2009年01月24日

冬の野外は大嫌い

6debcc71.jpg1月23日

昼からAVACOにてアニメの劇伴録音。音楽は和田薫氏tassiは民族楽器でダビング作業。

ギリシャあたり物語のが舞台になっていることらしく、今回はBOUZOUKIを中心とした裏丸系の楽器を多用する。ギターの登場は一度もなかった。

先日のオバマ大統領の就任式典で、ヨーヨー・マさんたちが演奏したものは、実は事前録音だったことが話題になっているようだ。tassiはあの寒空でよく演奏出来るなと感心していたのだ。というか、寒さで指がかじかまないだろうか、チューニングは狂わないだろうか...などなど同業者として心配していた、と言った方がイイだろう。

思い起こせば数年前、tassiも同じような状況で弾いたことがある。それは正月元旦の朝に富士山をバックにしての生演奏というものだった。富士山の見える静岡県や山梨県の離れた場所で、3組のアーティストがそれぞれ多元生中継を行い、そして最後の曲はその3組がお互いにセッションするという内容である。

たしか二胡、津軽三味線、ピアノという3組のアーティストだったと記憶している。tassiは二胡奏者のサポートで、富士山をバックに河口湖畔でガットギターを弾くこととなった。本番は朝8時頃なのでリハーサルは早朝5時からだ。まだ周りは薄暗く寒い。当然気温は零下である。

コートを着ていても、そこにじっとしているのが辛いくらいの寒さである。ましてや衣装に着替えそこで楽器を弾くなんていう行為は、どう考えても尋常じゃない。チューニングは狂いまくり、指は思うように動かず、相当なプレッシャーだった。

大型のミトンというか鍋つかみの中に使い捨てカイロを入れ、指を温めながらの演奏だったが、我ながらよくやったと思っている。しかし富士山付近の天候は悪く、雲がかかって山頂は全く見えない。おまけに雪まで降ってくる有様だ。

その後自宅に戻り、録画してあった番組を見てみると、演奏しているシーンはほとんど無く、事前に撮影してあったと思われる富士山の美しい風景ばかりが放送されていた。いったい何のための生演奏だったのだろう。仮に晴れていたとしても、寒さによるトラブルでボロボロの演奏だったら、おめでたい元旦の朝が台無しになることは間違いない。事前録音のあてぶり(口パク)で十分な仕事だったと感じた。

たかだか正月の特番と就任式典を比べること自体ナンセンスだが、世界中が見ているあのワシントンで間違いがあってはならない状況の中、事前録音を流したことは決して責められることではないと思う。


RICOH Caplio GX 100



fukasawaman409 at 13:38│Comments(0)TrackBack(0)work 

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