ2倍以上の価格だ。ちなみにマッキーニーが150ドルだから、価格的にはロールスロイス級である。これはきっと何か秘密が隠されてるに違いない。また豪華な彫刻が施されているモデルは、何と219ドルと驚きの価格である。

日本ではまだ発売されていないようなので、サイトのオンラインから一番安いモデルを直接取り寄せてみた。立派な箱の中には革の特製ケース。その中に鏡面仕上げされたステンレス製の光り輝くカポが入っていた。たかがカポ一つでこれだけたいそうな扱い、同社では最上級モデルという位置付けなのだろう。

第一印象は「美しい」の一言に尽きるだろう。マッキーニーと同じスタイルであるが、細かい仕上げ特にアールの処理に現代的な洗練さが感じられる。また重すぎず軽すぎず適度な安心感がある重量だ。ただスクリュー部分が必要以上に大きいのが気になった。回してみるとその謎がわかった。マッキーニーはギヤ比1対1、つまりただの素通しのネジだが、G7th Heritage CAPOはギヤ比1対1になっていない。きっとギヤ比を変える機構が、この大きいスクリュー部分に隠されているのだろう。つまり細かい調整が可能ということだ。

スクリューを最後まで回していくと、シリアルナンバーが刻印された支柱部分が見えてくる。これまたなかなかニクい演出だ。またスクリュー底部にはG7thのロゴがさりげなくあしらわれており、センスの良さを感させる。

カポをする場合1弦と6弦では弦のテンションが違うので、一定の押さえ方ではどちらかにテンションが偏り、弦のビビリが出てしまうのはギタリストなら誰でも経験したことがあることだろう。ビビリを押さえるためにきつく押さえると、今度は逆にピッチが上がってしまう。カポの装着にはコツがいることはよく知られている。G7th Heritage CAPOでは弦を押さえる部分に「A.R.T.(Adaptive Radius Technology)」という独自の機構を組み込ませている。このA.R.T.というメカニズムによってチューニングの狂いを少なく、かつビビリもないようにというのが、どうやらこのCAPOの売りのようだ。

伝統的なヨーク式スクリューカポのように見えて、あちこちに新しいメカニズムが組み込まれている。それらが139ドルという価格に反映されているのだろうと納得した。

次回はA.R.T.の効果や実際の使用感などを書いてみようと思う。


SONY α7S / VOIGTLANDER NOKTON 35mm F1.2

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2014年10月07日

王道システム

59838c06.jpg9月9日

さだまさし「第二楽章」ツアーのリハーサルで越谷まで。

機材はいつものセット。YAMAHA O1V96を旗艦にアコギはGIBSON HANK WILLIAMS Jr.、夢弦堂スペシャル、ガットにANTONIO LOPEZ PROFESSIONAL、そして昔懐かしいSOFIAの12弦だ。ガットと12弦はmisiのピックアップシステムを採用。電池交換がタイヘンなギターは充電式が一番だ。

曲によってそれぞれEQやバランスを微妙に調整する。1曲の中で指のアルペジオからフラットピックへ持ち替えてストロークする、なんてシーンで同じセッティングではバランスが悪くなる。そういう時にデジタルミキサーというのは大変便利だ。今時midiなんて使わないらしいが、足下のマルチエフェクターをコントロールチェンジのボード専用として使い、デジタルミキサーを制御しているのだ。20年以上もこのシステムだ。他に何かイイものはあるのだろうか知らないが、今はコレが一番だと思っている。


OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm

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2014年10月06日

リュート・ジョーク

b5136141.jpg9月7日

さだまさし伊勢神宮奉納コンサート本番二日目を終え東京に戻った後、笹塚の制作会社にてレコーディング1曲。音楽は喜多智弘氏。tassiは12弦、リュートでダビング作業。

スタジオに到着しまずはリュートのチューニングを念入りにする。リュートはチューニングが狂いやすいのでかなり気を遣う。今でこそチューニングメーターが当たり前のようにある時代なのでそれほど苦労しない。しかし昔は音叉程度のモノしかなく、弦もガット(羊腸)だったからチューニングに苦労したことだろう。

いつもチューニングに時間を割いているリュート弾きの笑えないジョークがあるので紹介したい。

・リュート奏者は人生の大半をチューニングに費やしている
・一度も曲を弾いたことのないリュート奏者がいる。

リュートもそうだが12弦ギターもチューニングに苦労する。さてチューニングを終え譜面を見ると結構黒い。旅帰りで疲れてはいるが気合いを入れてもうひとがんばり。


OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm


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2014年10月05日

ミニマムセット

8d5765c7.jpg9月6日

さだまさし伊勢神宮奉納コンサート本番初日。

本ツアーではないので今回サポートはピアニストと二人だけ。小編成なのでtassiの機材は至ってシンプル。アコギ用にtc.electronic G・NATURAL、マンドリン用にZOOM A2.1uを用意する。

楽器の本数が多い大規模なツアーでも使おうとおもえば何とかなりそうだが、やはりデジタルミキサーの方が使い勝手はよい。また自分でセッティングするには、このくらいの規模でないとダメだ。いつもながら楽器担当のスタッフに頭が下がる思いだ。


OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm


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2014年09月15日

本妻が一番

5edf5f52.jpg9月3日

夕方からSONYにてレコーディング1曲。編曲は佐々木博史氏。tassiはフラット・マンドリン、カバキーニョでダビング作業。

ギタリストのダビングを待ってtassiの番が回ってくる。本日は♯系のキーの曲に、マンドリンとカバキーニョでリズムをダビングするという内容。フラット、ラウンドどちらのマンドリンがマッチするかと訊かれたので、もちろんフラットでしょうと答える。

tassiはGIBSON F2を二台所有している。写真の楽器がメインとして使っているものだ。調整や何かのトラブルの時の入院を考えて、だいぶ前にもう一本スペアとして手に入れた。両者共に1910年代に制作された楽器だ。およそ100年前の楽器だが、現在でも充分実用に耐えられるだけのコンディションを保っている。

これだけ古いと音色もそう変わらないのではと思うが実はかなり違う。写真のメインの方が品があるというか、奥行きのある音色だ。スペアの方はやんちゃな感じで、少しだけ荒々しい。メインを入れているケースが特注で重いので、このところスペアばかりを使用していた。

今回はマンドリンとカバキーニョだけなので(運搬が楽ということ)、久しぶりにメインを使ってみたところ、ヘッドフォンから返ってくる音が素晴らしい。もちろんエンジニアの腕もあるが、やはり惚れ込んで手に入れただけのことはあると再確認した。


OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm


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2014年09月12日

カンテレ・デイ

53facee9.jpg9月2日

昼から中野にあるVOLTAにて映画「ホコリと幻想」の劇判録音。音楽は和田薫氏。tassiはアコギ、カンテレで参加。

事前に和田氏から演奏可能かどうかという確認のため、二段譜になったカンテレの譜面が1曲送られてきた。tassiは専門家ではないので、低音部高音部を二回に分けて弾くのなら可能と返信する。

スタジオに到着してみると、何とほとんどがカンテレでギターは2曲のみだ。あらかじめ爪を短く切っておいてよかった。その分ギターが弾きづらかったが、今日はカンテレの日なのでまあヨシとしよう。

エンジニアの山田氏はカンテレにNEUMANN M49をステレオで狙ってくれた。カンテレの音色が細くならないようにとの配慮だろう。ヘッドフォンから返る音色が温かく、いつも以上に気持ちよく演奏できた。


OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm

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2014年09月03日

ネジが馬鹿になった

6d65971f.jpg8月19日

夕方麹町の日テレで番組収録。tassiはマンドリン、アコギで参加。

リハーサルの最中なぜだかマンドリンのチューニングが安定しない。ヘッドの裏を見ると糸巻きを固定しているネジが緩み、4連ペグの台座が浮いているではないか。これではきっちりチューニングできないのは当然だ。

小さなドライバーを借りて増し締めするが、一部のネジはいくら回しても締まらない。とりあえず収録には何とかなったがこのままツアーに持って行くのは問題である。すぐさま修理に出さなければ。


iPhone 4s

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2014年08月22日

QTC50

d84994ed.jpg8月12日

午後SONYにてレコーディング2曲。編曲は萩田光雄氏。tassiはアコギで参加。

夜千葉にあるDimension Cruiseにて劇判録音。音楽は和田貴史氏。tassiはブズーキ、ジュラであらかじめ録ってあるオケにダビング作業。

和田氏のスタジオDimension Cruiseは湾岸習志野インターそばにある。湾岸道路は朝早く通ることは多いが、このインターで降りたことは一度もない。全く土地勘がないのである。

事故渋滞に捕まりながらナントカたどり着いてみると、個人スタジオとは思えない立派な造り。機材もマイクも充実していてウ〜〜ムと感心してしまった。本日はtassi が前々から試してみたかったEarthworksのマイクで民族楽器を録って頂いた。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95


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2014年08月17日

野外対策

515329b4.jpg8月1日

昼から和光市民文化センターにてさだまさしの長崎ライヴリハーサル。

tassiはこの数年さださんのサポートをしているが長崎の野外ライヴは初めてである。夏の野外での注意点は楽器や機材のケアだ。湿度、温度に加え、昼間のライヴだと直射日光による楽器のダメージを心配しなければならない。

アコギ特にガットギターは作りが繊細なので、普段使っている楽器は持っていけない。というわけであまり高価でない薄いボディのガットを使うことにした。その他の楽器や機材はツアーと同じもの。本番が無事に終わりますように。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2014年07月28日

虜になる音色

e9466f30.jpg7月22日

昼からAVACOにて劇判録音。音楽は志方あきこ氏。tassiは12弦、ガット、アイリッシュブズーキ、ジュラでダビング作業。

本日は劇判録音ということもあってか、いつもより速いペースでレコーディングは進む。しかしそこは志方ワールド、普通の劇判録音のようにはいかない。細かいこだわりがあちこちにあり、時間いっぱいまでギリギリのレコーディングだった。

サウンド・ラボ・オワゾにて劇判録音。音楽は横山克、信澤宣明のお二人。tassiはジュラ、12弦でダビング作業。

本日はジュラ(TZOURAS)がメインで、12弦は1曲のみ。ジュラがメインのレコーディングはそうそうない。ジュラは基本的にC.G.Cというチューニングなので、日本のポップスや劇判においてあまりややこしいことはできない。事前に譜面を送ってもらえたのである程度予習が出来、レコーディングはかなりスムーズにいった。

ジュラはブズーキの弟分みたいなもので、ボディサイズが少し小さい。そのせいだろうかブズーキよりも癖のある音色が特徴だ。一度この楽器にはまると抜け出せなくなる。tassiはもちろん、どうやら多くの作曲家がその魅力にとりつかれているようだ。


OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 12-50mm


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2014年07月10日

復活

5c2285fe.jpg7月1日

午後からKINGにてレコーディング2曲。編曲は萩田光雄氏。tassiはアコギで参加。

本日はストリングスの皆さんも一緒の同録である。スタジオのフロアに全員がいる、ちょっと緊張感のあるレコーディングだ。先日無事に復帰したGIBSON SJで無事にセッションを終える。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2014年07月08日

他愛のない理由

b1f67c3e.jpg6月30日

午後からSOUND CITYにて「さだまさし」さんのレコーディング1曲。編曲は渡辺俊幸氏。tassiはアコギで参加。

GIBSON SJのピッチの調子が良くないのでリペアマンに見てもらうと、何とサドルが逆についていたことがわかった。たぶん弦を交換した時にサドルが外れ、戻した時に逆にセットしてしまったということだろう。単純なミスすら見抜けなかった自分に落胆すると同時に、たいしたトラブルでなくて良かったという安堵感でいっぱいだ。老眼が進み細かいところがよく見えなくなってきているんだろうか。

代役を務めてくれたスペアのJ-45と、無事に復帰したメインのSJのどちらを使おうか。サウンドの違いとしてはSJの方がエッジが立っている。J-45はもう少しふくよかでメロディ弾きにも十分対応できる。曲調から判断して本妻のSJを使うことに決めた。


OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 12-50mm


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2014年07月06日

似て非なるもの

73d8b9ad.jpg6月29日

夜SOUND CITYにて「さだまさし」さんのレコーディング2曲。編曲は渡辺俊幸氏。tassiはアコギ、ガットで参加。

先日のレコーディングの時、GIBSON SJのピッチが悪かった。なので本日はそのスペアとしてだいぶ前に手に入れた、GIBSON J-45をメインで使うことにした。また押さえでMARTIN D-45もセットする。

スペアとして手に入れたJ-45だが、SJと全く同じ音ということはありえない。特にビンテージギターは個体差が大きいからだ。楽器の違いやマイクとの関係など複合的な要素が絡むとは思うが、いつものサウンドが出せたかは微妙なところ。100点満点ではないけれど及第点はいただけたかもしれない。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2014年07月04日

GIBSON SJ 不調なり

92885ca2.jpg6月26日

夜SOUND CITYにて「さだまさし」さんのレコーディング2曲。編曲は渡辺俊幸氏。tassiはアコギ、12弦で参加。

基本的にアコギはGIBSON SJを使うがなぜかピッチが不安定だ。弦も替えたばかりで新しいし不思議だ。アコギのアルペジオが主体の曲なので、いつも以上にピッチの悪さが気になってしょうがない。かなり神経質に何度もチューニングをするが、最後までピッタリと合わなかった。こんな日もあるのだろうか。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2014年06月18日

バリトンがボツる

88588007.jpg6月14日

昼からSOUN INNにてドラマの劇判録音。音楽は荻野清子氏。tassiはアコギ、ガット、マンドリンで参加。

スタジオに入るとミュージシャンはtassi一人だけ。ギターだけのバージョンをクリックに合わせ一人黙々と演奏する。後にオケが入る曲も全体像が分からずにひたすら譜面を追う。4時間ほど集中してレコーディングした後しばしの休憩。再開後はストリングスの皆さんとの共演だ。やっぱり合奏はいいね。

今回音域のことなどを考慮してバリトンギターをデビューさせた。しかし音域が低すぎてボツになる。ギター単体ならばその効果は絶大だが、オケが入り全体が充実してくると、バリトンの低域が邪魔になることが予想されたからだ。次回機会があったらまたチャレンジしたい。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95


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2014年06月09日

フィンガーノイズ

a230010a.jpg5月31日

昼からSOUND INNにて映画の劇伴録音。音楽は佐藤直紀氏。tassiはアコギでダビング作業。

tassiがまだ若い頃レコーディングしていてよく注意されたことがある。それは指と弦との摩擦で起こるフィンガーノイズだ。主にコードワークの時によく起こることで、ローポジションからハイポジションあるいはその逆の「縦の移動」の時に起こることが多い。

弦の上に指を触れたままポジション移動すれば、いやでもノイズが発生する。普段何気なく弾いている時は気にならないが、いざマイクを立てて録音してみると、意外とそのノイズの大きさに気づくはずだ。録音物という「製品」にするにはこのノイズが一番の大敵であり、乗り越えなければならない壁なのである。

その壁をどう克服したか。tassiの場合、前後の関係を考えた柔軟なコードフォームの選択。またなるべくノイズを発生させないようなアルペジオの音型や、それに伴うスムーズなポジション移動など。多くの経験の積み重ねによって録音に耐えうる演奏になったのだと思う。

現在ではコーティング弦という便利なものがあり、それほど神経質にならずともノイズが発生しにくくなった。弦の長持ちを謳ったものが多く、それに伴いノイズの軽減といった恩恵も受けられるようになったわけだ。それでも無神経なプレイはNGである。

譜面台に目をやるとアルペジオからメロディまで全て書き譜の譜面が並んでいる。時計を見るとまだかなり時間があるので、新しく張った弦だったが全てコーティング弦に張り替えた。音色は今ひとつだったが背に腹は替えられない。マーティンのコーティング弦はフィンガーノイズに関してはそれほど効果がないと感じた。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95


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2014年05月23日

イタリアならラウンドでしょう

20140417.jpg4月17日

夜GREEN BIRDにてCM録音。音楽は千葉純治氏。tassiはマンドリンで参加。

マンドリンといっても大きく分けてフラット、ラウンドと二種類ある。細かく分ければまだいろいろあるがこの二種類を知っておけばまず間違いない。その違いを詳しく知りたい方はコチラを参照されたし。

本日はニーノ・ロータの名曲を忠実に再現するというもの。つまりマンドリンはイタリアのラウンドマンドリンでなければならない。フラットではダメなのだ。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2014年05月09日

OMEオウムとは関係ありません

b9e6d9b2.jpg3月25日

夕方SOUND CITYにてドラマ「ブラック・プレジデント」の劇伴録音。音楽は仲西匡氏。tassiはアコギ、ガット、マンドリン、バンジョーでダビング作業。

久しぶりにOMEの5弦バンジョーを持って行く。1970年代のあこがれの楽器だったが、今や使っている人はあまりいないようだ。それでもtassiは気に入って使っているのだ。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2014年04月15日

高砂に269自宅に欲しい

b02b0422.jpg3月3日

午後からAVACOにてアニメ金田一少年の事件簿Rの劇伴録音。音楽は和田薫氏。tassiはアコギ、ガットで参加。

作曲家の和田氏からの発注の場合、たいてい民族楽器が含まれるが今回はギターのみ。エンジニアのY氏もいつもはAKG414をステレオで立てるのに本日はNEUMANN M269を贅沢に2台。tassiはこっちの方が好きだなあ。おまけに高砂のマイクスタンドだ。萌え〜〜〜〜。

曲数は少なくアッという間に終わってしまった。もう少しイイ音を聞きながら演奏したかったなあ。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2014年01月18日

ハンクで早弾き

03204545.jpg1月18日

先祖返りというわけではないが、長いこと弾いていなかったフラットピッキング奏法にトライしてみることにした。

フラットピッキング奏法といってもただ単にフラットピックを使うのではなく、いわゆるブルーグラスなどで用いられる早弾きのことだ。学生時代はこんなことばかりやっていたので難なく弾けていた。しかし習慣とは恐ろしいもので仕事ではほとんど登場する機会はないので、だんだん弾かなくなってしまい、しまいには速いテンポで弾くことが出来なくなってしまったのだ。

正月明けのリハビリのつもりで再挑戦する。まずは外堀からということで、ギターもマーティン・ドレッドノートを出してくる。このスタイルのプレイにはこの楽器しかないだろう。仕事では滅多に弾かないMartin D-28 HW。シトカトップにハカランダボディの硬質なサウンドが、醒めた心に火をともしてくれる。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2014年01月12日

4度と5度のちがい

0cf30df7.jpg1月7日

夜SOUND INにてレコーディング3曲。音楽は志方あきこ氏。tassiは12弦、IRISH BOUZOUKI、GREECE BOUZOUKI、TZOURAS、OUD、MANDOLINでダビング作業。

本日は今年の仕事始め。正月ボケから戻らぬまま長時間のレコーディングである。楽器が多いので台車2回に分けての大量搬入。セッティングからチューニングまでほぼ30分はかかる。用意が出来たところでいつものように作戦会議。

3度抜きサウンドが多いのでギリシャ・ブズーキも2種類用意した。オリジナルの4度チューニングの楽器に加え、マンドリンの1オクターブ下の5度チューニングにセットされたものだ。両者をうまく使い分け志方サウンドに対応していく。同じブズーキでもチューニングが異なると、出てくるサウンドが違うのが興味深いところである。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95

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2013年12月26日

一押しのTZOURAS

a26cb59f.jpg12月16日

午後SOUND CITYにてCM録音。音楽は林部亜紀子氏。tassiはガットギターで参加。

ガットギターといっても内容がスパニッシュテイストのリズムを刻むので、通常使うガットギターではなくフラメンコギターを選択する。フラメンコギターと普通のガットギターの違いはなんだろう。

歴史を紐解けば様々なことが分かってくるが、現在ではその材質の違いが音色に大きく影響を及ぼしていると思う。通常のガットギターのサイド、バックはローズウッドやハカランダがよく使われている。それに対してフラメンコの方は、シープレスという糸杉を使った楽器が圧倒的に多い。中にはローズ系の材を使ったモノももちろんあるが。

その後夕方からSOUND INNにて映画の劇伴録音。音楽は佐藤直紀氏。tassiはアコギ、ガット、ジュラでダビング作業。

当初民族系はサズというオーダーだった。しかし念のためジュラ(TZOURAS)も持って行きオケに合わせると、こちらの方が存在感があることがわかりサズは首になる。このところブズーキも飛び越えてジュラ需要が増えてきた。


RICOH GXR / S10 24-72mm


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2013年10月20日

J.CASTELLUCCIA

56b8ce05.jpg10月09日

正午からSONYにてレコーディング1曲。音楽は三井誠氏。tassiはアコギ、ブズーキで参加。

全体的にヨーロッパの雰囲気が満載のサウンドで、歌詞もフランス語と日本語が混在する曲だったので誰かのカバーかと感じた。ところが実は三井氏のオリジナルだと聞き驚いた。三井氏はCM音楽を長いこと書いているせいか、本物らしく、いや本物以上に聞かせるセンスはさすがである。

当初普通のアコギということだったが、事前に送られてきた音資料を聞くと、これはあの楽器の方が良いだろうと思った。その楽器とは「J.CASTELLUCCIA」である。10年ほど前にパリで偶然手に入れたギターだ。これはまあ簡単に言うとジプシーギターという位置づけだが、何もマヌーシュ・ジャズを弾かなくても存在感のある音色が魅力的だ。特に本日のようなサウンドの時は、普通のアコギに比べてより「らしく」聞こえるはずだ。

最後に特徴的なブズーキのフレーズをダビングして無事に終了した。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95


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2013年10月15日

一生モノのマイクスタンド

4eed0740.jpg9月27日

夕方からSOUND CITYにてこどものうたのレコーディング2曲。編曲は梅堀淳、スワベック・コバレフスキーの両氏。tassiはアコギで参加。

曲自体は既出のものを子供用に優しく仕上げたアレンジになっている。各セクションごとに少しずつニュアンスを変えながらプレイする。ふと譜面台の先を見ると高砂のマイクスタンドが目に入る。堅牢かつ重厚な姿に惚れ惚れとする。やはりマイクスタンドは大事だよな….そんなことに思いを巡らせながらスタジオを後にした。

OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm

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2013年10月11日

ANTONIO LOPEZ

e61d21fb.jpg9月24日

午後から越谷にてさだまさし秋のツアーのリハーサル。いつものようにYAMAHA O1Vを中心にギター類をセットする。

今回はガットギターを以前のモノからチェンジした。以前の楽器はスペインはバルセロナの楽器店「CASA PARRAMON」のオリジナル楽器で、初めてスペインに行ったときに買ってきた楽器だ。1990年からレコーディングに大活躍だったが、その後同店の別ギターがメインになり、サブ楽器として主にライヴ用になってしまった。

ギターをツアーに出すと温度や湿度の変化が大きく、状態がかなり変化する。具体的に言うとネックの反り、表面板の膨らみ、運搬時の振動による力木の剥がれなどである。前回使っていたガットもその例に漏れず、ツアーが終わると必ず入院させていた。そんなこともあって新たにライヴ専用ギターを手に入れたのだ。

ピックアップは電池交換がいらない「MISI/マイサイ」を迷わず選択。仕上がってきたのを弾いてみると、ピックアップのサウンドはもちろんだが生音が抜群にイイ。これには驚いた。フレット交換や各所の調整が功を奏したのだろう、以前のガットよりも良いサウンドで鳴ってくれる。なんだかライヴ専用というのがもったいなく思えてきた。ツアー終了まで大事に扱ってやろうと思った次第だ。

ちなみにこのガットは「ANTONIO LOPEZ PROFESSIONAL」というモデルで黒沢楽器が輸入代理店になっている。一言付け加えておくと、楽器特にギターは個体差があるので、このモデルなら全てが完璧とは限らない。自分の目と耳で確かめる必要があるだろう。スペイン製なのでそのあたりはけっこういい加減だからね。

OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm

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2013年10月10日

要介護4程度?

c848b305.jpg9月23日

午後からLAB RECORDERSにてCM録音。音楽は藤田曜子氏。tassiはアコギ、ガットで参加。

ピアノの中西氏の録音を待って次のダビング作業となる。メロディー、伴奏共にアコギとガット両方で演奏。さあどちらが採用されるか。

NEUMANN87か67か知らないが、マイクスタンドが心許ない。いつも思うことだがK&Mのマイクスタンドは、AKG451やNEUMANN84などのペンシル型マイク専用にして欲しい。重いマイクを載せるとすぐにお辞儀をしてしまうのだ。せっかくイイ演奏をしてももう一度録り直しとなることが多い。もし使うのならガムテの介護が必要だろう。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95


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2013年09月18日

生放送「火曜曲」最終回

3813be5c.jpg9月3日

「火曜曲」本番出演のためTBSまで。さだまさしさんのサポートでアコギで参加。アコギは先日調整から上がってきたばかりの「GIBSON HANK WILLIAMS Jr.」を使う。

このギターは以前にも紹介したがもう少し詳しく書いてみよう。ギブソン社が1997年に300本限定でカスタムショップとして作られたもの。カスタムショップとは簡単に言うと、普通の生産ラインではなく、専門の職人が厳選された材を使って製作されたギターのことである。10年ほど前に中古で手に入れたときは、それほどイイ音はしていなかった。ただ、ライヴ用にピックアップを載せてしまえば何とか使えるだろうと安く手に入れた。

ピックアップは当初からハイランダーを選択。ラインの音はけっこう気に入っている。スピーカーから聞く分には、ギブソンの男らしいサウンドが忠実に再現されている。ハイランダーは調整が難しく、スキルの乏しいリペアマンだと正しくセットアップできない。一流の腕を持ったリペアマンですら難しいと言っているくらいだから。しかし完璧に調整されれば、バランス、音色共に素晴らしいものがある。

手に入れてから今までの間、このギターには数々の調整がされてきた。フレット、ナット、サドル交換、ピッチ調整、それに伴う指板修正など演奏性に関わることには全て手が入っている。ペグも元々ついていたクルーソンから一時GOTOのあるモデルに換えたがまるで使い物にならず、結局愛用のWAVERLYに落ち着いた。

当初生音にはあまり期待していなかったがここ最近鳴りが変わってきた。やはりライヴで使い込んだせいだろうか、音に深みが増してイイ感じにほぐれてきたようだ。さすがにヴィンテージにはほど遠いが、マイクを通しても使える音に近づいてきたのである。やっぱり楽器は弾いてやらなければダメなんだなと痛感した。

さてテレビの「火曜曲」の話に戻る。足下のエフェクターは先日同様「ZOOM A2.1u」である。前日にリハーサルをやっているので、本日はぶっつけ本番だ。舞台転換に7分。回線チェックに1分というタイトな流れで本番に突入する。生本番なので適度な緊張感があり、なかなか良い演奏が出来たのではないかと満足している。このバタバタ感は昔の「夜のヒットスタジオ」を思い出した。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95


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2013年09月17日

ZOOM A2.1u

ba9e7828.jpg8月31日

広島のイベント「サウンドマリーナ '13」でさだまさしさんのサポート。

出演時間はおよそ40分でコンサートのトリである。トリというのは最後の出演者ということである(元々は寄席用語)。しかしリハーサルは朝11時である。つまり本番までかなり長時間待たなければならない。天気が良ければあちこち散歩という過ごし方もあるが、この日はあいにくの雨なのでホテルの部屋で待機する。

ツアーでは楽器や機材はトラックに積みっぱなしであるが、こういったイベントでは基本的に手持ちとなる。また、セッティングに時間を要する機材は、スタッフの苦労を考えると持って行けない。そこで登場するのが「ZOOM A2.1u」だ。かなり前にも紹介したが再度登場願おう。

基本的にはデジタルエフェクターという位置づけだ。アコースティック専門と謳っているだけあって、その音色は素直で好感持てるものである。しかしtassiが使うエフェクトは補正としてのEQ及び最低限のリバーブのみだ。リミッターもモジュレーション系も価格なりのクオリティーなので、積極的に使ったことはない。プリセットのシミュレーションは、オリジナルの楽器に触れたことのない人にはイイかもしれないが…..。

とはいえプリセットパッチがあること、ボリュームペダルがあるので楽器の差し替えがスムーズに行えること、XRLアウトがあるのでDIとしての機能があること。この3つがあるだけでも重宝している。これで市場価格1.5万円は安いといえるだろう。このサイズで10倍くらい音質にこだわったモデルが出れば、多少高くても喜んで買うのだが。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95


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2013年08月27日

リュートのために爪を切る

0a44ec12.jpg8月16日

夜SOUND CITYにてアニメの劇伴録音。音楽は浜口史郎氏。tassiはガット、リュート、マンドリンでダビング作業。

本日はリュート曲があるので爪をギリギリまで短く切って臨む。本来リュートは指頭つまり「指先」で奏でる楽器だ。「爪先」ではないのである。指の柔らかいタッチがリュート独特の音色を生むわけだが、もし完全に爪を切ってしまうとギターが弾けなくなるのでいつも苦労する。

今回はリュートに時間が掛かりそうだったので、ギター、マンドリン曲を先に録る。その後時間を掛けてリュート曲を仕上げていく。エンジニア吉田氏のマイク選択に依るものだろう、NEUMANN M149の臨場感あふれるサウンドが素晴らしかった。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95


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2013年08月09日

感動の青いキューボックス

5d451158.jpg8月2日

午後からポニーキャニオンにて劇伴録音。音楽は井内啓二氏。tassiは12弦、ガット、ウクレレ、アイリッシュブズーキ、マンドリンでダビング作業。

ポニーキャニオンってどこ?確か一口坂スタジオは昨年クローズしたはずだし…なんて思っていると、それは旧ワンダースターションのことです、とコーディネーターが教えてくれた。なんだ代々木のあそこですか。とはいえ楽器が多いので早めに到着する。

当初リュートが候補に挙がっていたが、いろいろとやってみるとアイリッシュブズーキの方が雰囲気に合うことが分かり、リュートはあえなく首になる。音域やチューニングなどいろいろな要素があり、決め打ちでないとリュートはなかなか採用されないようだ。

このスタジオ、旧ワンダーとどこが変わったのかと辺りを見回してみるがよくわからない。ブースに入ってみて意外なものを発見した。一口坂にしかなかったあの青いキューボックスである。ああ懐かしい、ナツカシイ。こんなところにDNAが引き継がれていたのか。


OLYMPUS OM-D E-M5 / VOIGTLANDER NOKTON 25mm F0.95


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2013年07月14日

5度仕様

1221580c.jpg7月12日

夜から上池袋のDedeにてレコーディング2曲。音楽は志方あきこ氏。tassiは12弦、BOUZOUKI、SAZ、TZOURASでダビング作業。

連休の前日のせいか首都高も一般道もものすごい渋滞だ。少し早めに家を出たが何と1時間も遅刻してしまった。ダビングだったから助かったけど、これがせーのの劇伴だったらアウトだろう。

3度抜きコードを弾く場合、ギターのような4度チューニングだと運指がやっかいになる。もしくはパワーコードのポジションになってしまうので、これまた変化に乏しくなる。ギリシャブズーキも基本的に4度チューニングなので、ギター同様3度抜きコードが弾きづらい。

春先に1本ギリシャブズーキを手に入れることが出来た。フレット、ナット交換およびピッチ調整の際に、この楽器は5度チューニング仕様にしようと決めた。マンドリンの1オクターブ下ということだ。先日ようやく調整から上がってきたブズーキはなかなかイイ感じで仕上がっている。今日は志方さんの現場なのできっと登場機会があるはずだ。

志方さんに今日は「新しい子」がいるよと告げると、興味津々である。メインはSAZとTZOURASだったが、5度チューニングのブズーキも隠れて少しだけ登場させた。


OLYMPUS OM-D E-M5 / M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm

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