2006年09月

2006年09月30日

金城広子の世界

989c6808.jpg9月27日

今日は金城広子さんのライヴ本番。ツアーと違い1回しかないライヴなので、まさに一期一会。緊張と期待が入り交じったドキドキワクワクのライヴになりそうだ。

ちょっと早めにスイートベイジルに着くが、他のメンバーは既にセッティング済み。ナンだかみんなやる気満々だなあ。まずはセッティングだ。ポルトガルギター、マンドリン、そしてカンテレ。ギターが一本もないのに気がつく。今まではたいていギターにプラスしてこういった民族楽器なのだが、本日は「専門職」として呼ばれていることが一目瞭然。ワタシはいつからこういう人になってしまったんだろう、とフト考える。

民族楽器にはピックアップを着けていないので当然マイクで音を拾うことになる。PAから最初に用意されたのはDPA 4011。ええっっ、ライヴでもこんな高いマイク使っちゃうんですか?とちょっとシンパイになる。確かに音はイイが聴感上細く聞こえるし、モニターに返せる音量はSHURE SM57の様なダイナミックに比べて、苦しいんじゃないのかなあ....。そんなシンパイはやっぱり的中し、結局SHURE SM57にチェンジ。外音も57の方がガッツがあって良いようだ。価格差約1/30なのにねえ。何でも高けりゃいいってもんじゃありませんね、適材適所これが基本です!!

今回のマンドリンだが、明らかにカンツオーネという曲はラウンドを、それ以外ではフラットというように使い分けた。カンテレはドイツリート風の1曲で演奏。ポルトガルギターはファドで3曲。

金城さんはなかなかチャーミングなおばさまで、今回のレコーディングからtassiはすっかりファンになってしまった。「オッホッホッホッ... 」という笑い声が何ともいえずイイ感じで、こちらの気持ちも和ませてくれる癒しの存在だ。本日は満員御礼で素晴らしいライヴだった。


EPSON R-D1s Minolta M-ROKKOR 28mm

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2006年09月28日

TAMBURITZA

685f45da.jpg9月26日

午後から笹塚のペーハーサウンドでCMのデモ録音。音楽は大森俊之氏。
某乳製品メーカーのCMで、ブルガリアっぽい感じを出したいとのことだったが、ブルガリアの楽器はないので何となくそれ風な感じが出せそうな楽器をいくつか選んで持っていく。

tassiはブルガリアまで行ったが、残念ながら現地で民族楽器を手に入れる事はできなかった。確か「タンブール」と言っただろうか、そんな楽器があることを現地で知らされたが、なにぶんにも旅の疲れでそれどころではなかった。この辺りのいきさつはTassi Homepageの「世界民族楽器交遊録」を見ていただければ、涙ナミダの珍道中の様子がお分かり頂けると思う。

とりあえずクロアチアの楽器「TAMBURITZA/タンブリッツァ」とギリシャの「BOUZOUKI/ブズーキ」そして「BAGLAMA/バグラマ」を用意してスタジオまで向かう。日本と違ってアチラは陸続きなので、国が違っても同じような楽器がそれぞれの国にある場合があるから、たぶんこの3種類でナントカなりそうという気がしたのだ。もしかしたら「大いなる勘違い」を犯しているかもしれないが.....

写真はTAMBURITZAを持つ大森氏、大病から回復されて元気そうだったので一安心。ワレワレの年代はそろそろ体に気を使わなきゃね。


EPSON R-D1s VOIGTLANDER ULTRA WIDE-HELIAR 12mm

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僕の歩く道

6a229012.jpg9月25日

夕方から麹町のサウンドインでフジテレビ系で10月から放送の「僕の歩く道」劇伴録音。作曲は本間勇輔氏。

本日もマンドリン、そしてアコギである。マンドリンといってもその種類を大まかに分けると、形状の違いでいえばラウンドとフラットの2種類となる。音楽的に分けるとすれば「クラシック系」「明大マンドリンクラブ系(別名演歌系?)」「イタリア系」「ブルーグラス系」「ドーグ・ジャズ系」「アイリッシュ系」「ショーロ系」そんなところだろうか。まだ他にもあるぞ!って方、ゼヒ教えてください。そうか、「フォーク系」っていうのがあったが、これってもしかして死語.....?

さて、日本での使われ方を考えると演歌系のラウンドマンドリンは別にして、明らかにジャンルが特定できる音楽以外はどっちを使っても良さそうだ。特にドラマや映画の背景音楽、つまり劇伴においては「ノンジャンル」という部分もあるので、tassiはそういう場合いつも手に馴染んでいるフラットマンドリンのGibson F-2を使う事にしている。ピックを替えたり弾くポジションを工夫する事で色々な音色を出す事ができるので、たいていの場合はカバーできると考えている。それでも「保険」ということで、いつもラウンドとフラット両方持っていくようにしているが。

そんなワケで、譜面には「フラット・マンドリン」とは書かれていなかったが、まずGibson F-2で演奏。これで「あの〜〜、音色が...」と言われたらラウンドに持ち替えようと考えていたが、無事にOKが出てしまった。弾き方にちょっと工夫を加えたのがヨカッタのかなあ。


OLYMPUS E-1 ZUIKO DIGITAL 14-54mm

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2006年09月27日

14才の母

ccc1207c.jpg9月24日

午後から市ヶ谷のサウンドバレイAstまでアニメ「ちょこっとシスター」の劇伴録り。作曲は西田マサラ氏。
このプログラムは確か4月に一度録音した記憶があるが、たぶん追加録音だろう。Mナンバーを見ると何と70いくつもあるではないか。この数を見ると作曲家はタイヘンだなあ、とつくづく感じる。今回はアコギ、ガット、ウクレレで参加だ。

曲数はそんなに多くはなかったが、諸事情により次第に終了予定時刻を過ぎていく。今日はクッションが1時間しかないので、次のスタジオの事が気に掛かる。といっても曲の途中で放り出して帰るワケにいかないので、最後の曲をナントカ仕上げて代々木にあるワンダーステーションへと向かう。

今日は日曜とあってか道が空いていたので10分ほどで到着し、なんとか5分遅刻でカンベンしてもらった。ホルンの藤田乙比古氏とヴァイオリンの中井一朗氏はウォーミングアップも済んで既に臨戦態勢、tassiまずはマンドリンで参加だ。1曲目は着いたばっかりでとにかく余裕がなかったので、ナントカ譜面に忠実に演奏する。本番を迎える頃にはちょっとしたニュアンスをつけながら、音楽的に仕上げてゆく。同じような形でもう1曲録り、最後の曲は作曲家の高見優氏のガットギターに、tassiのマンドリンというシンプルな構成。

今日はいつも以上にイイ音がするなあとエンジニアの岡部潔氏に言うと、HAに自前で買ったMillenniaを使っているんですよとのこと。なるほどね、Neumann U67とMillenniaのHAかあ。Gibson F-2の暖かさが生音以上によく録れている。しかし同じ機材があれば誰でも同じ音で録れるというワケではなく、そこはエンジニアの腕によるところが大きいのだろうとは思うが。仕事そっちのけてず〜〜っと弾いていたかったなあ。

今日の劇伴は日本テレビ系で10月から放送の「14才の母」だ。
http://www.ntv.co.jp/14/


OLYMPUS E-1 ZUIKO DIGITAL 14-54mm

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2006年09月25日

ペダル・スティールに大汗

4049059f.jpg9月23日

午前中に西麻布のOnAir麻布AstまでCMデモ録音。音楽は蒲池愛氏。
某飲料メーカーのCMでバッハのG線上のアリアをアレンジしてやるそうだ。事前にウクレレ、スラッキーギター、そしてペダル・スティールギターと言われていたが、ペダル・スティールはもう20年も弾いていないので自信がないからと断った。しかし、色々諸事情がありナントカということで、楽器庫の奥にしまい込んであったFUZZYのペダルスティールを久々に出してくる。

んっ、まだ弦は錆びていないなあ。おお、ペダルやニーレバーもしっかり動くじゃないか!これならナントカなりそうだ、まあ演奏以外はね。さてと、アンプはどうするか。もうやらないと決めていたのでアンプも当時処分してしまったからなあ。ラインで録ってもらう事にしてさっそくMillennia TD-1で音作りを始める。と同時に久々に触るペダル・スティールの感触を確かめながら、徐々に記憶を取り戻してゆく。

ペダル・スティールに相当気を取られていたせいか、ウクレレを持って出る事を忘れてしまい、いったん家まで戻りスタジオへと急ぐ。まずはレゲエ風にウクレレでリズムを刻みつつ、色々なアプローチを試す。別タイプでスラッキー風なアルペジオのアコギをダビング。そしてついに今日のその時が来てしまった。

レゲエ風はコードでサポート、別タイプは対旋律を数小節弾く。何度かトライしてOKをもらう。勘を取り戻せたところまではいかなかったが、ナントカなったのでホッと胸をなで下ろす。いやあ汗かいちゃいました.....

ペダル・スティールはしっかりしたバーさばきや、左足のペダルワークそして右足のヴォリューム・ペダル操作など、全身をくまなく使う楽器なので、ブランクが長いと仕事レベルで演奏するのはナカナカ難しいと感じた一日だった。

写真は作曲家蒲池愛氏とプロデューサーの坂口雄一氏、そしてFUZZYのペダル・スティール。脇に見えるのはMagnatoneのラップ・スティール。


EPSON R-D1s VOIGTLANDER ULTRA WIDE-HELIAR 12mm

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2006年09月24日

7月24日通りのクリスマス

35b89963.jpg9月22日

午後から麹町のサウンドインAstにて劇伴録音。作曲は服部隆之氏。
今日は「7月24日通りのクリスマス」という映画の劇伴で、物語の舞台はリスボンそして長崎。リスボンと来れば当然ファド抜きには考えられない。ってことでtassiはポルトガルギター、マンドリン、ガットギターで参加。ギタリストは他に2名、千代正之氏と西海孝氏。

全体を通じて西海氏のベーシックに千代氏のガットメロ、それにtassiのポルトガルギターが絡むという構成になっている。ファドとは言ってもそこは映画のサウンドトラックなので、ファドそのまんまのスタイルではなく、南欧風というか異国情緒を感じさせるサウンドという印象を受けた。tassiのポルトガルギターも「味付け」に近い感じの内容で、決まりのメロディー以外はワリと自由に弾かせてもらえた。まあホンモノのファドは弾けないから、あくまでもtassi流だが。

ギター三人衆およびW.BASSの渡辺等氏の後は、大編成のストリングスが登場らしい。ああ、同録でなくてヨカッタ.....写真はパーテーション越しに隣から興味深そうに、tassiの楽器をのぞき込む西海氏。西海氏は以前tassiが手放した「SHOENBERG」を、そんな事情とは知らずに某楽器店で偶然に嫁にもらってくれたギタリストで、今日もその楽器を持ってきていた。久しぶりの再開に思わずナミダがこぼれそうになったが、グッとこらえて唇をかんだ。あの幅広いネックにも慣れたとということは、まあ気に入ってもらっているようなので、ヨカッタヨカッタ。大事にしてやっておくれ。

7月24日通りのクリスマス
http://www.724-christmas.com/


EPSON R-D1s VOIGTLANDER ULTRA WIDE-HELIAR 12mm


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2006年09月23日

テニスの王子さま

d5fcd618.jpg9月21日

昨日に引き続き音響ハウスで午前中からCM録音。改装後初めて入った3stだが、ナカナカ小綺麗になっていた。7階にあるその他のスタジオも広くなったようだ。その分ロービーが狭くなってはいるが。音楽は三井誠氏。

昨日業務終了後楽器をスタジオに預けていたので、今日は搬入作業ナシで手ぶらでスタジオに登場。ああ楽だなあ、こうやって考えると搬入搬出って結構疲れる作業だ。おまけにその分の時間を余計に見ておかないとならないし。だからみんなローディーをつけるワケね。でもtassiは自分で運ぶ派だから、この先もきっと一人で台車押してるでしょう。

今日は某電力会社のCMで、音楽はイギリスだったかスコットランドだったかの有名な曲。アコギ(SJ)でアルペジオを左右に2トラック、更にガットでメロディーという段取りだ。別にティンホイッスル・メロという別バージョンもあり、それはフルートの高桑英世氏が吹いている。

その後自宅でアニメの1シーンのためにViolin Soloを録る。DVD化される「テニスの王子さま」というアニメだとか。スタジオ用に改装した部屋はデッドなので、響きのある広いリビングにマイク類を移動。何度か音決めをして数テイク録り、画と合わせる。お茶の間スタジオでもなかなかのレベルで録れる事にビックリ。映像スタッフもご満悦でお帰り頂きました。


OLYMPUS E-1 ZUIKO DIGITAL 14-54mm

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2006年09月22日

札幌カレー ヨシミ

2922cde7.jpg9月20日

午後から新富町の音響ハウス1stまでレコーディング2曲。
アレンジは夏目一朗氏。

今日はドラムの音決めからナンダカ時間をかけてやっているなあ。ベース、エレキギター、tassiのアコギとやっているうちに、かる〜く1時間は経ってしまった。ナカナカ余裕のあるレコーディングなんだなあ....まあたまにはこういうゆったりとしたスタイルもイイかもねと思った。

2曲を録るが、ベーシックトラックの微妙な乗りやニュアンスに全員が一丸となるまで、何度でもトライする。コレは大事な事だね。2曲共にGIBSON SJで弾く。TD後にどういうバランスになるか分からないから、現時点でエラソ〜なこと言えないが、1176のコンプが強すぎと感じた。まあ人それぞれの好みだろうが....

帰り際にアーチストのMさんから北海道のスープカレーをお土産に頂く。コレはウレシイ!カレー狂のワタシとしては一刻も早く帰って食べてみたいところだ。


EPSON R-D1s VOIGTLANDER ULTRA WIDE-HELIAR 12mm


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2006年09月20日

グリーングリーン

7798dc26.jpg先日サンプル盤を頂いたハナシをブログに書いたところ、たぶんその日記を見たんでしょうね、それではワタシも!と送ってくれた方がおりました。「グリーングリーン」というグループの作詩と作編曲をされている「奏カナミ(かなかなみ)」さんです。グリーングリーンは民謡を基調とした女性4名のコーラスグループ。ナカナカ日本人の心をゆさぶります。この「ナミダグサ」でtassiはアコギとポルトガルギターを弾いています。

前にも書きましたがよっぽどの事がないと送ってこないサンプル盤、レコーディングに関わったミュージシャン全員に送ったら数だけでもタイヘンでしょうし、それ以外のスタッフも含めると相当数を確保しないとなりませんね。なのでポストを開けCDらしき郵便物が入っていると、予期せぬプレゼントに結構ワクワクします。

CDをかけようとパッケージを開けたら、何とサンプル盤ではありませんでした。わざわざ買って送ってくれたようです。いやいや、カナミさんありがとう!!

グリーングリーン
http://www.interq.or.jp/cute/kirara/


EPSON GT-X900

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2006年09月19日

アヒルのワルツ

9eb6aed3.jpg9月18日

昼からサウンドシティAstにてレコーディング1曲。編曲は祐天寺浩美氏。
先日(14日)録音したCMのロングバージョンということで、楽器も前回同様にガットとフラット・マンドリン。今回はCMではなくフルコーラスなので、もしかしたらCD化されるのかもしれない。作業内容は前回同様と一緒だが、今日は部分的にトレモロを2声追加。音楽関係のスタッフばかりだったので作業は順調に進み、1時間ほどでスンナリと終わってしまった。

今日のようにトレモロや比較的ゆっくりなアルペジオを弾く場合は、サスティーンが長いラウンドホールのマンドリンが適している(と勝手に解釈しているのだが)。仕事的にはラウンドホールでしょう。しかしブルーグラスやるならやっぱりfホールじゃないとあの感じが出ない。

tassiも10代の頃はそれこそ朝から晩までブルーグラス漬けで、もちろん憧れのマンドリンはやっぱりGIBSON F5。いつかはF5と心に決めていた、高くて買えなかったけどね。ところが今やブルーグラスを聞く事は滅多になく(もちろん弾く事もだが)、楽器もラウンドホールのF2を気に入って使っている。音楽の嗜好が変わってきたこともそうだが、現在までfホールの楽器でコレ!というのに出会わなかったのもその理由の一つだ。おまけに値段が結構高い。ギターと比べるとあんなに小さいのにね。

ところが9月4日のセッション以来どうもFタイプ(fホールの)マンドリンが気になって仕方がない。楽器屋を覗くたびについついマンドリンを手にとって弾いてみたりする。以前だったら見向きもしなかったF5にちょっかい出してみたりして、ウ〜〜ンとか唸って一人ブツブツやっている。90年代以降のGIBSONはナカナカ良くなってきたが、その中でもMASTERモデルは飛び抜けて良くできていると思った。音にも深みがあり、シャープさの中にも柔らかな粘りを感じさせてくれる。これなら納得できる1本だが、いかんせん値段がねえ。でもイイなあ.....久々にブルーグラスのCD引っ張り出して聞いてみようかなあ。


OLYMPUS E-1 ZUIKO DIGITAL 14-54mm

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2006年09月17日

今日はガットギター

558b00bb.jpg9月17日

午前中に麹町のサウンドインAstでCM録音。作曲は三井誠氏。
連休中ということもあってか道路はガラ空きで、20分ほどでスタジオに到着。今日は有料老人ホームのCMだ。これからは人口の高齢化を迎えるわけで、今後こういったシルバーエイジ向けのCMは増えてくるんだろうなぁ。でも人ごととは言えないね。

tassiのガットギターから始まる曲なので、細かいタッチや弦ノイズなど、もちろん人間が弾いているのだけれど、なるべくスムーズにと神経を使って弾く。録音技師はいつものようにアコギにはNEUMANN U67の小幡幹男氏。いつも思う事だが、小林正二さんの写譜はいつ見ても芸術的で演奏しやすい。こんな素晴らしい譜面が1回限りの録音でで捨てられてしまうのはとても残念で忍びない。ふだんは大編成で賑わっているこのAstのフロアに、ポツンと一人でセッティングするとナンダカ寂しい。と同時にゼイタクだなあ、なんて感じたりもする。

夜は西麻布にある24時間営業のCM音楽制作会社にて某カメラメーカーのCM録音。音楽はモーガン・フィッシャー氏。アリモノの曲だがケルト風なアレンジで、やはりココでもガットギターだ。モーガン氏の作風は毎回一風変わっており、ギターのパートも同様でちょっとひねってあることが多い。今日も微妙なタイミングで始まるフレーズに、思わず9/8拍子を指折り数えて勘定してしまった。エンジニアは廣瀬修氏で、いつもながらNEUMANN U87とAKG 414の二本立てでアリガトさんでした。

帰り際に旭孝氏とすれ違う(今日もそうだったか!!)。ここ最近いつも旭さんと入れ替わり立ち替わりで、今日はケルト風なのでどうやらティンホイッスルらしい。残念ながらtassiは民族楽器ではなく、ガットギターでしたよ。


EPSON R-D1s VOIGTLANDER ULTRA WIDE-HELIAR 12mm

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2006年09月16日

録音用グッズ

bc2a08e4.jpg9月15日

昼過ぎに渋谷の文化村スタジオまでCM録音。音楽は藤田曜子氏。
あらかじめ打ち込んであるオケに、渡辺等氏のW.Bassとtassiのガットギターをダビングだ。ボサノバ風なサウンドで唄の伴奏を録る。今日は某石油会社のCM。

HAのせいかB&K 4011の音がちょっと固く、最初アコギでサウンドチェックした時どうなるかとシンパイしたが、ガットでの本番は問題なく良い感じだった。ダビング時にちょっと苦労して(まあイロイロとあるのですが....)なんとかOKを頂く。

録音用グッズの紹介。
針式の使い古されたチューニングメーター(コレが一番使いやすい)、カポ2種類、厚さの異なるピック、爪研ぎ用の細かいヤスリ、蛍光マーカー、ちなみに携帯は必ず電源オフです。


OLYMPUS E-1 ZUIKO DIGITAL 11-22mm

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2006年09月15日

憧れの祐天寺浩美氏

c6f23531.jpg9月12日

夕方から代々木にあるワンダーステションまでCM録音。音楽は祐天寺浩美氏。
tassiは初めての作曲家や編曲家と仕事する時は、一応念のためネットで検索かけてみたりして、どんな方かどんな作風かを事前にかる〜く調べる事がある。調べ尽くすあまり、先入観ばかりで接してももよろしくないが、まあ便利な時代になったもんだ。

祐天寺、ゆ〜てんじ....はてな、聞いた事がある名前だなあ。同じ名字はそうはいないしなあ。ををっそうだ!サンレコの「お部屋一刀両断」の人だ。と気づくまでにそう時間はかからなかった。祐天寺さんの本職が突撃ライターじゃないとワカッタのは、ネットで調べてイロイロと作品やら参加ライブがたくさんヒットしたからだ。ああよかった、初めてお会いして「作曲もするんですね」なんて失礼な事を言わなくて.....ココで書いてるから言ったも同然か、スミマセン祐天寺さん。

「本日のスタジオ一刀両断」
ようやく涼しくなって皆様は夏バテ回復したでしょうか?というわけで今回の犠牲者祐天寺さんは、キャップが似合うロン毛の作曲家。でも両手に包帯、確か右手はギブスで固定されていたようで痛々しいお姿。ミュージシャンが腕怪我しちゃダメでしょうねえ。バイクで転んだか、野球でヘッドスライディングか、きっとお姿に似合わずアウトドア系なんでしょうか。それとも格闘系?「怪我したんで譜面左手で書いちゃいました」なんて軽く言われたもんだから、それじゃわたしも左手で弾きましょうね、なんてくだらない冗談言いながら和やかに作業がスタート。

今日は某保険会社のCMで、tassiは唄の伴奏をガットギターとマンドリンでやるという段取り。左手で書かれた譜面は思いの外分かり易くコードのみ(笑)。大丈夫ですこのくらいの文字ならもっと汚い人いますよ、なんて心で呟きながら三拍子をガットでせっせと刻み、次に白玉風フィル(ギョーカイでは全音符を白玉といふ)を重ね、更にマンドリンでアルペジオを2種類ダビング。ナカナカほのぼのとしたイイ感じで、クライアント・チェ〜〜ック。

コントロールルームでは関係者交えてイロイロとやっております。楽器構成のバージョン違いやなんやらで、しばし待ち時間ですね。これが映像が絡むCMの現場なのです。待つ事数十分無事にOKが出てtassiは無罪放免となりました。

早くワタシの家もお部屋一刀両断してくださいよ、と祐天寺さんに頼むとプロはダメですとピシャリ。じゃあ廃業してアマチュアになったらきっと来てくださいね。そんな固い約束を一方的に交わされて迷惑そうな祐天寺さんは、なんと現在tassiと同じ町内にお住まいだとか。いつも自転車で駒沢公園辺りを流しているようです。


EPSON R-D1s VOIGTLANDER ULTRA WIDE-HELIAR 12mm

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2006年09月14日

カポを甘く見るな 4

c6f38f02.jpgどんなスタイルであろうと、その機構上カポは指板を押さえるために、ネックを締めつけなければならない。そのためネックの裏側にはいつも何らかの突起物が、たとえばレバーやネジなどなど出ている状態が普通だ。押さえるコードによってはこれらの突起物が邪魔して、押さえづらいことがしばしばある。それを解消してくれたのが「STERNER ECCENTRIC CAPO」だ。「The Sterner Capo Museum」というマニアックなサイトがあるのだが、そこで扱っているのがこのカポ。

何とスウェーデン製で、一見するととてもカポとは思えず、なにか特殊な文房具のようにも思える。写真を見ると分かるように、ネックに当たる部分は薄い金属(傷が付かないようにコーティングされている)なので、ネック裏に障害物はなくスムーズな手の動きが可能になる。ルビー色のネジを締めつけていくことで、しっかりと弦を押さえつける機構になっている。また、ここを横に動かすとワンタッチで外す事も出来る。とてもよく考えられているデザインだが、間違ってルビーのネジに強く触れてしまい、カポが外れてしまわないかというシンパイが残るのがザンネンだ。まあ普通に使っている分には外れる事はまずないが、万が一ということもあるからね。

たぶん出る事はないが大晦日の「紅白歌合戦」やら、民放の生放送の音楽番組。こういう状況の時は音楽以外の要素も当然「生」で進行しているので、色々な事故が起こりやすい。そういえば昔良く出ていた「夜のヒットスタジオ」あの現場はほんとにタイヘンだった。短いCM放送中に場面転換やバンド交代などがあるので、あちこちでスタッフの罵声が飛び交い、色々な人が走り回っていたことをよく覚えている。エレキのシールドが抜けたか、だれかがアンプの電源コードに足をひっかかったか知らないが、音が出ないなんてことも珍しくなかった。テレビに映らない裏側はまさに戦争さながら。そんな中でこの「スターナー・カポ」を積極的に使う気にはなれない。狭いスタジオの中で行き交う人がこの美しい「ルビー」に触れないとは言い切れないからね。音が出ないのも悲劇だが、カポが外れて弾けないなんていうのもマヌケでカッコ悪い。人前で使ってみたくなる魅力的なデザインだが、tassiはプライベートでの使用にとどめようと判断した。

「The Sterner Capo Museum」
http://web.telia.com/~u86505074/capomuseum/


EPSON GT-X900


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タランテラ!

9月12日

夕方から池尻大橋にあるマルニスタジオまで劇伴録音。音楽は斉藤恒芳氏。
劇伴といっても今日は1曲のみで、それも5分を超す大作である。話を聞くと、宝塚雪組の「タランテラ!」の中で使われるそうだ。通常こういった劇中音楽はオケピットにいるオーケストラによって演奏されるのが常だが、様々な理由で生ではなく録音にする場合もあるとか。

今回tassiはガットギターと、物語の舞台が南米ということもあってかCHARANGO/チャランゴを演奏。超大作の前半部分はスパニッシュ的なギター。譜面は簡単そうに見えたがやってみると意外と難しく、相当時間をかけてナントカ終了。この時点で次に待つ旭氏の顔がガラス越しに見える。後半はまだ終わってない、やばい。

結局チャランゴが出てくる後半部分から旭氏と一緒にやる事になる。今日は南米系民族楽器コンビ(?)ってことで旭氏はケーナで参加。いつもはすれ違うことが多い旭氏だが、さすがにベテランと思わせる演奏にただただ感動。それにしても久々に苦労したダビング作業だった。


「タランテラ!」
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/06/snow_takarazuka_datenshi/index.html


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2006年09月12日

金城さん、ライヴもですか!

7f618e39.jpg9月11日

夕方から金城広子さんのリハーサル。本番は9月27日の六本木スイートベイジルだ。
先日ポルトガルギターで大苦戦を強いられた、あのレコーディング(8/11)だったが、何とライヴも頼まれてしまった。コレはタイヘンなことになった!!なにせレコーディングでも相当苦労した「あの」曲を、人前でやろうっていうんだからね。ライブは一発勝負だから、レコーディングと違って録り直しはきかない。

「in2」つまり2/4や2/2という2拍子の譜面をスタジオで見る事は意外と少ない。コレにはあるわけがある。通常スタジオで使う譜面は写譜屋さんがキレイに清書したものを使う。その理由として、見やすくなくてはならないこと。見やすいということは初見でも「間違えにくい」ということでもある。譜面が見やすく間違えにくいということは、録音時間の短縮になり総じてコスト削減につながる。

しかし写譜屋さんは1ページいくらの単価で仕事をしているので、枚数が多い方が当然写譜料がかかる理屈になる。4/4で書くと2枚に収まる譜面が、2/4で書くとその倍つまり4枚になる計算なので、気を利かせたアレンジャーは4/4で書いて「譜面はこうだけどin2でね!」と口頭で伝える事がよくある。また、in2だと譜面の枚数が多くなってしまい、長い曲だと譜面台が2台じゃ足りないなんて事も起こりかねない。そんなワケでtassiもスタジオで2/2や2/4譜面にあまり慣れていないというのが実情だ。しかしin2で書かないと伝わらない事もあるので、一概に「in2譜面禁止」と言うわけにはいかない。

不安要素の多い演奏に集中したいために、あえて譜面を4/4に書きなおしてリハーサルに臨む。これなら譜めくりから解放され、かつ視線の移動も最小限に済むというワケだ。先日紹介したP.I.I.スタジオで、人口密度が高くちょっと酸欠状態になりながらも、肩を寄せ合い頬を寄せ合いスキンシップさながらに、和やかにリハーサルはどんどん進む。tassiは今回KANTELE/カンテレ、PORTUGAL GUITAR/ポルトガルギター、MANDOLIN/マンドリンで参加。出たり入ったりなので逆に緊張するなあ。

メンバーは、Pf、 Acc:塩入俊哉、Gt、Bouzuki:岩井眞一、BASS:竹下欣伸、PERC:楯直巳、それにtassiだ。ここ数年ライブ活動が少なかったのでちょっと楽しみではある。


EPSON R-D1s VOIGTLANDER ULTRA WIDE-HELIAR 12mm

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2006年09月11日

サンプル盤

1284a7a3.jpg9月10日

午後からサウンドシティCstで劇伴録り。作曲は菅野祐悟氏。
今日は2本分のアニメの音楽を録るというハナシだったので、長時間を覚悟して体調万全で臨む。フジテレビ系列で10月から放送の「働きマン」それとUHFアニメ「銀色のオリンシス」の2本立てだ。

どうやら今日もロシア大使館付近は騒々しく、警官もピリピリした様子だが無事に到着。本日の民族系はBOUZOUKI/ブズーキのみで、あとはアコギとガットのみ。まずギターバージョンということで、無情なクリックだけの世界にガットのアルペジオ。そしてメロディーを重ねる。同様のスタイルで数曲を録る。

そろそろ終わりかけてきた頃、唄メロをギターバージョンで録るという作業が待っていた。唄の独特な唄い回しや譜割りが結構難しく、かなり苦労してナンとか仕上げる。本日一の難曲であった。

帰り際に「輪舞曲/ロンド」「サプリ」のサンプル盤を、プロデューサーの長氏からいただく。色々なレコーディングに参加しているtassiだが、参加したCDをもらう事は極めて希で、たいていは弾きっぱなしで、最終的にどうなったかはいつも知らずじまい。こうやっていただける事はたいへんウレシイ。帰って聞いてみたが、懐かしく思い出す曲もあれば、自分のギターの音なのにほとんど覚えていない曲もありで、ウレシイやら困ったモノやら.....。


働きマン
http://www.hataraki-anime.com/

銀色のオリンシス
http://www.toei-anim.co.jp/tv/olynssis/


EPSON GT-X900

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2006年09月10日

カポを甘く見るな 3

b8e12728.jpg引き続きカポのハナシ

イロイロと調べてみるとカポの価格帯が何となく分かってくる。昔ながらのゴム製のカポが一番安い1,000エン弱で、一番多い価格帯が3,000エンぐらいとなっているようだ。カポごときにそれ以上出せないだろうということでの価格設定かもしれない。

今日紹介するのは先日も軽く触れたが、「G7th」カポだ。写真は指板にアールのついたアコギ用。最初にコレを見た時は驚いた。どんな構造になっているんだろうってね。とにかく弦を押さえる力を自分で自在にコントロールできる点がすばらしい。それもネジ式のように時間をかけずに瞬時に行える点がライブでは重宝すると思う。まさに21世紀のカポだ。価格は5,000エンほど。

さて肝心の音はどうかというと、重量のある本体のイメージと同様に重心の低い落ち着いた音だ。コレはコレで説得力がある。では「MacKinney/マッキニー」はどうかというと、音色の変化はほとんどなく、カポをはめない解放の音との差が少なく、かつ端正な音と言う印象。高いながらも人気がある理由が分かる気がする。そういえば以前カポすると音が変わるからイヤだと言ったギタリストがいたが、考えようによってはコレを積極的に使い分ければイイのではないかと今回思った。これからはオーディオのケーブルを替えるように、曲調によってカポを替える時代が来るのかもしれない。

先日書いた「G7th」カポのバラバラ事件だが、2004年初期ロットに不具合があったようで、現在は改良されているらしい。また不具合のあるモノは無償交換してくれるそうだ。

G7thカポ
http://www.rokkomann.co.jp/g7th/g7th.html


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2006年09月09日

D Gray-man

5eafd848.jpg9月8日

午後から早稲田にあるアバコ304stでアニメの劇伴録音。この秋(10/3)テレビ東京で放送される「D Gray-man」というアニメだそうだ。作曲は和田薫氏で、今回もOUD、SAZ、BOUZOUKIの「三大裏丸系民族楽器」の登場となる。コレにLAUTO、BAGLAMA、JURAが加わると「六大フルセット」となりタイヘンなことになる。というのはこいつらを立てかけておくスタンドが足りないからだ。かろうじて何本かは裏側にしてセットしているが、不安定な姿勢でいつ倒れるかとシンパイでトイレにも行けない。

シンパイごとといえばもう一つある。それは楽器のホールドがナカナカむずかしいこと。裏が丸いのでしっかり腕で押さえないと膝(正確には腿だね)の上でクルクルと動き、チャンと安定しないのだ。しかし出来れば両腕はフリーにして余計な力を入れたくない。演奏性はもちろんの事だが、楽器の音だってイイに決まってる。ガッチリ押さえ込む事でボディー鳴りを殺してしまうからね。コレを解消するのがゴム製の滑り止め。カーペットが滑らないように下に敷くようなヤツでOK。コレを適当な大きさに切って両足の上に置けば、効果絶大。写真では譜面台下にあるボックスの上に、黒いゴム製のモノが見えるかと思うが。これぞ裏丸系ミュージシャン必携のアイテムである!!

今日はtassiのダビングの後に笛の旭孝氏が来るので(やっぱりそうか!!)時間内にキッチリ収めなければならない。大先輩ミュージシャンを待たすワケにはいかないからね。譜面は全て書き譜なのでそのまま弾けばヨイが、モノによっては音域が合わず、指定外の楽器で試したりとイロイロやっているうちにハイお時間となり、なんとか譜面も全て消化してOKとなった。


「D Gray-man」
http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/dgrayman/


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2006年09月08日

カポを甘く見るな 2

38351cb8.jpg9月7日

午後から青山葬儀場そばのCM音楽制作会社までCM録音。作曲は平岩嘉信氏。
南青山という住所のワリには小さな家が建ち並ぶ、ちょっと庶民的な一角にあるスタジオだ。今日は大阪にある住宅建築会社のCMだ。時間ぎりぎりだったのでサッとセッティング、フラメンコ風ストロークをササッと演奏。最後にハンドクラップを、平岩氏プロデューサー氏と3人でチャッチャッと重ね無事終了。

「どれどれ、どれがカポのロールスロイスよ?」とスタジオで平岩氏から質問されたので(ブログ見てくれたのね)、今日はガットだから使ってないが、コレよ!と見せると手にとって興味深そうに眺めていた。コレがそんな値段かぁ...という感じだったので、それでは今日は「カポのメルセデス」のオハナシ。

昨日紹介した「McKinney/マッキニー」を手に入れる前に使っていたのが「PAIGE/ペイジ」カポ。左が6弦用。やはりステンレス製で、細身ながらしっかりした造りになっている。なぜ「メルセデス」かと言うと、値段が6,000エンほどで「ロールスロイス」よりも安かったからそう呼んでいる。現在ペイジカポはステンレス製ではなく、スティール(鋼鉄)製で、何と24金メッキなんていうのもあるらしい。また弦を押さえる部分のチューブも、透明なブルーから黒へと変更されている。価格は約4,000エン。現在のペイジカポと比べたワケではないが、スクリューのスムーズさはもちろんのこと、肝心な音もやはりロールスの方がヨイ。

右の黒いヤツが現在のスティール製ペイジカポで、これは12弦専用となる。察しの良い人はピーンときたと思うが、透明のチューブは3〜6コースの細い弦を押さえるところに持ってくる。このチューブがないと、相当きつく締めつけなければしっかりと押さえられない。きつく締めれば当然チューニングは狂いまくりだ。しかしこのチューブのおかげで、適度な強さでしっかりと押さえられ、その結果チューニングの狂いも少なくてすむという、まさに優れモノである。ザンネンながら日本では手に入らなかったので、tassiはアメリカから直接通販で取り寄せた。このカポは12弦を弾く人は持っていて決してソンのない逸品である。

PAIGE CAPO
http://www.paigemusical.com/


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2006年09月07日

カポを甘く見るな 1

efb68150.jpg9月6日

「カポを制する者はアコギを制する」と昔の人が言ったかどうかは知らないが、このカポをうまく使う事で、アコギならではの表現の幅がグ〜〜ンと広がるから、ぜひカポの大切さを知って欲しい。

Fが押さえられないから、あるいはBbのコードがちゃんと鳴らないから、曲のキーがEbだからという理由で、何も考えずに3カポにしていないだろうか?確かにアコギは開放弦を鳴らす事でその良さが発揮できる楽器だが、ただ「押さえやすいから」という理由だけで無意識に使っているようでは、アコギの魅力を十分堪能していない事になる。とまあエラソ〜なことを書いたが、コレについてはブログではなく、ホームページの中でイロイロと語りたいと思う。

さて、そんな重要なカポだからその選択にもこだわりを持ちたい。実はカポによっても音が変わるのだ。このことを知らない人が結構多く(プロでもね)、カポマニアのtassiとしてはあまり教えたくないのだが、今日はカポのロールスロイスと言われる「McKinney/マッキニー」カポを紹介しよう。

一見何の変哲もない金属製のカポだが、12,000エン(10年ほど前だったか)という信じられない価格だった。へたすりゃ安いギターが買えてしまう値段。凝った装飾があるわけでなく、特許を取った新しい機構があるわけでもないのにこの値段。ごくごくオーソドックスなスタイルなのにねえ、普通は買いませんよ。きっと個人でシコシコと創っているんでこの値段かもしれない、よくワカリマセンが。でもその装着感が安心感に繋がり、そして他のカポをつけた時と明らかに音が違うことで、このカポの凄さが実感できる。

ステンレス製なので細身とは言えちょっと重量があるが、これが剛性感につながるのだと思う。また、スクリューを徐々に締めていくことにより、ジワジワと確実に弦を押さえていく感じが手に伝わってくる。だから必要以上に締めつける必要がないし、そこを自分でコントロールできるところがまた良い。その結果カポした時のチューニングの狂いも少ない。バネ式やゴム式のカポではこうはいくまい。

現在ではこの「ロールスロイス」日本での入手は困難で、仮に見つけたとしてもその価格は当時の約3倍近くになっている。いくらイイといったってたかがカポじゃないか、アホらしくて試す気もおきないよね。ホントtassiもそう思うよ。ならばとネットで調べてみると見つかるもんだ。ココで扱っているカポがtassiのと同じかどうかは判断できないが、見た目はソックリだ。ってことで1個試しにオーダーしてみた。このレポートはまた後日.......

エリオットカポ
http://www.elliottcapos.com/


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2006年09月06日

今日も5弦バンジョー

d6c6ae74.jpg9月5日

夜から六本木のはずれにあるCM音楽制作会社のスタジオでCM録音。
作曲は田中千架子氏。
昨日につづき今日もBANJO/バンジョーだが、どんなスタイルか分からないのでテナー(4弦)、5弦、6弦(ギターチューニング)の3本を車に積んでおく。6弦バンジョーなんて邪道だ、なんて声が聞こえてきそうだが、実はそんな事はない。tassiも昔はそう思っていてコソコソとケースから出していた時期もあったが、今は堂々と胸を張って上座にセッティングしている。

日本の音楽シーンで、ブルーグラスやデキシーをもろにそのまま演奏する機会は、まずほとんどないと言ってイイだろう。昨日のが特殊なぐらいで、ほとんどの場合「バンジョーの音色がほしい」というケースなので、フレーズやコードによっては6弦の方が楽に、というかスムーズに演奏できる場合もあるのだ。だから決して邪道な楽器ではない。

とはいうモノの「3フィンガーでね!」と言われれば、やっぱり5弦でなければその感じが出ない。また、テナーは5度チューニングなので、コードのボイシングも他の2本に比べて若干オープン。そのため同じコードストロークでも出てくるサウンドは微妙に違うので、「デキシー風」となればやはりテナーなのではあるが。

今日のスタジオはエレベーターがないので台車が使えない。3本の重いバンジョーを何往復もして運ぶのはつらいので、まず先に曲のイメージを聞いてから、1本を選ぼうとデモを聞かせてもらう。あらかじめ打ち込みで入っている「バンジョー」をナマに差し替える段取りだ。カントリー調ってことで5弦に決定。

今日は某コンビニエンス・ストアのCM で、「ATM手数料がタダ」という内容のモノだった。音域違いで2パターンダビングして短時間で無事終了。


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2006年09月05日

文学座公演「ゆれる車の音」

1d03e7a2.jpg9月4日

正午近くに池尻大橋近くのマルニスタジオへ劇伴録音。音楽は久保田安紀氏。この秋BSiで放送される幼児番組「ポレポレジャンボ」の中で流れる2曲にアコギとガットをダビング。子供たちが唄うそうだ。繊細なアルペジオで消音などに気を使う。

夜は早稲田にあるアバコスタジオ301stでこれまた劇伴録音。音楽は川崎絵都夫氏で、文学座の「ゆれる車の音」という芝居の音楽だ。曲はカントリーのスタンダードばかりで、メンバーもそういったミュージシャンばかり。フィドルに岸本一遥氏、ペダルスティールに尾崎孝氏、ウッドベースは河合徹三氏、ギターは初対面の長谷川氏、それにナゼか尺八と三味線の方々、ついでにtassiのバンジョーとマンドリンというオール生編成だ。

アバコ301stは大編成が録れる都内で数少ないスタジオだ。その歴史は相当古く、tassiデビューの時は既にあった。「早稲田アバコ」と今だに言う人が多いのは、早稲田とは別に「青山アバコ」というスタジオがあったからだそうだ。まあそんな古いハナシはどうでもヨイが、とにかくだだっ広いスタジオのフロアにそれぞれの楽器が、所広しと円陣を組んでセッティングされている。普通ならそんな楽器配置はないのだが、お互い顔が見えた方がイイという配慮かもしれない。

たぶんカントリーやブルーグラスの世界ではほとんどコード譜ばかり(かどうかは知らないけど)だろうからか、川崎氏からの指示は「譜面通りではなく、まあ自由にね」ということだった。離れているとはいえ円陣を組んでいるので、お互いの音はかぶりまくりで、万が一間違っても修正はきかない。2ch同録と同じ状況カモ、と想像しながら録音は進む。後でマンドリンのダビング時に分かった事だが、プロトゥールスを使っていながら実はバラではなく、2chで録っていたようだ。

tassiは最初バンジョーを弾き、その後ダビングでF.マンドリンをダビング。久々にブルーグラス・スタイルのマンドリンを弾くので、ナカナカ思うようにはいかずちょっと手こずった。ちょっと反省のセッションだったなあ。


久保田安紀さんのサイト
http://www004.upp.so-net.ne.jp/artenak/

川崎絵都夫さんのサイト
http://www.asahi-net.or.jp/~kd2e-kwsk/

文学座「ゆれる車の音」のサイト
http://www.bungakuza.com/yurerukuruma06/index.html


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2006年09月04日

JURAで四苦八苦

cde9f8c8.jpg9月3日

午後から赤坂溜池にあるクラウン・レコードのスタジオでレコーディング2曲。アレンジは奏カナミ(かなかなみ)さん。「グリーングリーン」という女の子4人のコーラスグループの録音だ。

事前に録音されている音源に浜口茂外也氏のパーカッション、長岡道夫氏のベース、途中からハープの朝川朋之氏が参加、それにtassiのアコギと民族楽器という編成でダビングだ。

割とゆったりと余裕のあるペースでベーシックを録り、細かい修正作業やそれぞれのダビングをやっている内に、そろそろストリングスの皆さんがやってくる時刻が近づく。tassiのダビング楽器を色々試せる時間は残り少ない。ストリングスの皆さんの超過料金は人数分だから、それはそれはタイヘンな額になってしまい、そういう場合関係者はキリキリと胃が痛む思いらしい。また聞いた話だが、時計の針が動くたびに「チャリン、チャリン」と硬貨が落ちていく音がするとか。

結局12弦ギターとJURA/ジュラに決定で、ブズーキとポルトガルギターは却下。加線の多さに目を白黒させながら、10分遅れでナンとかJURAは無事終了。

ロビーで待機しているストリングスの皆さんの中に混じって昨日もお会いした旭氏の顔が見える。今日の飛び道具は?と聞くと、リコーダーと拍子抜けする返答が。民族楽器の不自由さを二言三言交わしながら、では後よろしくとtassiはスタジオを後にした。本日の写真はグリーングリーンの皆さん。


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2006年09月03日

AKG 414

b6ad2e02.jpg9月2日

午後から東京タワー横のその名もズバリ「タワーサイド・スタジオ」まで劇伴録音。作曲は和田薫氏。今日の飛び道具はOUD/ウード、BOUZOUKI/ブズーキ、SAZ/サズの「民族裏丸系三兄弟」のみ。楽器の連絡は先の3種類に「...など」と付け加えられていたので、TZOURAS/ジュラとBAGLAMA/バグラマも念のために用意した。

今日の劇伴は劇団青年座の「ブンナよ、木からおりてこい」という芝居の音楽で、公演は下北沢の本多劇場で10月14日から始まるらしい。早めにスタジオに着くとパーカッションの梯郁夫氏がまだダビング中。いつものようにフロア一杯に所狭しと楽器を並べ、その都度代わる代わるとっかえひっかえでダビングしていた。tassiはその間小さなブースで譜面のチェック。変更があっても良いように、一応全ての譜面をどの楽器でも弾けるように用意しておく。

とりあえず譜読みを終えロビーに出ると、フルートの旭孝氏とオーボエの柴山洋氏の顔が見える。和田氏の民族系レコーディングの時、たいてい「梯・旭・tassi]という3人セットになることが多いが、旭氏、今日はパンフルートで参加だ。フレーズによってパイプを一本一本組み替えていて、ナカナカ大変そうだなあ。

エンジニアは山田正弘氏。和田氏のレコーディングの時はいつも山田氏で、tassiの楽器には必ずといってよいほどAKG414が立てられる。この414、昔からあるマイクだが、年代やモデルによって音の傾向が微妙に違う。実はこのマイク、tassiはあまり好みではないのだ。しかし山田氏が録る音は不思議とイイ音でいつも納得してしまう。今日もいつものように多少オフ目で、ちょっと上からのポジション。そんな事がイイ音のヒミツなのかもしれない。


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2006年09月02日

スティールギター

1343b709.jpg8月31日

午後から麹町のサウンドインAstで劇伴録音。NHK教育テレビで放送中の「クインテット」の録音にウクレレで参加。音楽は宮川彬良氏。今日は珍しくハワイアンが1曲あり、スティールギターにライオンさん(小林潔氏)を迎えてのセッションとなる。曲は牧伸司の「あ〜〜、やんなっちゃった」でおなじみの「タ・フアフアイ」だ。スティールギターが入ると、これぞハワイアンというサウンドになるから不思議だ。

tassiも実はスティールギターを持っているが、もう10年以上弾いていない。昔はコレで仕事していた時期もあったが、今や竿モノ専門だ。たまには出してきて弾いてみようかなあと思ったセッションだった。

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2006年09月01日

マスタリング

a7ab8b4d.jpg8月29日

今日は高橋洋子さんのシングル(10/25発売の「帝国陸軍情報部第3課 パンプキン シザーズ」のOPテーマ「蒼き炎」)のマスタリングにつき合い、桜新町の「パラサイト・スタジオ」までチャリンコで行く。マスタリング・エンジニアは滝口博達氏。

Bサイドは先日tassiがアレンジした曲だ。普段こういう作業に接する事はないので、機材やら作業の進め方などに興味津々のtassiであった。機材類も普段レコーディングスタジオでは見慣れないモノばかり。ちょっとしたEQ補正で印象がグッと変わる様を見ると、この作業の重要性がよく解る。

6時から始まった作業は夜10時までかかり、その後は近所の居酒屋(と言っても相当レベルは高いが)で軽い打ち上げとなる。高橋さん本人をはじめ、GENEONスタッフやAサイドの編曲者SHIN-GO氏、エンジニアの中越氏たちと楽しい一時を過ごし、午前3時に無事帰還。あ〜〜今日も焼酎飲み過ぎた......


Panasonic DMC-FX1

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