2007年11月21日

E.PATIERNO/ITALY

0f4a3231.jpg11月21日

以前仕事ではほとんどフラット・マンドリンしか使わなかったが、需要に応じてどうしてもラウンド・マンドリンが必要になった時期があった。ちょっとイタリアっぽい感じや、ヨーロッパ的なサウンドが求められるとき、fホールのフラット・マンドリンでは、音色が違いすぎてどうもシックリこない。運良くtassiのフラット・マンドリンは、ラウンドホール(丸穴)だったので、ピックを変えたりしながらかろうじて対応してきたが、やはり極めるとなったらラウンド・マンドリンしかないだろう。

日本で探そうと思うと楽器店が限られる。クラシック・ギターを扱っている店や、ラウンド・マンドリン専門店には品揃えが豊富だが、ソコソコの値段は覚悟しなければ、良い楽器を手に入れることはできないと感じた。まあメインで使う楽器ではないので、安物でもイイかと考えた時期もあったが、どうせ一生使うのだから、ある程度のものは手に入れたい。などと迷い迷っているうちに、日本ではなくベルギーの首都ブリュッセルの、とある楽器店で出会ってシマッタ。きっと街を歩きながら、ラウンド、ラウンドとブツブツ呟いていたので、楽器店に引き寄せられていったのだろう。

だいたい彫刻だの貝だの飾りだのがギラギラしている楽器は、値段ばっかり高くて音はたいしたことがない。というのが昔からの持論だったが、手に取ってみたら意外とイイじゃない、というのが第一印象だった。考えを改めたのは言うまでもない。きっと高くて買えなかったからヒガんでいたのだ。音はイイし装飾もキレイで、おまけに値段も手頃で更にウレシクなり、あっという間に硬派からの脱落者となる。

サウンド・ホールの形が独特で、それを囲むようにしてドラゴンだかなんだかワカラナイ、動物と植物が一緒になったような細かい細工がしてある。いや、よく見ると間抜けなラクダの顔にも見えてきた。洋白か銀細工だろうか、まあアルミニウムではないようだ。密度が高く重心の重い音ではないが、けっこう軽やかでヨーロッパの香りを運んできてくれる、1920年代のラウンド・マンドリンである。


OLYMPUS E-510 ZUIKO DIGITAL 50mm MACRO



fukasawaman409 at 00:48│Comments(1)TrackBack(0)gears 

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この記事へのコメント

1. Posted by 藤棚   2007年11月21日 13:11
シンプルデザインの服飾をまとうスレンダー容姿の才女、を愛する男が、ふとしたシンクロニシティで、フリルのついたロココ調ファッションで歩く、ぶりっこぽっちゃりギャルの虜になってしまう…。ような、お話ですね。

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