2018年01月

2018年01月31日

明日は雪か

2c788b47.jpg1月21日

夕方から新富町のONKIOにて今秋公開映画の劇伴録音。音楽は羽毛田丈史氏。tassiはアコギ、ガットでダビング作業。

早めにスタジオに着くと、まだ羽毛田氏のピアノのレコーディング中だ。音を立てずに隣のブースに入り、静かに楽器をセッティングする。スタジオの中は基本的に無音なので、少しの音でもマイクが拾ってしまうのだ。ブースの中は空調が入っているが、外の寒さのせいでなかなか暖まらない。指がかじかんできている。やはり明日は雪らしい。

本日の劇伴は「あくまでも温かく」というサウンドが基本である。なので速いテンポは少なく、逆にテンポ50ぐらいのゆっくりした曲が多い。クリックを追い越さないように、また細かいタッチやノイズに神経を使いながら、完璧な世界を演出した。


SONY α7S / Carl Zeiss Vario-Tessar FE 4/24-70 ZA

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2018年01月25日

AT8410a エラスティック交換 後編

7f5262c3.jpg1月15日

材料が安く手に入ったので気分良く自宅までドライブだ。古いゴムを外しホルダーをバラす前に、念のために写真を撮っておく。NEUMANNのホルダーように単純な構造になっていないので、組み立て方が分からなくなってしまうかもしれないからだ。

まず古いゴムの長さを測る。伸びきっているからこの長さは当てにならない。なのでループ状態のゴムを一度切断して片方を机の端に固定し、目いっぱい引っ張ってみてその場所をチェックしておき、長さを測る。次に新しいゴムを同様に机の端に固定し、先ほどチェックした場所まで伸ばしきって、ゴムの長さを決めることにした。おおよそ50cmプラスαってとこだろうか。

次にゴムを固定する金具の輪っかに通す。金具の内径がけっこうギリギリで、とりあえず一本分は何とか通せた。次にもう一本通すためにゴムの先を細く斜めにカットし、さらに通りやすくするためにセロテープを巻く。しかしそれでも通らない。なのでゴムの片側をバイスに固定し、、ゴムを引っ張って細くした状態で先っぽだけでも押し込む。穴の反対側からセロテープ部分が頭を覗かせたら、そこをペンチで挟み引っ張り出す。というより金具を反対側にスライドするようにすると、うまくいくことが分かった。最後に金具をカシメて完成だ。

バラバラになったマイクホルダーにゴムを通す際に一つ注意がある。まず円形フレームの内側にゴムの通り道があり、そこを通すためにネジを緩めてやる必要があるのだ。その後写真を見ながら作業を進めるが、けっこうなテンションでかなり指が痛い。そしてなかなか綺麗な形にならない。あっちを引っ張りこっちを緩め何とか理想的な形に仕上がった。

かかった費用 : 70円

・内訳・
ゴム:40円(1m/75円)
金具:24円(28個/658円)

トータルで約70円ほどだ。こりゃあ安く上がった!!と喜んでいたが、気になって以前テクニカの担当者とのメールのやりとりを調べてみたら、何と税抜き180円だった。税込みだと約200円。これはショックだ。

ふと気になってNEUMANN用のゴムの値段を調べたら、2本で2,000円もすることがわかった。もし自作したらと計算してみたら、何と総額で150円以内で出来るではないか!!

さっそく製作に取りかかったことはもちろん言うまでもない。

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2018年01月20日

AT8410a エラスティック交換 前編

cf64c7f8.jpg1月15日

年が明けてしばらく時間があったので、しばらく登場していなかったマイクをチェックしようとセットしてみると、マイクホルダーのエラスティック(サスペンション・ゴム)が経年変化で死んでいることに気がついた。マイクをセットした状態だとゴムがフニャけた状態で、外側のフレーム部分に触れている。マイクを外しても同じ状況。こりゃあマイクチェックどころではない、まずはホルダーを何とかしなくては…..。

マイクホルダーには直接マイクをセットするタイプ、床などの振動を拾いにくいサスペンション・ホルダーの2種類がある。サスペンション・ホルダーは、マイクを挟み込んだ中心部分を外側の円形フレームにゴムで宙づりにすることで、振動ノイズを防ぐという構造になっている。AKG451、NEUMANN KM84などのペンシル型マイクをセットする時、よく使われるのが「audio-technica AT8410a」というモデルだ。たいていどこのスタジオにも置いてある、いわば業界のスタンダードモデルといって良いだろう。

以前テクニカの担当者にこのサスペンション・ゴムのことを訊いたら、在庫があるので弊社取り扱いショップにて注文されたし、という返事をいただいた。それを思い出したので秋葉原のプロショップ「T」に電話すると、ゴムだけの取り扱いがないということだった。おかしいなと思いながらも、取り寄せだと日数も掛かるだろうし、それなら自作するかとホームセンターへと車を走らせた。

目指すはいつもゴルフの行き帰りに使う裏道沿いにある、コーナン本羽田萩中店だ。まずは素材売り場にあるゴムのコーナーを探す。平ゴムのベルトや穴あきのホースはあっても、側を布でくるんだタイプのものは見つからない。唯一近いモノがあったが太すぎて使えない。店のスタッフ曰く、もし細いのが必要なら製造元にオーダーすることは出来る。しかしその場合は1ロール単位なので、数十メートルになってしまいかえって高くついてしまいますね、と。

途方に暮れていると親切なスタッフは、手芸用品の「ユザワヤ」に行ってみたらどうですか、とアドバイスをくれた。一縷の望みをかけて蒲田の駅前までドライブだ。おっとその前にゴムを止める金具を調達しなければ。ワイヤーロープをカシメる金具で代用することにした。

ユザワヤに着いて売り場を探すとドンピシャの商品が見つかった。太さは何種類かあるが3mmのモノを選択。1m/75円という安さ!!今後のことも考え、またヘタってきたNEUMANN用にもと、白黒それぞれを余裕を持てゲットした。

後編へ続く…..

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2018年01月17日

自画自賛

f142ac77.jpg12月27日

午後から東麻布の制作会社にて劇伴録音。音楽は高見優氏。tassiはアコギ、ガット、エレキ・シタールでダビング作業。

tassiは仕事ではアコースティックな楽器しか演奏しない。唯一例外が今回登場するエレキ・シタールだ。実はかなり昔に本物のシタールを手に入れたことがあった。実際に弾こうとトライしたが、いろいろな意味で敷居が高すぎて演奏は諦めてしまった。まあサンプリングして打ち込みで使おうか、なんていう不埒な考えでしばらく持っていたが、あるとき久しぶりにケースから出したら虫がわき出て、部屋中バルサンを炊く羽目になってしまった。その後マンションの管理室に一時預かってもらい、そこから引っ越した後はさてどうなったやら……。

スタジオに到着し楽器をチューニングしていると、「そのギブソンいい音してますね!」とエンジニア氏に感心されてしまった。自分でもそう思ってはいるが、改めて人からほめられると嬉しいものだ。どうやらエンジニア氏はまともなギブソンの音に出会ったことがないらしい。確かにそうだろう、tassiもわが愛器のスペアを探したが、ほとんど見つからなかった。ビンテージ楽器は特に個体差が大きく、状態が良くても(つまり外観は綺麗でも)音が良いのに出会うことはまれなことだ。

渡された譜面はシンプルだが、音色や音量の管理が難しく指のタッチにかなり気を遣う。おまけに高見氏はギタリストでもあるので、さらにハードルが上がる。丁寧な演奏を心がけ、今年最後のレコーディングが終わった。


SONY α7S / Carl Zeiss Vario-Tessar FE 4/24-70 ZA


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2018年01月12日

指が6本、いや腕が3本欲しい

240c262a.jpg12月24日

夜ONKIOにて劇伴録音。音楽は三宅一徳氏。tassiはアコギ、ガット、チャランゴ、ブズーキでダビング作業。

三宅氏の譜面は時として難しいことがある。譜面が真っ黒の時は、コーディネーターが気を利かせて事前に譜面を送ってくれることがあるが、今回は何も連絡がなかったので、まあ普通の譜面なんだろうと思った。それでも少し心配になり早めにスタジオに到着する。あわよくば巻き巻きで少し前に始められるかもしれない、という淡い期待も少しあったが。

スタジオロビーでコーディネーターの担当者と顔を合わせると、開口一番「早いですね、でも前がかなり押してますよ」と言われてしまった。これは曲数が多いのか、かなり難しいかのどちらかだろう。渡された譜面を見るとその原因はなんと後者だった。

当初はフロアで録る予定だったらしいが、無理を言ってブースに変更してもらいひたすら予習に励む。フロアではバースのダビング中だ。その次にパンフルートのダビングが始まるが、予習が終わることはなかった。

かなり手こずって何とか完成させたが、果たしてテレビではどんな風に聞こえるのか興味津々である。


SONY α7S / Carl Zeiss Vario-Tessar FE 4/24-70 ZA


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