2017年09月

2017年09月16日

出戻り残業

54f783eb.jpg9月11日

昼過ぎからSOUND CITYにてレコーディング1曲。編曲は坂本昌之氏。tassiはポルトガルギターで参加。

坂本氏とは坂本冬美さんの30周年リサイタル以来だから、ほぼ一年ぶりにお会いするわけだ。今回はファド風にやりたいということで、直接連絡をいただいた。ファド風とはいってもtassiは専門家ではないし、また歌手はファドそのものを歌うわけではないので、まずはポルトガルギターの音色が必要ということだろうね。

基本的にtassiが演奏するのはイントロ及び間奏部分だ。譜面には書かれていない装飾音符やビブラートを加えて、寂しげな酒場の雰囲気を出すように心がけた。

その後東京国際フォーラムでさだまさしコンサート終了後、昼間と同じSOUND CITYに戻り、11月公開のアニメ映画の劇伴録音。音楽は川田瑠夏氏。tassiはアコギ、レキント、ビオラ・ブラゲッサでダビング作業。

川田氏はヨーロッパの片田舎というのが全体のイメージにあるようで、どこでどの楽器を使うか考えあぐねている様子である。まずはアコギ曲から仕上げていく。その後いろいろな楽器を曲に当てて、その音色が曲のイメージに合うか試していく。事前にビオラ・ブラゲッサを使いたいという連絡があった。この楽器が家の楽器庫から最後に登場したのは、2009年のアニメ「狼と香辛料」以来だからおよそ8年ぶりとなる。それ以来一度もケースを開けていないので心配だ。しかし楽器の状態も良くまた弦も死んでおらずホッと胸をなで下ろす。

ラスゲアードを多用することで、にぎやかで楽しげな雰囲気を演出した。また当初ポルトガルギターでといわれていた曲も、鉄弦のイメージではないということでレキントギターに代わった。それぞれチューニングが違うので、そのたびに頭の中で移調しなければならない。長時間勤務の後はなかなかシビれる作業である。


SONY α7S / Carl Zeiss Vario-Tessar FE 4/24-70 ZA

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2017年09月12日

TELEFUNKEN M60

980b779d.jpg9月6日

夕方からSOUND CITYにて劇伴録音。音楽は梶浦由記氏。tassiはガットでダビング作業。

梶浦氏の録音はたいていSOUND VALLEYでレコーディングされることが多い。またエンジニアはここ数年いつも小岩孝志氏が担当で、梶浦氏が最も信頼を寄せていることが伺える。今回はスタジオがSOUND VALLEYではなくSOUND CITYと聞いていたので、もしかしたら聞き間違えかと心配してしまった。とは言っても麻布台から市ヶ谷までの距離だから、30分あればナントカ間に合うだろう。少し早めにスタジオに着くとスタジオは間違っていなかった。

スタジオブースに楽器をセッティングし譜面台を見ると、コピーされた手書きの譜面が2枚置かれている。今日は2曲だけのようだ。まずはガットでアルペジオ、その後メロディーを重ねさらに色を加える。この色を加えるというのがくせ者だ。弾きすぎても邪魔になるし、逆に変に遠慮しても存在する意味がない。まさにさじ加減といったところか。次曲も演奏内容に指定はなく、ひたすら「さじ加減」に徹するということだった。初めて聞く曲に「さじを加える」っていうのは意外と難しいものだ。

マイクを見るとU67に加え451っぽい細身のマイクがあることに気がつく。小岩氏に訊くとTELEFUNKEN M60だという。値段は?と訊くと小岩氏は「安いですよ、ステレオペアで12万円ぐらいです」とサラリと答えてくれた。ここ数年新しい機材情報にすっかり疎くなってしまったことを痛感する。ヘッドフォンから返ってくる音はいつものようにとても素晴らしかったが、M60単体ではどんな音で録れるのだろうか興味津々である。前回のマイクスタンド「Triad-Orbit」といい、今回のマイク「TELEFUNKEN M60」といい、新しい機材がどんどん出てくるんだなあ。もう少しアンテナ張らなきゃ。浦島太郎になったような気持ちでスタジオを後にした。


SONY α7S / Carl Zeiss Vario-Tessar FE 4/24-70 ZA

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2017年09月09日

筆おろし「G7th Heritage CAPO」

36cca050.jpg9月4日

夜、お台場にあるテレビスタジオで音楽番組収録。tassiはアコギで参加。

このところテレビ収録が多いが、このスタジオには年に一度も行かないので、迷うとマズイと思いいつもより早めに家を出る。本日はアーティストと二人きりなので、意外と抜かれる(アップで映される)ことが多いかもしれない。映像的なことを考えギターはちょっと派手な「Martin D-45 VR」にした。基本的にアルペジオなので、指弾きなら迷わずギブソン系を選択するが、今回はフィンガーピックをつけて弾くので、マーチンのドレッドノートでもまあ問題ないだろうと判断した。

KeyはBなので4カポGで弾く。カポナシのオープンでなかったこととフィンガーピックをつけたことで、ドレッドノート特有の低域がモッタリしたサウンドは回避できたようだ。一応マイクは立っていたがオンエアはラインの音だけかもしれない。今回初めてG7th Heritage CAPOを使ってみた。果たしてその効果はあったかどうか。やはり一度レコーディング・スタジオでマイクを立てシビアにチェックしてみようと思う。


SONY α7S / Carl Zeiss Vario-Tessar FE 4/24-70 ZA

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2017年09月05日

修行と貯金

021fc355.jpg8月31日

夕方、文化村にてレコーディング1曲。編曲は佐々木博史氏。tassiはマンドリン、ブズーキカバキーニョでダビング作業。

佐々木氏とはほぼ一年ぶり、毎回同じアーティストのレコーディングの時に、民族系で呼んでいただいている。今回もきっと2017年バージョンだな。楽器が多いので早めにスタジオに入る。念のためブズーキはアイリッシュ、ギリシャ両方を持ち込む。

マスターリズムの他に手書きのマンドリン用の譜面が別に一枚用意されていた。そこには同じ音を延々と16分で弾くように指示されている。リズムを刻む指示がリズム譜ではなく、音のタマでしか表示できないアホなソフトが、コンピューター譜面ではよくある。しかしこれは手書きの譜面だ。ということは16分音符をずっと弾き続けということなのか。

最初はテンポに乗れず四苦八苦した。ニュアンスを出さずというか出せず、ただひたすら修行のようにピックを動かした。同じタッチと音色で弾き続けるのは、かなりの難作業である。それでも数回弾けば何とかなり、数カ所の修正をしてマンドリンのトラックは完成した。つぎはブズーキでそのオクターブ下をダビングする。マンドリンとの相性を確かめるため、アイリッシュ、ギリシャそれぞれ1コーラスほど弾く。音色の色が強い方が良いということで、ギリシャに決定だ。一度やっているのでこれは割にスムーズにできた。最後にカバキーニョでストローク。あらかじめ入っているアコギのニュアンスを邪魔することなく、アコギに対して上の音域で音を重ね立体的に仕上げる。

レコーディングが始まる前にエンジニアの松橋氏が好みのマイクは何かと訊いてくれた。うれしいこと訊いてくれるねえ。ブースの中にはNEUMANN U67、AKG451E、ロイヤー122の3本が準備されている。今日は複弦楽器なのでロイヤーは外せない。となるとあとは67しかないだろう。残念ながら451にはとっとと退場願った(実は451が嫌いなのだ)。

セッティング中になにげなくマイクスタンドに目をやると、小ぶりだが見たことのないメーカーに気がついた。剛性感溢れるしっかりとした造りが好感持てる。スタジオアシスタントに尋ねると「Triad-Orbit」というメーカーだと教えてくれた。重量級のマイクスタンドに高砂というメーカーはあるが、個人で持つには価格も高くかなり敷居が高い。その点この「Triad-Orbit」ならがんばって手に入れられそうだ。さっそく貯金だ…..。


SONY α7S / Carl Zeiss Vario-Tessar FE 4/24-70 ZA

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2017年09月02日

投薬時間

1dcaadc3.jpg8月30日

夜遅くSOUND CITY ANNEXにて劇伴録音。音楽は栗山和樹氏。tassiはアコギ、ガットでダビング作業。

本日は時代劇の劇伴だ。曲数は少ないが譜面はなかなか手強い。違う拍子が組み合わさり、トリッキーなトラップがあちこちに仕掛けられている。ちょっと油断するとすぐに落ちてしまう。いつもは一杯呑んでいる時間帯なので身体が演奏モードになっていない。こんな時間帯にレコーディングなんて、ホントに久しぶりだ。ナントカ集中して無事に終えた。


SONY α7S / Carl Zeiss Vario-Tessar FE 4/24-70 ZA

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