2011年10月
2011年10月31日
30年ぶりの再会 2/2
10月29日
民家の建ち並ぶ街並みの中にシンプルな倉庫がひとつ。ここがBozoを輸出している問屋なのか意外と質素なんだなあ、そんな印象を持った。建物の中に入り社長らしき人と対面する。まだ二十歳そこそこのtassiはおどおどと遠慮がちに挨拶し、目の前の優しそうな男性から名刺を受け取る。その名刺には「栄工社」と書かれてあった。えいこうしゃ、エイコウシャ、Eikoshaと何度も口の中で唱えると、あのマンドリンが目に浮かぶではないか。もし間違いだったら申し訳ないのですが、と初めて手にしたマンドリンのことを話すと、「そうです、あのマンドリンは我が社の名前をつけた楽器です」と胸を張って告げられた。やっぱりそうだったか。
Bozoを求めて名古屋まで来た甲斐があった。昔の恋人に偶然、いや引き寄せられるように再会したような、心がキュンとする瞬間だった。懐かしい話で盛り上がりBozoを何本か試奏させてもらい、tassiはお気に入りの一本を大切に抱え名古屋駅まで戻った。腹が減っていたのでどこかで名物きしめんを食べたが、それがどんな味だったか思い出せない。よっぽどギターで頭がいっぱいだったのだと思う。きっと帰りの新幹線ではケースを撫で撫でしながら座っていたことだろう。
==========
二日酔いの頭でそんな昔のことを思い出すうちに、そうだ今日は休みなんだから「Eikosha」を探して行ってみよう。そう決断した。といっても住所、電話は分からない。しかし1980年代と違って現在は「検索エンジン」という便利なツールがある。すぐに栄工社はみつかった。ホテルから地下鉄に乗れば30分ほどで着く場所にある。tassiは身支度を整え颯爽と名古屋の街を歩き始めた。
当時の記憶は全くないので地図を頼りに歩くと、しばらくして住宅街の真ん中にその倉庫を発見した。卸問屋だからよそ行きの社屋は必要ないのか、なんとなく建物は当時のままのようである。また今日は休日らしく人の気配はない。会社の表札を見ると筆記体で書かれた「Eikosha」の文字が見える。マンドリンのヘッドにあった文字はもしかしてこれだったか。目を閉じると懐かしい青春時代が思い出される。しかし閑静な住宅街で、よそ者が天を仰いでいる姿はかなり怪しい。後ろ髪を引かれる思いでそそくさとこの場を去った。
帰りは名鉄瀬戸線に乗り栄町まで。ちょっとした小旅行だったが清々しい気持ちになった。上を見ると秋の爽やかな空に吸い込まれそうだ。そろそろビールが飲みたくなってきたなあ。
CASIO EX-FH100
民家の建ち並ぶ街並みの中にシンプルな倉庫がひとつ。ここがBozoを輸出している問屋なのか意外と質素なんだなあ、そんな印象を持った。建物の中に入り社長らしき人と対面する。まだ二十歳そこそこのtassiはおどおどと遠慮がちに挨拶し、目の前の優しそうな男性から名刺を受け取る。その名刺には「栄工社」と書かれてあった。えいこうしゃ、エイコウシャ、Eikoshaと何度も口の中で唱えると、あのマンドリンが目に浮かぶではないか。もし間違いだったら申し訳ないのですが、と初めて手にしたマンドリンのことを話すと、「そうです、あのマンドリンは我が社の名前をつけた楽器です」と胸を張って告げられた。やっぱりそうだったか。
Bozoを求めて名古屋まで来た甲斐があった。昔の恋人に偶然、いや引き寄せられるように再会したような、心がキュンとする瞬間だった。懐かしい話で盛り上がりBozoを何本か試奏させてもらい、tassiはお気に入りの一本を大切に抱え名古屋駅まで戻った。腹が減っていたのでどこかで名物きしめんを食べたが、それがどんな味だったか思い出せない。よっぽどギターで頭がいっぱいだったのだと思う。きっと帰りの新幹線ではケースを撫で撫でしながら座っていたことだろう。
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二日酔いの頭でそんな昔のことを思い出すうちに、そうだ今日は休みなんだから「Eikosha」を探して行ってみよう。そう決断した。といっても住所、電話は分からない。しかし1980年代と違って現在は「検索エンジン」という便利なツールがある。すぐに栄工社はみつかった。ホテルから地下鉄に乗れば30分ほどで着く場所にある。tassiは身支度を整え颯爽と名古屋の街を歩き始めた。
当時の記憶は全くないので地図を頼りに歩くと、しばらくして住宅街の真ん中にその倉庫を発見した。卸問屋だからよそ行きの社屋は必要ないのか、なんとなく建物は当時のままのようである。また今日は休日らしく人の気配はない。会社の表札を見ると筆記体で書かれた「Eikosha」の文字が見える。マンドリンのヘッドにあった文字はもしかしてこれだったか。目を閉じると懐かしい青春時代が思い出される。しかし閑静な住宅街で、よそ者が天を仰いでいる姿はかなり怪しい。後ろ髪を引かれる思いでそそくさとこの場を去った。
帰りは名鉄瀬戸線に乗り栄町まで。ちょっとした小旅行だったが清々しい気持ちになった。上を見ると秋の爽やかな空に吸い込まれそうだ。そろそろビールが飲みたくなってきたなあ。
CASIO EX-FH100
2011年10月30日
30年ぶりの再会 1/2
10月29日
「SADA CITY」ツアー、本日は名古屋でOFF日だ。昨日は遅くまで痛飲してしまったため、昼近くに目が覚める。さて今日は何をして過ごそうか。スタジオ仕事があれば東京まで飛んで帰るところだが、何もやることのないホテル暮らしは正直言ってつらい。
働かない頭の中で良いアイデアはないかと考えを巡らす。ここは名古屋だったか、と焦点の定まらないまなざしで天井を見つめると、様々な思い出がよみがえってきた。tassiにとって名古屋は過去に数々の楽器との出会いがあった街だ。90年代までライヴでは必ずといってよいほど使っていた「TAKAMINE」、確かこの楽器は名古屋にある共和商会経由で特注してもらったものだ。ライクーダーが使って一躍TAKAMINEの名を知らしめたモデルは、テイルピースがあるアーチトップスタイルのギターだ。それを普通のブリッジに変更して特注したのだ。えび茶色のボディーでずいぶん長い間お世話になった。実は、話せばいや書けば長いがその前にも名古屋とは深い縁があったのを思い出した。
==========
高校生のtassiが最初に手にしたフラット・マンドリンは、「Eikosha」という聞き慣れないブランドの安い楽器だった。高校生の分際で高い楽器が買えるわけがない。1972年頃国産フラット・マンドリンといえば「Jumbo/ジャンボ」が有名だったと記憶している。他に「Kasuga/カスガ」があったかどうだか。どちらにせよジャンボの一番安いモデルでも手が出なかったので、選択は「Eikosha」しかなかったのである。
あこがれの「Gibson」「Martin」日本製でも手が届かない「Jumbo」など、一目見ただけでも説得力のあるブランドがある中で、この「Eikosha」という名前は一体何なんだ。出版社みたいだな、どこかの工場か、などとバンド仲間と集まっては悪口を言い合い盛り上がっていた。値段も1万円そこそこの楽器だったので、音はまあそれなり。仕上げもそれほど高級感はなく、しかし初心者には必要十分であった。それからほどなくして一番安いジャンボを手に入れ、「Eikosha」のマンドリンはどこかに忘れ去られてしまった。
それから何年か時代は下り、二十歳そこそこのtassiは、いよいよプロとして初めてのコンサートツアーに参加することになる。もちろんギターがメインである。ところがその当時持っていたアコギは友人から借りていたS.Yairiだけ。もう少しプロとして説得力のあるギターはないかな。tassiは本番までにある程度の楽器を用意しなければと考えるようになった。
「Bozo」というギターがある。Bozoはセルビア(旧ユーゴスラビア)のギター製作家「Bozo Podunavac/ボゾー・ポドゥナヴァック」氏が作るギターだ。このギターは12弦ギターの名手「Leo Kottke/レオ・コッケ」が使っていることを知っていたtassiは、ギブソンやマーチンそしてギルド同様にあこがれの的だった。ヘッドが七色仮面みたいでかなりユニークで、ちょっと惹かれるギターだった。
当時音楽ライター業もやっていたtassiは、業界の裏情報に触れる機会も多かった。オリジナルの「Bozo」は手工品で価格も高いが、実は普及モデルは日本のS.Yairiがライセンス生産していることを知っていた。今で言うOEMである。このあたりの事情はきっと当時は秘密だったかもしれない。しかしずいぶん昔のことだからもう時効だろう。当然海外向けの「Bozo」なので日本の楽器店には並ばない。つまり誰も持っていないということだ。よしBozoを手に入れよう。当時から人と同じ事が嫌いなtassiはそう決断した。しかし今考えると、S.Yairiじゃいやだからという理由で選んだのに、このBozoも実はS.Yairi製というのは理屈に合わないね。人の楽器がイヤだったのかなあ、それともブランドに目が眩んだか。
さて楽器屋に並ばない楽器をどこで手に入れればよいのか。聞くところによると名古屋の楽器卸問屋が扱っているというではないか。現在ならネットやメールで写真などの情報をやりとりできるが、約30年前だからそうはいかない。結局新幹線に乗り名古屋まで出向き現物を見て選ぶことになった。一人で新幹線に乗るのも初めてのことでかなり不安だったなあ。名古屋から地下鉄に乗りナントカという駅で降り、トコトコと徒歩で10分近く行ったところにその問屋はあった。 後半に続く....
CASIO EX-FH100
「SADA CITY」ツアー、本日は名古屋でOFF日だ。昨日は遅くまで痛飲してしまったため、昼近くに目が覚める。さて今日は何をして過ごそうか。スタジオ仕事があれば東京まで飛んで帰るところだが、何もやることのないホテル暮らしは正直言ってつらい。
働かない頭の中で良いアイデアはないかと考えを巡らす。ここは名古屋だったか、と焦点の定まらないまなざしで天井を見つめると、様々な思い出がよみがえってきた。tassiにとって名古屋は過去に数々の楽器との出会いがあった街だ。90年代までライヴでは必ずといってよいほど使っていた「TAKAMINE」、確かこの楽器は名古屋にある共和商会経由で特注してもらったものだ。ライクーダーが使って一躍TAKAMINEの名を知らしめたモデルは、テイルピースがあるアーチトップスタイルのギターだ。それを普通のブリッジに変更して特注したのだ。えび茶色のボディーでずいぶん長い間お世話になった。実は、話せばいや書けば長いがその前にも名古屋とは深い縁があったのを思い出した。
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高校生のtassiが最初に手にしたフラット・マンドリンは、「Eikosha」という聞き慣れないブランドの安い楽器だった。高校生の分際で高い楽器が買えるわけがない。1972年頃国産フラット・マンドリンといえば「Jumbo/ジャンボ」が有名だったと記憶している。他に「Kasuga/カスガ」があったかどうだか。どちらにせよジャンボの一番安いモデルでも手が出なかったので、選択は「Eikosha」しかなかったのである。
あこがれの「Gibson」「Martin」日本製でも手が届かない「Jumbo」など、一目見ただけでも説得力のあるブランドがある中で、この「Eikosha」という名前は一体何なんだ。出版社みたいだな、どこかの工場か、などとバンド仲間と集まっては悪口を言い合い盛り上がっていた。値段も1万円そこそこの楽器だったので、音はまあそれなり。仕上げもそれほど高級感はなく、しかし初心者には必要十分であった。それからほどなくして一番安いジャンボを手に入れ、「Eikosha」のマンドリンはどこかに忘れ去られてしまった。
それから何年か時代は下り、二十歳そこそこのtassiは、いよいよプロとして初めてのコンサートツアーに参加することになる。もちろんギターがメインである。ところがその当時持っていたアコギは友人から借りていたS.Yairiだけ。もう少しプロとして説得力のあるギターはないかな。tassiは本番までにある程度の楽器を用意しなければと考えるようになった。
「Bozo」というギターがある。Bozoはセルビア(旧ユーゴスラビア)のギター製作家「Bozo Podunavac/ボゾー・ポドゥナヴァック」氏が作るギターだ。このギターは12弦ギターの名手「Leo Kottke/レオ・コッケ」が使っていることを知っていたtassiは、ギブソンやマーチンそしてギルド同様にあこがれの的だった。ヘッドが七色仮面みたいでかなりユニークで、ちょっと惹かれるギターだった。
当時音楽ライター業もやっていたtassiは、業界の裏情報に触れる機会も多かった。オリジナルの「Bozo」は手工品で価格も高いが、実は普及モデルは日本のS.Yairiがライセンス生産していることを知っていた。今で言うOEMである。このあたりの事情はきっと当時は秘密だったかもしれない。しかしずいぶん昔のことだからもう時効だろう。当然海外向けの「Bozo」なので日本の楽器店には並ばない。つまり誰も持っていないということだ。よしBozoを手に入れよう。当時から人と同じ事が嫌いなtassiはそう決断した。しかし今考えると、S.Yairiじゃいやだからという理由で選んだのに、このBozoも実はS.Yairi製というのは理屈に合わないね。人の楽器がイヤだったのかなあ、それともブランドに目が眩んだか。
さて楽器屋に並ばない楽器をどこで手に入れればよいのか。聞くところによると名古屋の楽器卸問屋が扱っているというではないか。現在ならネットやメールで写真などの情報をやりとりできるが、約30年前だからそうはいかない。結局新幹線に乗り名古屋まで出向き現物を見て選ぶことになった。一人で新幹線に乗るのも初めてのことでかなり不安だったなあ。名古屋から地下鉄に乗りナントカという駅で降り、トコトコと徒歩で10分近く行ったところにその問屋はあった。 後半に続く....
CASIO EX-FH100
2011年10月29日
2011年10月28日
懐かしのAタイプを弾く
10月26日
午前中に神宮前の制作会社にてCM録音。音楽は櫻井映子氏。tassiはガット、マンドリンで参加。本日はキリッと爽やかな気候で、仕事よりも行楽モードになってしまう。
午後は東麻布の制作会社にてレコーディング1曲。音楽は祐天寺浩美氏。tassiはマンドリンでダビング作業。楽器はいつもの「GIBSON F-2」を使う。プロデューサーのK氏が古いギブソンのマンドリンを買ったそうだ。見せてもらうと1940年代のA-50だった。tassiが最初に手に入れたマンドリンは、これと同じようなAタイプでfホールの日本製だった。
さてこのA-50はなかなかのサウンドで、先ほどF-2で弾いたフレーズを、もう一度A-50を使って録音してみた。どうぞ後でゆっくりとサウンドの比較をしていただければありがたい。
夜も更けて天現寺の制作会社にてCM録音。音楽は牧野奏海氏。tassiはアコギ、ガットでダビング作業。キー違い、テンポ違い、タイプ違いで10回ほどダビングする。
行楽日和だったこの日も夜遅くなると肌寒い。帰ったら熱燗、お湯割り、それとも去りゆく秋を惜しんで最後の金宮ソーダ割りにするか。
RICOH GXR / A12 / VOIGTLANDER NOKTON Classic 35mm F1.4
午前中に神宮前の制作会社にてCM録音。音楽は櫻井映子氏。tassiはガット、マンドリンで参加。本日はキリッと爽やかな気候で、仕事よりも行楽モードになってしまう。
午後は東麻布の制作会社にてレコーディング1曲。音楽は祐天寺浩美氏。tassiはマンドリンでダビング作業。楽器はいつもの「GIBSON F-2」を使う。プロデューサーのK氏が古いギブソンのマンドリンを買ったそうだ。見せてもらうと1940年代のA-50だった。tassiが最初に手に入れたマンドリンは、これと同じようなAタイプでfホールの日本製だった。
さてこのA-50はなかなかのサウンドで、先ほどF-2で弾いたフレーズを、もう一度A-50を使って録音してみた。どうぞ後でゆっくりとサウンドの比較をしていただければありがたい。
夜も更けて天現寺の制作会社にてCM録音。音楽は牧野奏海氏。tassiはアコギ、ガットでダビング作業。キー違い、テンポ違い、タイプ違いで10回ほどダビングする。
行楽日和だったこの日も夜遅くなると肌寒い。帰ったら熱燗、お湯割り、それとも去りゆく秋を惜しんで最後の金宮ソーダ割りにするか。
RICOH GXR / A12 / VOIGTLANDER NOKTON Classic 35mm F1.4
2011年10月27日
聞いてみたかった
10月24日
午後からODENにてCM録音。音楽は小杉保夫氏。tassiはマンドリンでダビング作業。
小杉氏といえば郷ひろみの「お嫁サンバ」の作曲者として広く知られている。また本日のCMのように冬が近づくと全国的に放送される、あの有名曲の作曲者でもある(残念ながらココでは書けない)。
本日はCMなのに3分ほどのフルコーラスの曲だ。イントロ、間奏はもとより唄中のオブリまでマンドリンが登場する。CMだから30秒で終わると思っていたら大違い。Keyが易しかったのでホッと胸をなで下ろす。
写真のマイク、手前は「SENNHEISER」のデジタルマイクだそうだ。ヘッドフォンから返ってくる音はちょっと存在感の薄い感じがしたが、コントロールルームではとても良い音だったらしい。残念ながらtassiはあちらでのプレイバックを聞き逃してしまった。
RICOH GXR / A12 / VOIGTLANDER NOKTON Classic 35mm F1.4
午後からODENにてCM録音。音楽は小杉保夫氏。tassiはマンドリンでダビング作業。
小杉氏といえば郷ひろみの「お嫁サンバ」の作曲者として広く知られている。また本日のCMのように冬が近づくと全国的に放送される、あの有名曲の作曲者でもある(残念ながらココでは書けない)。
本日はCMなのに3分ほどのフルコーラスの曲だ。イントロ、間奏はもとより唄中のオブリまでマンドリンが登場する。CMだから30秒で終わると思っていたら大違い。Keyが易しかったのでホッと胸をなで下ろす。
写真のマイク、手前は「SENNHEISER」のデジタルマイクだそうだ。ヘッドフォンから返ってくる音はちょっと存在感の薄い感じがしたが、コントロールルームではとても良い音だったらしい。残念ながらtassiはあちらでのプレイバックを聞き逃してしまった。
RICOH GXR / A12 / VOIGTLANDER NOKTON Classic 35mm F1.4
2011年10月24日
シビアな149に指も149モード
10月23日
午後からNHKにてドラマの劇伴録音。音楽は羽岡佳氏。tassiはアコギ、ガットでダビング作業。
楽器をセッティングしていると本日のエンジニアの方から「田代さんは149(NEUMANN M149のこと)をお持ちなんですね」と話しかけられた。確かに持ってはいるがなぜ初対面の彼が知っているのだろう....。はてなとは思ったがマイク談義をいろいとさせていただいた(最近家で録ってないなあ...)。
すでにオケは録音されており最後にギターのダビングということらしい。1時間ほど早く着いたので余裕を持ってセッティングしようとしたが、それなら早く始めましょうかと言われあわてふためく。チューニングもそこそこにまず1曲目からガット指弾きのメロディーだ。
全体に静かな曲調でタッチを大切に演奏する。本日立っているマイクも149だ。音の細部まで漏らさずに拾ってやるぞ、といわんばかりのサウンドがヘッドフォンから聞こえてくる。確かにちょっとしたミスタッチも如実に分かってしまう。自分の血液型がA型で良かったと思う瞬間だ。
コンピューター譜面がどうとかこうとかで、ブログに書いてくれとかダメだとか、羽岡氏からなにか言われたことを思い出した。最近のコンピューター打ち出し譜面は昔から比べれば相当良くなったが、それでも時たま眼を覆うようなひどいものに遭遇することがある。写譜屋さんなら気を利かせて音楽的な割り付けをしてくれる。しかし万能といわれるコンピューターはそれができない。それをオペレートする人間の能力次第なのだ。本日はそのような心配もなく、とても見やすい譜面だった。
最近の演奏家は皆おとなしく黙っているが、内心いろいろと思うところはあるだろうね。時間前に終わったスタジオでを羽岡氏とそんな話で盛り上がった。
RICOH GXR / A12 / VOIGTLANDER NOKTON Classic 35mm F1.4
午後からNHKにてドラマの劇伴録音。音楽は羽岡佳氏。tassiはアコギ、ガットでダビング作業。
楽器をセッティングしていると本日のエンジニアの方から「田代さんは149(NEUMANN M149のこと)をお持ちなんですね」と話しかけられた。確かに持ってはいるがなぜ初対面の彼が知っているのだろう....。はてなとは思ったがマイク談義をいろいとさせていただいた(最近家で録ってないなあ...)。
すでにオケは録音されており最後にギターのダビングということらしい。1時間ほど早く着いたので余裕を持ってセッティングしようとしたが、それなら早く始めましょうかと言われあわてふためく。チューニングもそこそこにまず1曲目からガット指弾きのメロディーだ。
全体に静かな曲調でタッチを大切に演奏する。本日立っているマイクも149だ。音の細部まで漏らさずに拾ってやるぞ、といわんばかりのサウンドがヘッドフォンから聞こえてくる。確かにちょっとしたミスタッチも如実に分かってしまう。自分の血液型がA型で良かったと思う瞬間だ。
コンピューター譜面がどうとかこうとかで、ブログに書いてくれとかダメだとか、羽岡氏からなにか言われたことを思い出した。最近のコンピューター打ち出し譜面は昔から比べれば相当良くなったが、それでも時たま眼を覆うようなひどいものに遭遇することがある。写譜屋さんなら気を利かせて音楽的な割り付けをしてくれる。しかし万能といわれるコンピューターはそれができない。それをオペレートする人間の能力次第なのだ。本日はそのような心配もなく、とても見やすい譜面だった。
最近の演奏家は皆おとなしく黙っているが、内心いろいろと思うところはあるだろうね。時間前に終わったスタジオでを羽岡氏とそんな話で盛り上がった。
RICOH GXR / A12 / VOIGTLANDER NOKTON Classic 35mm F1.4
2011年10月23日
2011年10月19日
またまたカンテレ
10月16日
午後NHKにてBSプレミアムの番組の音楽録音。編曲は野崎洋一氏。tassiはガット、アイリッシュ・ブズーキ、カンテレで参加。
少ない編成での一発録音。クリックなしでの伸び縮み自由な感じでの演奏は心地よい。他の楽器の音がかぶるのでカンテレは最後にダビングする。
OLYMPUS E-P2 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm
午後NHKにてBSプレミアムの番組の音楽録音。編曲は野崎洋一氏。tassiはガット、アイリッシュ・ブズーキ、カンテレで参加。
少ない編成での一発録音。クリックなしでの伸び縮み自由な感じでの演奏は心地よい。他の楽器の音がかぶるのでカンテレは最後にダビングする。
OLYMPUS E-P2 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm
2011年10月18日
2011年10月17日
大切なメガネ
10月13日
「SADA CITY」ツアー、本日は有楽町の東京国際フォーラムAでの初日。
どこかに置き忘れたと思っていた作業用のメガネは、車のグローブボックスにしっかり入っていた。人間の記憶というのは当てにならないということがよく分かった。
コレがないと譜面を見る事が出来ない。tassiにとってギターの次に大切な物だ。この中近用メガネは「リビングのテーブル」「トイレ」「寝室」「常時持ち歩く鞄の中」と、何があっても良いように身の回りのあちこちに複数個置いてある。しかしこれからは車の中にももう一つ用意しておかないとだめだな。
RICOH GXR / A12 / VOIGTLANDER NOKTON Classic 35mm F1.4
「SADA CITY」ツアー、本日は有楽町の東京国際フォーラムAでの初日。
どこかに置き忘れたと思っていた作業用のメガネは、車のグローブボックスにしっかり入っていた。人間の記憶というのは当てにならないということがよく分かった。
コレがないと譜面を見る事が出来ない。tassiにとってギターの次に大切な物だ。この中近用メガネは「リビングのテーブル」「トイレ」「寝室」「常時持ち歩く鞄の中」と、何があっても良いように身の回りのあちこちに複数個置いてある。しかしこれからは車の中にももう一つ用意しておかないとだめだな。
RICOH GXR / A12 / VOIGTLANDER NOKTON Classic 35mm F1.4
2011年10月16日
A12とフォクトの組み合わせイイですね
10月12日
夜SOUND INNにて木9ドラマ「ランナウェイ」の劇伴録音。音楽は山下康介氏。tassiはアコギ、ガット、12弦、マンドリンで参加。
初めてお手合わせする作家やミュージシャン、先方もこちらも初めての存在なのでお互いに間合いを計りつつレコーディングに臨む。本日の山下氏もその例にもれず、譜面に書かれている情報やクセを読み取ることから始める。
いつもと違うブースでのセッティングのせいかちょっと寒い。というよりこの中途半端な時期だから仕方がないんだね。おまけに中近作業用のメガネをどこかに忘れてしまい、心理的にマズイ状態に陥る。写譜屋さんのキチンとした譜面だったから良かったようのものの、これが手書きのスコアコピーだったら細かいところが見えず、大変なことになっていただろうなとゾッとする。
ちょっと余裕ができたのでGXRにA12を装着し「VOIGTLANDER SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5」をセッティングする。さてR-D1sとどれだけ描写力が違うだろうか。たかだかスタジオで楽器を撮っているだけだから細かいことは分からない。しかしフォクトレンダーの奥行き感というかアナログ感は、それぞれ同じように再現されているみたいだ。
A12はフォーカスアシスト機能が付いている。標準より長いレンズにはとてもありがたい。しかし広角レンズとなると被写界深度が深いために、今ひとつその効果を実感できない。シビアにピントを合わせるなら、レンジファインダーの二重像合致式の方が安心感があることがわかった。
RICOH GXR / A12 / VOIGTLANDER SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5
夜SOUND INNにて木9ドラマ「ランナウェイ」の劇伴録音。音楽は山下康介氏。tassiはアコギ、ガット、12弦、マンドリンで参加。
初めてお手合わせする作家やミュージシャン、先方もこちらも初めての存在なのでお互いに間合いを計りつつレコーディングに臨む。本日の山下氏もその例にもれず、譜面に書かれている情報やクセを読み取ることから始める。
いつもと違うブースでのセッティングのせいかちょっと寒い。というよりこの中途半端な時期だから仕方がないんだね。おまけに中近作業用のメガネをどこかに忘れてしまい、心理的にマズイ状態に陥る。写譜屋さんのキチンとした譜面だったから良かったようのものの、これが手書きのスコアコピーだったら細かいところが見えず、大変なことになっていただろうなとゾッとする。
ちょっと余裕ができたのでGXRにA12を装着し「VOIGTLANDER SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5」をセッティングする。さてR-D1sとどれだけ描写力が違うだろうか。たかだかスタジオで楽器を撮っているだけだから細かいことは分からない。しかしフォクトレンダーの奥行き感というかアナログ感は、それぞれ同じように再現されているみたいだ。
A12はフォーカスアシスト機能が付いている。標準より長いレンズにはとてもありがたい。しかし広角レンズとなると被写界深度が深いために、今ひとつその効果を実感できない。シビアにピントを合わせるなら、レンジファインダーの二重像合致式の方が安心感があることがわかった。
RICOH GXR / A12 / VOIGTLANDER SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5
2011年10月15日
2011年10月12日
ハンマーダルシマ
9月30日
夕方から麻布オーにてドラマ「南極大陸」の劇伴録音。音楽は高見優、吉川慶の両氏。tassiはアコギ、ガット、マンドリン、バンジョー、そして今週2度目のカンテレでダビング作業。
まずはカンテレ曲を集中して録音する。それぞれキーが違うのでその度に調律して録音に臨む。その後ギターバージョンをいくつか録り、無事にセッションを終わる。
ちょっと時間が空いてSOUND CITYにてレコーディング1曲。編曲は加藤みちあき氏。tassiはスタジオで初めて弾く「ハンマーダルシマ」でダビング作業。キーの難しさもさることながら、ハンマーで弦を叩くことの奥深さを実感する。弦が張ってあってもこの楽器はやはり打楽器だなあ。
OLYMPUS E-P2 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm
夕方から麻布オーにてドラマ「南極大陸」の劇伴録音。音楽は高見優、吉川慶の両氏。tassiはアコギ、ガット、マンドリン、バンジョー、そして今週2度目のカンテレでダビング作業。
まずはカンテレ曲を集中して録音する。それぞれキーが違うのでその度に調律して録音に臨む。その後ギターバージョンをいくつか録り、無事にセッションを終わる。
ちょっと時間が空いてSOUND CITYにてレコーディング1曲。編曲は加藤みちあき氏。tassiはスタジオで初めて弾く「ハンマーダルシマ」でダビング作業。キーの難しさもさることながら、ハンマーで弦を叩くことの奥深さを実感する。弦が張ってあってもこの楽器はやはり打楽器だなあ。
OLYMPUS E-P2 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm
2011年10月09日
ヴィウエラ初登場...かな
9月29日
夕方からSOUND INNにてレコーディング3曲。音楽は志方あきこ氏。tassiはブズーキ、ポルトガルギター、ラウト、そして初登場のヴィウエラでダビング作業。
本日のヴィエラ(VIHUELA)はリュートなどの古楽器の部類ではなく、メキシコのマリアッチで使われる5弦5コースの楽器だ。弦は全てナイロン弦。乱暴なたとえで恐縮だが、ガット・ギターの6弦をとっぱらい、3〜5弦をオクターブ上げたチューニングの楽器だと思えばよろしい。だからコードフォームとして考えると、ほとんどギターと同じだと思って良いだろう。
ちょっとやわらかなサウンドだけどガットギターとは違う音色で、どうやら志方さんもご満悦らしい。同様にギリシャのラウトも曲調に合っているようで、これまた満場一致で全員がハッピーになれた。
OLYMPUS E-P2 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm
夕方からSOUND INNにてレコーディング3曲。音楽は志方あきこ氏。tassiはブズーキ、ポルトガルギター、ラウト、そして初登場のヴィウエラでダビング作業。
本日のヴィエラ(VIHUELA)はリュートなどの古楽器の部類ではなく、メキシコのマリアッチで使われる5弦5コースの楽器だ。弦は全てナイロン弦。乱暴なたとえで恐縮だが、ガット・ギターの6弦をとっぱらい、3〜5弦をオクターブ上げたチューニングの楽器だと思えばよろしい。だからコードフォームとして考えると、ほとんどギターと同じだと思って良いだろう。
ちょっとやわらかなサウンドだけどガットギターとは違う音色で、どうやら志方さんもご満悦らしい。同様にギリシャのラウトも曲調に合っているようで、これまた満場一致で全員がハッピーになれた。
OLYMPUS E-P2 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm
2011年10月07日
カンテレを知っていたとは....
9月26日
午後からNHKにてBSの音楽番組の収録。音楽は宮川彬良氏。tassiはアコギで参加。カントリー風のちょっとはねたサウンド。昔は得意だったが最近はとんとご無沙汰だ。昔を思い出しながら軽快にストロークした。
その後代々木上原のオワゾにてドラマ「蜜の味」の劇伴録音。音楽は横山克氏。tassiはマンドリンでダビング作業。本日はマンドリンだけという数少ないセッションである。それもほとんどトレモロ主体だ。約1年分のトレモロを今日一日で演奏したぐらいの量だった。
最後にヘロヘロになりながら昔「アークギャレット」と呼ばれていて、現在は「パストラルサウンド」と名前を変えた、奥沢の隠れ家的なスタジオにてレコーディング1曲。音楽は徳澤青弦氏。tassiはカンテレでダビング作業。青弦氏は一緒に「SADA CITY」ツアーで回っている仲間だ。久しぶりのカンテレなのでちょっと緊張しながらも、ヘロヘロ度合いが緊張感を緩和しイイ感じに仕上がった、と思う。
OLYMPUS E-P2 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm
午後からNHKにてBSの音楽番組の収録。音楽は宮川彬良氏。tassiはアコギで参加。カントリー風のちょっとはねたサウンド。昔は得意だったが最近はとんとご無沙汰だ。昔を思い出しながら軽快にストロークした。
その後代々木上原のオワゾにてドラマ「蜜の味」の劇伴録音。音楽は横山克氏。tassiはマンドリンでダビング作業。本日はマンドリンだけという数少ないセッションである。それもほとんどトレモロ主体だ。約1年分のトレモロを今日一日で演奏したぐらいの量だった。
最後にヘロヘロになりながら昔「アークギャレット」と呼ばれていて、現在は「パストラルサウンド」と名前を変えた、奥沢の隠れ家的なスタジオにてレコーディング1曲。音楽は徳澤青弦氏。tassiはカンテレでダビング作業。青弦氏は一緒に「SADA CITY」ツアーで回っている仲間だ。久しぶりのカンテレなのでちょっと緊張しながらも、ヘロヘロ度合いが緊張感を緩和しイイ感じに仕上がった、と思う。
OLYMPUS E-P2 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm
2011年10月06日
山形でひとやすみ
9月23日
「SADA CITY」ツアー、本日は秋田から山形への移動日。メンバースタッフ全員で観光バスに揺られながらの移動だ。こういった移動は楽しいが、小中学生のようにバスの中で唄をうたったり、しりとりをすることはない。ただひたすら背もたれに体を委ね寝るばかりである。
夕方前に山形に到着する。けっこう旧い建物やアッと思うような店を発見したりと、散歩をしていて飽きない街だ。
OLYMPUS E-P2 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm
「SADA CITY」ツアー、本日は秋田から山形への移動日。メンバースタッフ全員で観光バスに揺られながらの移動だ。こういった移動は楽しいが、小中学生のようにバスの中で唄をうたったり、しりとりをすることはない。ただひたすら背もたれに体を委ね寝るばかりである。
夕方前に山形に到着する。けっこう旧い建物やアッと思うような店を発見したりと、散歩をしていて飽きない街だ。
OLYMPUS E-P2 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm
2011年10月05日
移動日の旅帰り
9月20日
急遽旅から戻ってこい、というお達しがあったので神宮前の制作会社にてCM録音。音楽は櫻井映子氏。tassiはバンジョーで参加。
デキシー風なバンジョーということを事前に聞いていたので、5弦は車に積まずテナーと万一のために6弦を随行させた。バッキングはテナー、メロディーは6弦で弾き分け、同じバンジョーでありながら微妙な音色の違いを表現した。
夜はSOUND INNにてドラマ「私が恋愛できない理由」の劇伴録音。音楽はMAYUKO , 末廣健一郎の両氏。tassiはアコギ、ガットでダビング作業。夜も更けてきた時間になりようやくレコーディング開始だ。さすがに旅帰りの身にはこたえる。集中力を切らさないように、強精ドリンク剤やその手のものを摂取しスタジオに入る。ギターバージョンをいくつか録り無事に移動日の一日を終えた。
OLYMPUS E-P2 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm
急遽旅から戻ってこい、というお達しがあったので神宮前の制作会社にてCM録音。音楽は櫻井映子氏。tassiはバンジョーで参加。
デキシー風なバンジョーということを事前に聞いていたので、5弦は車に積まずテナーと万一のために6弦を随行させた。バッキングはテナー、メロディーは6弦で弾き分け、同じバンジョーでありながら微妙な音色の違いを表現した。
夜はSOUND INNにてドラマ「私が恋愛できない理由」の劇伴録音。音楽はMAYUKO , 末廣健一郎の両氏。tassiはアコギ、ガットでダビング作業。夜も更けてきた時間になりようやくレコーディング開始だ。さすがに旅帰りの身にはこたえる。集中力を切らさないように、強精ドリンク剤やその手のものを摂取しスタジオに入る。ギターバージョンをいくつか録り無事に移動日の一日を終えた。
OLYMPUS E-P2 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm