2017年07月25日

G7th Heritage CAPO

58aac0eb.jpgG7thカポをご存知だろうか。
日本には十数年前に入ってきた、独特のクラッチ機能を持つハイテク・カポである。発売当初は幾つかトラブルがあったようだが、現在はそういうこともなく且つ軽量化されて、使い勝手がさらに進化している。tassiは初期型からずっと使い続けている。もちろんメインのカポは、世間でカポのロールスロイスと呼ばれている90年代の「マッキーニー」だが、ライブではその使い勝手からカポのレクサス(ハイテクという意味で)こと、G7th パフォーマンスカポを愛用している。

ロールスロイスもレクサスも持っているのでもうカポは必要なかろう、と思っていたら新しいものに出会ってしまった。それは「G7th Heritage CAPO」である。一見ゴージャスなヨーク式スクリューカポに見える。しかしあのハイテク・カポを作ってるG7thが、わざわざ「Heritage/遺産」と銘打って出すのであるから、ただの懐古趣味的ヨーク式スクリューカポではあるまい。

一番シンプルなモデルでさえも139ドルのプライスが付いている。日本円に換算すると約1万5千円もする。G7th パフォーマンスカポのおよそ2倍以上の価格だ。ちなみにマッキーニーが150ドルだから、価格的にはロールスロイス級である。これはきっと何か秘密が隠されてるに違いない。また豪華な彫刻が施されているモデルは、何と219ドルと驚きの価格である。

日本ではまだ発売されていないようなので、サイトのオンラインから一番安いモデルを直接取り寄せてみた。立派な箱の中には革の特製ケース。その中に鏡面仕上げされたステンレス製の光り輝くカポが入っていた。たかがカポ一つでこれだけたいそうな扱い、同社では最上級モデルという位置付けなのだろう。

第一印象は「美しい」の一言に尽きるだろう。マッキーニーと同じスタイルであるが、細かい仕上げ特にアールの処理に現代的な洗練さが感じられる。また重すぎず軽すぎず適度な安心感がある重量だ。ただスクリュー部分が必要以上に大きいのが気になった。回してみるとその謎がわかった。マッキーニーはギヤ比1対1、つまりただの素通しのネジだが、G7th Heritage CAPOはギヤ比1対1になっていない。きっとギヤ比を変える機構が、この大きいスクリュー部分に隠されているのだろう。つまり細かい調整が可能ということだ。

スクリューを最後まで回していくと、シリアルナンバーが刻印された支柱部分が見えてくる。これまたなかなかニクい演出だ。またスクリュー底部にはG7thのロゴがさりげなくあしらわれており、センスの良さを感させる。

カポをする場合1弦と6弦では弦のテンションが違うので、一定の押さえ方ではどちらかにテンションが偏り、弦のビビリが出てしまうのはギタリストなら誰でも経験したことがあることだろう。ビビリを押さえるためにきつく押さえると、今度は逆にピッチが上がってしまう。カポの装着にはコツがいることはよく知られている。G7th Heritage CAPOでは弦を押さえる部分に「A.R.T.(Adaptive Radius Technology)」という独自の機構を組み込ませている。このA.R.T.というメカニズムによってチューニングの狂いを少なく、かつビビリもないようにというのが、どうやらこのCAPOの売りのようだ。

伝統的なヨーク式スクリューカポのように見えて、あちこちに新しいメカニズムが組み込まれている。それらが139ドルという価格に反映されているのだろうと納得した。

次回はA.R.T.の効果や実際の使用感などを書いてみようと思う。


SONY α7S / VOIGTLANDER NOKTON 35mm F1.2

fukasawaman409 at 15:06│Comments(0)gears 

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